第五章7話 夢
取りあえず中途半端に書いていたのを書いただけなので投稿頻度は未定ですが、
新規と並行してちびちび書いて行く予定です。
俺はどうなったんだ? 体が熱く、頭がふらふらしている。
意識があるのが自分でも不思議なくらい体調が悪い。気分も悪くほのかに頭痛もしている。
「……大丈夫でござるか?」
誰かの声が聞こえる。誰に向けて放っているのか分からない声に答える声はない。
今声を放っていた人物と、その声に返答する人物の距離が遠く返答する声が俺に聞こえなかっただけかもしれない。
「兄……大丈夫……」
またしても聞こえる声先程と同じような位置で同じような内容、同じ相手に向けていると思われる言葉に対する返事はやはりない。
誰が放っているのかからないが、誰に向かって放っているのかはおおよそ見当がついてくる。
「兄者…………」
三度目、これは先ほどまでと聞き取れた部分が違うのか、それとも内容が変わったのか人物の名を言ったように感じた。
位置はやはり同じで俺の近く。その言葉に対する返答は三度にわたって聞き取れなかった。
ここまで来ると、俺に対して放たれた言葉と考えて間違えないと思う。
俺はこの体調不良の原因を知っている。
知っているが思い出せない、先程から聞こえる呼びかけと共に体を舐めるように這いまわる何かの感触、なめられるような感覚を抱くが、不快感はなくどこか気持ちよく、それでいて優しく、心地いい。
「兄者大丈……」
先程から来る呼びかけに呼応するように体を撫でる感覚、この感覚をはじめは気づかなかった。だが気づかなかっただけで最初の呼びかけから止めどなく、一定のリズムで送られていたのだと思う。彼は呼びかけだけでなくアプローチをかけていたのだ。
心配し必死になり、俺を助けようと懸命に。
得体の知れないだが優しい何かのおかげで少しましになり
「兄者、兄者」
本調子とまでは言わないまでも、いくらか戻ってきた体調で体を起こす。
光が目に刺さり、一瞬視力を奪われる、目に刺さった光は闇にまみれさ迷い歩いた訳でもなく、慣れしあ太死んでるはずの光なのにどこか懐かしく思えた。
目に刺さる痛みと我慢比べをしても意味を成さないことは理解できており、目を閉じ数秒程度目を休める、休めもういいかと目を開けると先ほどまで感じていた痛みは引き、牙を向いていた光はいつもと変わらぬ人を安心させる暖かい光に変わって居た。
辺りを見渡すと棚やマット扇風機と数時間前に見た時驚いた光景が目に入る。少し気が休まったのか力が抜けまた横のなる。
「兄者!」
先ほどまで声を掛けてくれていた彼の心配そうな声をよそに横になった状態で辺りを見てみる。右には棚前方は証明後方は堅くはないマットで優しく抱かれ左は右同様棚。
今俺が横になっているのは脱衣所のマットの上。
体から発した汗と湯船に浸かっていた時の水分を吸い込んだらしい、マットは少し冷たいが思いのほか湿ったりはしていない。
魔法か技術か分からないが上がってきた者に不快感を抱かせないための作りをしているらしく、おかげで気持ち悪さはさほど感じない。
そして忘れてはならないのが彼
「兄者大丈夫か!?」
俺の目の前で深刻そうに顔をゆがめ手には右手にうちわ、左手にタオルを持ち俺に優しく風お送っている彼。後月の存在だ
先程マットが水分を取ってくれたと勘違いしたが、実際は彼の手にもたら得ているタオルの影響も当た長だ。
体調不良を起こした俺を介抱してくれた彼、彼が居なかったらやばかったかもしれない。
一歩間違えば大惨事なんてことはないだろうが、それでも助かった。たんにのぼせただけと言っても、辛いものはつらい。
風呂で考え事をしていて、長風呂になり、血行が良くなったところ急に立ち上がり、立ちくらみ。
その後倒れ込み今に至る。長風呂辺りまでは思い出せたがそれ以降は俺の想像。なにせのぼせた人の典型と言えば湯船に浮かぶか、立ちくらみだ。湯船に浮かんでる人をかつて見たこともないし経験したこともない。その上倒れ込む辺りはうっすらだが覚えてる。なら想像はたやすい。
だが温度がいくら高かったと言ってものぼせるほどの長時間浸かっていなかったし、それ以前にそうなる前に心拍が上がったり、頭に血が回り過ぎると体の方が危険信号を出すはずだ。仮に信号としてでなくともここまで悪くなる前に自分で気づき上がっていてもおかしくない。
だがそれをしなかった、なぜだ? そう言えば、俺は風呂に入った時に感じた、寒いと思う感想、あの感想を抱いたが、かけ湯した後なぜか体が温まり、寒さがなくなってしまった。
あの時はただ単に、湯の温度が高かったから体が温もったのかもと思ったが、よくよく考えると、そんな高温を浴びたなら体が温もるより先に、熱くてやけどしてしまう。
それがかけ湯と言う数瞬体に当たってすぐ流れ落ちる流水で、しかも寒いと思っていた感情が消えてしまう程のぬくもりを感じるとなると体の芯から温もったことになる。
浸かったならまだましだが流水だとそこまで温もらない。、
「悪い、心肺かけたな」
「兄者が大丈夫なら、良いのだが」
後月の顔を見ていると心配をかけたのは明白だ。どの程度意識がなくなっていたのかこればっかりは分からないが数秒や数分程度の心配の仕様じゃ無いことから十分程度は意識をなくしていた可能性がある。。
「兄者せっかく温もったのだ浴衣を着ようそれにローリェ殿たちも心配しておろう」
ここでうだうだ考えていても仕方ないし、彼女たちを待たせているままのんびり寝てもいられない。幸い彼が風を送っていてくれたおかげとマットの両方のおかげで体の水分は飛んでいるので少し気持ち悪い気がしないでもないが浴衣はこのまま着れる。
「そうだな行くとするか」
浴衣を着、少しの違和感を抱いたまま風呂場を後にする。
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のれんをくぐり外に出ると、女性陣二人は何も言わず待っている。
蒸気した頬や、髪から滴り流れ落ちる雫。暑さのあまり着崩しちらっと見える胸元に髪から流れ落ちた雫や汗などが胸元に視線を誘導するということは無く。
水気を感じられないが湯冷めしている様子もない、しっかり水気を拭きとり出てきたのだろう、そうでなければ湯冷めしている。
どのみち待たせたのには変わりないが、湯冷めするほどの時間は待っていないようで少し安心しる。想像して居た風景が眼前には広がらないが代わりに、床まで伸びるほどの髪をひと房にまとめるのは苦労するのか、髪を纏めたりせず乾かして放置し綺麗な浴衣で身を包み俺が出てきたことに気づいたのか、ふんぞり返るコロネと。
コロネよりは短いがそれでも長い髪をひと房に纏め、いつもと少し違う雰囲気を醸し出し待っていた。
だがいつもと違うと思ったのは髪型のせいで、俺たちが出てきたことに顔を明るくしこちらに駆けよってくる姿を見るにやはりいつもの彼女のようだ。
二人とも美少女だ、だが想像していたようなムフフなシュチュエーションでも良かったのではないのかと声を大にして抗議したいが、後月同様彼女にも心配をかけたのだ、いつもと違い髪を纏めて居る姿を見れただけ良しとしよう。
次の機会があれば期待を胸に早めに風呂を済ませるとする
「わるい待たせたな」
待たせてしまったことの謝罪を入れる。
「何かあったの?」
「なんじゃぬし、遅いではないか」
下心溢れる感情は今の申し訳なさの上では蓋をせずとも霧散したようで、下心を感じ取られずに済み少々ほっとする。
「えぇーと……俺がのぼせた」
苦笑気味に言う。笑われる声と心配の声両方が聞こえると半ば身構えていたが俺の予想は当たらない。
「仕方ないわ、温泉は思っているより熱いもの」
「まぁぬしが始めて入ったなら分からんでもない」
帰ってくる声は納得の意のみ。
心配はしていた様子のローリェも後月と居たからか、それとも彼女たちが今言ったように温泉初体験者はのぼせるのが定石なのかは分からないが、後月程ではなかった。
後月も実はそこまで驚いていなかったのかもしれないが、彼も向こうの方が生きてきた年数は長いはずだ。向こうの概念で心配してくれていたのかもしれない、彼に聞かないと真相は分からない。
「待たせて悪かったな、今日は部屋に帰って、休むとしようか」
「わかったわ」
「そうでござるな」
「ふーむ、仕方あるまい」
今日はサクッと寝て明日に備えるとする。
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部屋に戻るまで他愛もない話をした。こっちに来てから、戦闘していたので和む日々は大歓迎。何をすればいいか分からない、この世界で俺は平和に平凡に暮らせたらそれでいい。
向こうに戻る選択肢を作るためにも、どこか手掛かりがないか探すべきな気はするのだが、正直その手段を探してまで戻りたいとは思えないのでこれで良い。
だが……
「後月お前向こうの世界に帰りたいとか思ったことは無いのか?」
彼はどうか知らない。こっちに俺より先につき手がかりを探していたのかもしれない。彼は所帯を持ち帰る場所があるのかもしれない。
そう思えば彼の事何も知らない事実に今更ながら気づく。
「そうでござるな。帰りくないと言えば嘘になる、ですがこちらに守りたい者も出来たでござる、自分から帰るということは無いでござろう」
彼は彼を慕いついてくる者がこちらで出来た。その彼らをおいて元の世界に戻れない……彼らしい優しい理由。
「ということはそっちの道を探すための旅はしなくていいってわけか」
なら、俺たちの旅はどこへ向かうのだろう? 一人の少女は村を焼き滅ぼしたモンスターを倒すため、また生きて行くために旅をした。
ある幼女は攫われ逃げ出し、助けてもらいお礼に体を払うというわけの分からない理由でついてくる。
ある青年は守るものを置いていき同郷のよしみで友となり付き添ってくれる。
俺たちの今後の旅に目的はなく、ただ日々生きて行くためだけの商売のみを理由に旅を続けて行くのだろうか?
こんな言い方は自分でも間違っていると思う。だが退屈だ。
仮に何かを倒すという目的を掲げ、自分は非力なので周りで見てるだけ、策を練りチームを勝利に導きます。なんて俺には出来ないことを他人に押し付け危ないことは何もせず高みの見物を決め込むだけで、達成した気持ちになるのは間違っていると思うし退屈だ。
もちろん仲間を危険にさらすのは嫌なので、戦闘はない方が良いに決まっている。
それに戦闘でのみ目標を掲げる必要はない。
どこかの町で店を出す。店の売上を気にしながら大きくし世界一の店にするなんてのも楽しそうだ。
案外元居た世界の技術を再現できれば、魔法の需要より良い物が作れるかもしれない。
目的は生きて行くために必要な糧、皆と話し合ってこの町を出るまでには決めておきたいな。
「兄者もう寝るでござるよ」
「あぁおやすみ」
夢現の中考えた未来予想ではかなうことなくただの夢と化す
字数を7千程度まで上げたいのですが、外の時の気分で文章量変わるかもしれません申し訳ないです。
期限を定めてしなくては読んでくださる方に失礼と思いますが、期限を定めず不定期更新とさせていただきたく思います。申し訳ないです




