第四章6話 再開
会話が途切れただもくもくと森を抜けるために歩く一行。抜けた先に現れたのは
「遅いぞいつまで待たせる」
「な! にげ」
「ごめんな」
前を歩いていたモンタが敵に気づき俺たちを庇おうとするが俺たちからしたら、モンタの方が敵なのでどちらを助けるなど考える間もなく、口を塞ぐ
「ん、んんー」
「正直こいつはあんま殺したくないが……しょうがないよな。誰か抑えてる間にやってくれ」
「んんん」
最後の声位聴いても良かったかもしれないが、それで仲間を呼ばれれば面倒だし仲間と、敵どちらを選ぶかなど仲間に失礼だ。
「ゆうや」
「ゆう……や」
何やら女性2人が同情的な目を俺に向けてくる
「な、何そんな……め、目で見てんだよ」
言いつつ目から零れ頬を伝い地面に落ちるしずくがあることと。言葉がとぎれとぎれになりながら嗚咽交じりなのに気づくと
「な、んで?」
気づくとダムが決壊したかのように涙があふれ出してくる。別に仲間ではないそれどころか、コロネ達を拉致した張本人たちだ、同情などかける価値もない相手だなのに……なぜ?
「雄也大丈夫……大丈夫だから」
そう言って抱きしめてくれるローリェその優しさに、堪えようとしてた嗚咽も涙も止めどなく流れ漏れ続ける。
「取り乱して悪かったな」
泣きだし数分が経ったころようやく涙が止まり落ち着いた
「この後の作戦大丈夫?」
「心配ない大丈夫だ」
彼とは数日しか共にすごしてない上に敵だが仲良くなれた気がした。出会い方が違っていればだが。
「コロネ、そちらさん方はどちらさんで?」
「えぇっと」
彼女の連れてきた人たちは見知らぬ人物。もちろん彼女が連れてきたのだから仲間なのだろうが、戦力的には大丈夫なのか? 素性は大丈夫か? と疑問は出てくるのだが。戦闘力に関しては問題ないだろうなにせ見た目が。
周囲の木々にの枝に届きうる高さで体躯もがっしりと力強さを感じさせる筋肉質な体だが、反面、顔は大人しさを体現したように垂れ目に丸顔童顔とこれだとやる側よりやられる側のが似合いそうだ。不釣り合いな見た目に気持ち悪くなりそうだが根は張るくないのだろう、と分かるほど統率の取れた一団を連れている。信頼されてる証拠だ。
「そこの御仁がコロネちゃんを助けるべく立ち上がったと言う雄也殿か!」
何やらなれなれしいかと思えば妙に古臭いしゃべり方をする奇妙な奴だが。
「取りあえず俺が佑や出会ってるがお前さんあ誰で?」
「これは失礼、それがしは長名後月と申す」
名前を字面で来てないだけに妙にロリコン感がにじみ出てるが流石にこっちの人間がロリコンって事はないだろう……
「この一団、楊枝最高の団長をしてる」
「まんまロリコンじゃねぇか」
こちらも字面で見ると違うのかもしれないがつい突込みが出てしまう。
「ろ……ろりこん?」
「それはなに雄也?」
「何を言いだしてるんだい?」
「……まさか」
連れ3人は目を点にし意味不明と言った感じだ一人呆れてるが……。それに対し言われた本人である後月さんは反応が違う少し吟味するかのようにうつむき加減でぼそぼそ何かを言っているので表情までは見えない。
「雄也殿はロリコンをご存知で?」
顔を上げたと思ったら今度はそんな質問が帰って来るので、今度驚くのはこちらの番だ。普通知らない言葉が出てきたら他の3人みたく何それ? と質問をするだろう。だが彼はその言葉を知ってるのかと問うてきた、となれば
「あぁ他にもショタも知ってるが?」
関連事項としてロリコンが分かる人物に通じるであろう言葉を言ってみるが、もちろん3人は先程と変わらないが、違うとしたら俺たちに世界を作らせてくれてるとこだろう。質問をしても帰ってこないと思ってるのか、訳が分からず成り行きを見守ってるのかそれは分からないが結果的に。
「そうか……そうかではそちらの女性がヒロインと言ったとこでしょうか?」
「勝手に俺が呼んでるだけで、まだ周知のヒロインになっていない」
「ふふふ」
「ははは」
男二人して急に笑い出す傍から見れば不気味でたまらない状況を目の当たりにした周りの反応は……そんなの知らないそれどころではないのだ。これだけ通じるとなと彼は同郷国や地域的に出はなく。世界的無い意味でだが
「あのそろそろ、何があったのか聴いても?」
気持ち悪い二人とかした俺たちにそう声を掛けてきたの勝手にヒロインと呼べれているローリェだ
「あぁ悪いな、こっちの後月さんは俺と同郷みたいなんだ」
「さん付けなんて寂しいことすんなよ兄弟。俺たちはもう兄弟だ」
「そうだな、じゃぁ俺の事は好きに読んでくれ呼び捨てでもブラザーでも呼びやすいように読んでくれ」
「じゃぁそうさせてもらう兄者」
「俺が兄でいいのか? 歳とか考えると後月の方が兄なんじゃ?」
「俺らはお前の傘下に着くなら上に立つものを兄と言っても差し支えない」
……今なんつった? テンション上がって聞き間違えをしたのか?
「俺の傘下に着くって言ったのか? 俺は戦闘力皆無のダメ人間だぞ?」
「だがコロネちゃんを助けようと立ち上がる勇気は持ち合わせている、優しさもあるなら十分だ」
「ちょ、ちょっと待てお前の仲間はそれでいいのか?」
後ろに控える団体に声を掛けたが
「「「我々は後月さまについていくだけ!」」」
統率取れて言われると迫力があって怖いのだが
「ちなみに今の意見だと俺ではなく後月に着くって事だ俺の指示を聞かないなら」
「「「それはございません後月さまの兄者ならその方の意見を聞くのは必然」」」
ただ同郷の人間と出会えただけで師団程度の力を手に入れてしまった
「雄也流石にこれ以上もたもたしてると時間が」
苦言を呈されこれ以上時間をかけることは出来ない事を思い知らされ
「取りあえずこの話はこの件が終わってから」
そう言い残しこの話を終わりにし、皆が待つあの場に急いで帰ることに
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「何してるんだ?」
戻って来ると早速声がかかる……当然のことだ。足を連れてくると出て行って帰ってきたのは三人。足はもちろん、案内についていった彼も居ない。
「森を出たところになにやら集団が居て……襲われた。その時のモンタは俺たちを逃がすために」
苦痛の表情を苦心しつつ、作ってはいるが
「その後ろに居る連中が襲ってきたってやつらか?」
元から足を連れてきてないことに驚いたのではなく、出て行った人数より数を増して帰ってきたことに対して驚いていたののだから、苦心して作った顔などに興味はない様だ
「はい逃がすために命を張ってはくれましたが何分弱く。見てのとうりこうして捕まってしまった次第です団長」
ところどころ、演技がめんどくさく素の感情が出ているが気にしない。そんな些細なことを気にするのは言われた方だけだ。
「うん? おい兄弟今の発言はどういうことだ? お前らは俺たちを裏切ったのか?」
いちいち動揺するようなことでもない、どちらかと言うとそんなことを聞くより、喚き騒ぎ怒鳴り散らすかと思っていたがとがったらしい。
「当たり前だろ? 何を言ってる? てかそんなことより訂正する点がある。まず一つ、俺たちは裏切ってなどいない」
「な、どういう」
「人の話割らずにちゃんと聞け、どうもこうもない。初めから俺たちはお前らの仲間じゃない、敵だったって事だ。」
先程から気持ち悪いくらいに驚いている。
「そして二つここまで言ったんだもうわかってるだろうと思うが、俺たちは兄弟じゃない。そんなこと欠片も思っていないぞ」
「そうかそこまで明言されたなら、もう疑問を抱く必要もないという事か」
先程と一変して顔は引き締まり、臨戦態勢を通り越してもう襲い掛かってきている。一般人で戦闘力皆無の俺に反応で切る訳もなく。
————これで死ぬのか……
「兄者何してるちゃんとよけろよ」
走馬燈を見かけてると、そう言って掛けてくる風がある。風は俺の前で止まり死を告げる刃とかしていた団長を押し返し私を遠ざけてくれる
「後月!」
元から臨戦態勢に入っていた彼はいち早く反応し助けに入ってくれた。ヴァインズ達も警戒はしていただろが彼は魔法使い間に合ったとしても守る事は出来たか怪しい。
「チッ」
「兄者をやりたくばまず俺から先にヤルことだな」
向かい合い一触即発と化す両団長。隊員の方は見守るだけで動けく機会を見守っている。
「いざ」
かけ声をきっかけに飛びだしたのは後月。戦闘力が均衡の場合先に仕掛けるのは愚策とよく聞くが……どうなのか
そんな思考をよそにこちらも動きだす。団長同士の戦闘が始まったことを見届け隊員も戦闘を開始する。こちらに関しては森に入れば、罠があると知ってる分こちらの方が優勢に振る舞えるだろう。
「やっぱりヴァインズは加勢気ないのか?」
近くにやってきた魔法使いである彼にそう聞く。こちらに関しては拮抗してるように見えるだけに手助けをしたい。そんな思いからの発言だが。
「そうだね、手助けで切るような精密な攻撃は私は出来ない。的が大きく周りを気にせず叩くだけなら、助けることも可能だが。味方を気にしつつ敵にだけ当てる様な攻撃は私には出来ない」
「例えばここは森。木や草を使って移動を阻害なんてことも不可能か?」
「やればできると思うが、加減を間違えたり、やはり味方に当たる可能性を考えると不可能に近いな。それいにこのレベルの戦闘になると、精密攻撃に優れていない私では邪魔にしかならない」
そうなのか、あそこまで色々出来る彼なら何でも難なくやってのけれると思っていたのだが、バカ火力を持ってる反動として精密攻撃矢ちまちました攻撃が苦手らしい。性格も絡んでる可能性があるが火力の反動と考えれば仕方ないか。
「なら見守るだけしか出ないか……」
今の話を聞く限り彼には仲間のための援護攻撃は得意ではないらしいので、他のモブの戦闘に加勢した場合味方ごとすべてを焼き払ってしまいそうだし。フレンドリーファイアが邪魔。
少しでも力になれるよう頭を使っているが俺に出来ることはただ邪魔をせずに見守る事それだけ。その結論に至るのにさほど時間はようしなかった、
結論が出れば簡単だ今までの戦闘どうよう傍観を徹底すればいい。ただ見守る戦闘の行く末を
「ゆうや?」
見守るだけの簡単なことなのに視界は赤く明滅し気分が悪くなる。
剣と剣が織り成す金属音が耳を傷つけ周囲をただよう鉄の匂いが鼻腔を刺激し。血煙が視界を侵食していく、血煙が舞ってる中会話をするために口を開くと口に入り、口内を鉄臭さが占領する。肌には泥が赤い水滴がまとわりつき嫌悪感を抱かせる。
戦闘とはこんなに気持ち悪く。気分を害し、嫌なものだったのか。
それは人相手の戦闘が初めてだから感じる感情なのかそれとも、以前までの戦闘ではそこまで考える余力がなかったのかそれとも考えないようにしていたのか、感じることがない楽な空間に居たのか
「ゆう……や? 大丈夫?」
そんな抜け出せない思考という名の渦に囚われ足掻いていると空から光が差し渦を巻いていた黒く汚い水は澄んだ透明な水に変わり渦を巻いていた流れは途端に静まる。
戦闘中だということを忘れ彼女に縋りつく。ここ数時間でなんというていたらく。二度も泣き愛する人に弱さを見せ、愛しき人に縋りつく。これ以上ないほどみっともない姿だ。戦闘中にする行動ではない、だがせずにはいられなかった。
これが人同士の戦闘。
モンスター相手でも変わらない物は多い剣と爪が織り成す耳をつんざく不協和音、鼻腔をくすぐるモンスターの腐臭悪臭、敵味方問わず流れた血の匂い。視界は凶悪で凶暴で醜悪な姿をしたモンスターに侵される。肌は戦闘に近づかなかったので分からないが涎や血液、などでおかされる。
悲鳴も耳に残るが、数が違う。モンスターの泣き声などさほど気に止めることなく。流れて行くので数は見方の受けた傷の数ただけだ。
だが人同士だと敵の悲鳴も聞くことになるので、数は倍。これほど辛いものをあまり長い人生ではないが経験したことが無い今後もこれほど辛いことは経験しないだろう。
そう確信させる辛さ。心を鷲掴みにして放さない痛さ、その感情が落ち着くのはまだ先のこと
まだまだ続きます




