第四章2話 情報整理
長らくお待たせしました、申し訳ない
「私の名前はコロネ、小人数で細々と暮らしながら旅をしている。しがない流浪の民」
自己紹介から入り、何故流浪の民である彼女は今浮浪児さながらの姿にまで身を落としているとかという説明があった。
旅の途中に盗賊に襲われ、身ぐるみを剥がされ、拉致られた。仲間も一緒に拉致られたものの彼女だけ運よく逃げ出せたらしい。逃亡後の仲間の生死は不明。
逃げ出せた経緯は、古典的だが厠に行くと言い、付き添いをまいたらしいんなぜ成功したかは、単に運が良かったのだろう。
とそんな逃亡経緯があるゆえに生死不明だとしても仲間の元に戻るという気持ちだけを支えに助けを求めさまよってた所に、俺たちがとおりかかり助けを求めたらしい。
囚われていた間何があったかは機会があればまた話に上るだろう。
「それがホントなら、もう仲間を捨ててお前だけ生きろよ。どうせ見せしめついでに殺されてるよ」
口をついて出てしまった何気ない言葉、元の世界に居た感覚が抜けず、この上なく傷つける言葉を浴びせる。
そのことに気づいても後の祭り、吐いた唾は飲めないのと同じで、一度言ってしまった言葉はもう引っ込めることは出来ない。
「雄也!」
「……」
彼女が怒るのも、彼が失望を隠せないのも当然、冷静にならずとも失言だと分かるほどの言葉。だが
「確かにそうかもしれません。ですが……もしそうだとしても私は自分のしたことの結末をちゃんと見なくてはならないと思うのです。たとえそれがどれほど悲惨であったとしても」
コロネはもう自分のしたことの責任をしっかり背負うつもりでいるらしい。なら
「それは良い、しっかり自分でしでかしたことの責任を取れば良い。だが……俺たちには関係ない」
いやもう助けると決めてる以上関係はある。だがこの流れを無駄にするのは勿体無い、今の流れを有効に使うべきだ。コロネは俺達がした話を知らないのだから。
「その関係ない俺たちを巻き込んで、そうまでして成し遂げないといけないのか?」
これはスゴイ、ブーメランだ。
そう俺はたとえ自分の力で助けることが出来なくとも、他人の力を借り彼女……ローリェを助けるとそう誓った。何を賭しても成し遂げるそう決めた。
だからこその確認。他人……を赤の他人を巻き込んでまで成し遂げたいとそう思う覚悟があるというのか
「ゆう」
彼女は何か言おうとしてるが、彼が彼女の方に手を置き首を振って静止してくれた。彼は俺の意図したことを全て読んでる訳ではないだろう、その上で俺のしたいようにさせてくれてるのだとしたら、最高の仲間だ。
「でどうなんだ?」
「確かにあなた達を巻き込んでまで成すべきことではない……」
「なら」
「だが、そこまでして成すべき事でなくとも、私がしたいのだ。だからどうか頼む、私に力を貸してくれ」
————合格だ。
コロネは、俺たちの話を聞いていないだからこそ、助けるか迷ってると……渋っているとそう判断しただろう。その中で彼女の……コロネの気概をしっかり聞いた。どこか俺に似ていて自分一人では達成できないことを掲げ周りを巻き込みながら進む……。自分に似ているからというわけではないが、おかげで本心から助けてもいいとそう思えた、なら何も悩むことはない。
「雄也! どうしてそう言う意地悪いうの? 助けてあげるってもう決まったでしょ?」
彼女はそう言って詰め寄って来る、初めは頬を膨らませ怒っていたのだろう……だが、後になるにつれ怒りは収まり、慈愛に満ちた感じにシフトされ最終的に、少し前かがみになり人差し指を立てなだめるように言いだすのだ。ただ単に意地悪しているとでも思ったのかそう叱るような宥める様な言い方でいう。、もちろん失言からでた偶然の産物なので分かれと言われても不可能に近い……のでただの役得を堪能しつつ
「あぁ力を貸そうと言っても、俺は力になれんのだが」
宥めるように叱るように言ったのに、反応が無いのに驚いたのか、今度は目を点にしている、これはこれでありだと思う、少し抜けた表情もかわいいなぁ。恋は盲目とはよく言ったものだ。
「……」
もう一人拍子抜けしているのか先ほどまでの必死さを消し去り、呆けている。
「俺は力になれないが助けてやると言っているんだ、もう少し喜べばどうなんだ?」
「力になれないのにどうやって助けると言うのかな?」
先ほどまで見方だと思って背中を預けていた者に背中をぐっさり刺された。
「お前が助けてやるんだよヴァインズ当たり前だろ?」
助ける宣言しておきながら、早くも他人に丸投げかっこがつかない。別にかっこなんざつける必要もない。俺は自分がカッコいいとは思っていないがローリェは俺のもだ誰にもやらん
「ぷッくははは」
突然笑だす声に驚き顔を向けると、コロネは会ってから一度も見せてなかった笑顔を見せてる。緊張してたのか、不安だったのか、警戒していたのか理由は分からない。だが先ほどまでは見せてなかった笑顔、浮浪児みたく、みすぼらしい格好でも笑顔になれば花が咲く。
どれほど肌や髪が汚れ、服が乱れ神が整えてられなくとも、うちから湧き出うる美しさという物はそんなの関係ないと言わんばかりに輝かしい。
宝石を纏ったお嬢様が、綺麗に着飾ったモデルが、化粧を塗り重ねたアイドルが、成形して手に入れたはずの美貌が、現代社会が満を持して作る最高傑作ですら。今の彼女の前にはかすんで見える。
「コロネ……すまなかった、失言をしたことを謝りもせずお前を試すようなことをして」
平身低頭。土下座はしないがただひたすら謝る。流すつもりはなかったのだが、先ほどの笑顔を見せられれば自分の心が汚れてるかのように感じすぐさま謝らずにはいられなかった。
「怪しいのは百も承知だ試されていたとしても怒ったりしない。さきの発言も本心から言ってのことではないのだろ? ならもういい失言は誰にでもあることだ、悪いと思う気持ちがあり、失言を悔い今後同じ失敗をしない様してるのならそれでよい」
おそらく年上で有ろうはずの俺がガキに見えてくる大人な対応。年端もいかない彼女を試すようなことをして少し恥ずかしい
「助けると決まったなら、まずは確認事項が山のようにある」
助けると言ってもこの人数、しかも戦力として数えれるのはヴァインズさんだけ、コロネは未知数だし、俺は番外、ローリェは補助は出来るが実際矢面に立てない。こう言ったらヴァインズはや思てに立てるのか? と思うがもちろん立てない、魔法使いが矢面に立ってどうする?
なら考えるまでもなく罠に嵌め絡め手で落とすしかない。そのためには戦力分析、敵のアジトの位置確認、周辺地域の地形確認、出入りの頻度……と調べることは山ほどある。
下調べをしてもしても足りないくらいある。その上今回は人命救助というサブミッション付き。下調べに時間を掛けすぎれば、サブが達成できなくなる。
俺はゲームをするときはサブもやるタイプ。
現状でサブ完遂は不可能と言う可能性もあるが、それはシュレディンガーの猫と同じで、開けてみなければ分からない。
「最善を尽くすためにまずは情報だ、幸い……と言うより亡命者が居る時点当たりまえなのだが、こちらは敵の情報を調べなくても多少は分かる」
もちろん全部なんて甘い期待はしていないが、情報が無いと言うほど悲観的な考えも持ち合わせていない。
一から調べるより断然早いし、周りから見るより中から見た意見の方が参考になる
「情報の方だが、あまり期待はしてくれる出ないぞ」
と考えていたのに、情報源である彼女がそう言いだす
「なぜ?」
「期待されてそれに応えられるほどの情報を持っていない、それほど余裕があったわけではないからな」
「別に構わないさ、一から調べるよりは幾分かましになるそれで十分」
実際逃げてきたのに何から何まで知っていたら、俺たちを騙すスパイと疑うべきだ……俺たちを騙して何の得があるのか知らないが。
「知らなかったからと言って責任を感じなくていいのよ。逃げてきたんだもの、情報を全部持ってたりしたらおかしいもの」
俺の思ってることを全て包み隠さず言いだす少女……美少女
「もう少しオブラートに包むべきでは? ローリェ」
「俺もそう思うぜ、別に疑っていないがそんな良い方したら、鎌をかけてるみたいに聞こえるぞ?」
「私はそんなつもりは……」
質問そっちのけで和みだす三人に。待ったをかける人物がここにはいる
「申し訳ない。頼んでる身であるのに分を弁えず発言さしていただくと、時間は刻一刻過ぎて行く。そんな中和むのは悪いと、否定は出来ないが少しは急いでほしいのだが」
その声にハッとなるのは三人……など出はなくローリェだけ。
「そんなに慌てなくても逃げたりはしないよ」
「休めるときに休む、和むは大事だぜ? 気を張り過ぎていると大事な時にダメになっちまう」
と悪びれもしない男衆。
「コロネの言い分も一理あるし情報提供お願いしようか」
「あぁ。まず私の知ってる情報は私が捕まっていた場所とその場所の暫定的な人数と周辺の地形くらいだ……すまない」
コロネは俯き申し訳なさそうにしているが、こういったイベントは情報収取から始めるのがお約束。その点多少でも情報を集めなくて済む分楽なのだが……それを言ってもゲーム知識の無いこちらの住人には理解できないだろうし、言い争って時間をロスなど勿体無い。
「まずは位置情報だな、俺は場所を言われても分からないけど……これが無いと話にならない」
「では位置情報から説明するとしよう。私が捕まっていた場所はこの地から北東に徒歩で1日と言った距離にある場所で周りは森に囲まれ野営と言った感じだったから、今も同じ場所に居るとは……」
「となると最悪、位置情報は当てにならないか」
こうなると面倒だな、移動しているなら。足手まといになる人物は切り捨てるだろうから、コロネの仲間はもう……いやそうと決まったわけではない。悪い方に考えすぎるのは良くない
となると、まだ移動していなくとどまっている可能性があるが……コロネが救援を呼んで戻って来ることを考えれば、もう移動してるか。
「人数と戦力これはどんな感じだ?」
もし大人数で戦力が整ってるなら返り討ちを狙ってその場に留まってるかもしれないそうでいてくれたら、戦況は悪くなるが……コロネの仲間の生存率が高くなる
「人数は50人ほどで戦力の方は分からないわ」
人数は多いな……なら留まってると考えて差し支えないだろうが。その点では良かったとしても、勝てるのか?
「一様確認だが、魔法使いは居ないよな?」
これで魔法使いがたとえ二人でも居たなら最悪だぞ。と思っていたが
「それは無いは」
別の方から、返答が帰って来る。
「理由を聞いてもいいか? ローリェ?」
敵を知らないはずの彼女が断言すると言う不思議な現象だが。俺もないと思っての確認なのでさほど驚きはしない
「それはもちろん、希少だからよ魔法使いは」
と少し説明不足感が否めない返答を返してくるのに少し、眉をひそめかけ。すんでのところで
「ローリェそれだと説明不足じゃないかい? もう少し詳しく説明するべきだ」
と指摘が飛んでくる
「? ……確かにそうかもしれないわ。えぇっと魔法使いは知ってのとうり希少、だからこそ重宝されわざわざ賊に身を落とさなくても十分な生活が大抵は出来るものなの。もちろん例外もあるだろうけどね……そんな訳で賊に身を落とす魔法使いは極めて少ない、わざわざシンドイめをしてまで魅力を感じるものでもないしね」
苦笑気味に、小首を傾げお手上げと両手を上げる彼女はカワイイ。が俺の想像とさほど変わらないかった、どの道賊になど身を落とす魔法使いなど程度が知れてるし、脅威になりえないだろう。
————ただ。彼女の言ってた例外が少し気になるな……
「ローリェ様の言うとおり、おそらく魔法使いは居ないと思う私たちを襲った時も魔法を使われなかった。その後戦闘は無かったので、確証はない……不確定な情報ばかりで申し訳ない」
「様!? そんな他人行儀な呼び方じゃ無くローリェでいいわよ、コロネちゃん」
「さっきも言ったが、正確性の高い情報は別に求めてない元々ないよりまし程度で聴いてるだけだそんなに気にするな」
彼女は少し気にし過ぎだ、確かに俺みたいに他人の力を目当てにしてる上に自責の念が少ないのもどうかと思うが……。あとローリェ呼び方だけじゃ無く後者のフォローもいれろよ
「そんな無償で助けてくれると言ってるあなた達になれなれしく呼ぶなど出来ません」
「え……無償? 体で払うんじゃないの?」
もちろん冗談だ、俺の心はローリェ君だけの物だが、こういった冗談はアニメになれてないこちらの世界の住人には気かないらしい
「ゆ……ゆうや?」
「…………」
赤面する美少女二人。片方は自分から言いだしたことなのに、赤面すんなよ
「冗談だ、いちいち真に受けるな」
一度はいた唾は飲みこめないこの言葉を身をもって知ることになるのは後々のことになる
どうでしたか? お待たせした分面白くなっていたでしょうか? 感想などお待ちしてます。
お待たせした分一万書こうと思ってたのですが半分で申し訳ないです。
また次回をお楽しみに




