第三章7話 咆哮の効果
前回との相違。いずれ来るだろうとは思っていたが少し早すぎる気がする。願望込だとない方が良いが、そんな訳にはいかない過去の踏襲など完璧には出来なければ、改変してる時点で多少の齟齬が出てくる。
現実逃避気味な思考じゃ無く現状の打開に思考を働かせねば。
「取りあえず避難はしたから現状は打開策を練ることだろう」
だが何がある? 咆哮を防ぐ方法など、耳栓か耳を塞ぐ鼓膜を潰すくらいしか思いつかないぞ。この状況で耳栓など持って無ければ、この世界に耳栓があるかも分からない。耳を塞ぐも鼓膜を潰すも論外だ。塞ぐ場合戦闘が出来なくなり本末転倒だし、潰すとして治癒魔法で治ればいいが、治らなかったらバカを見るだけになる。ここに治癒魔法の専門家が居ない以上そんな愚策は取れない。となるとどうすれば……
「咆哮のせいだったら音を遮断さえできれば防げるよね?」
「音の遮断など簡単には出来ないぞ」
二人も一緒に考えてはくれるが、やはり簡単には打開策は出ない。……音の遮断……どこかで有ったような気がする、どこでだ?
俺の記憶にあり、音の遮断など必要な時など無い。なら何故遮断できた? 偶然遮断してしまったのか?
なにで? そこまで考えて用やく思い当たる節を見つける。
「水の膜」
そう、フルフル討伐時に雷よけとして使われ偶然の副産物として、なぜか超音波を通さない作りとなった水の膜、これがあれば咆哮に対処できるのでは? ただ方向対処と同時に見方の声も聞こえなくなる欠点もあるが、指示を出さなければいいだけだ。
出すとしても解除若しくは移動させて声を掛ければいい……出来るのであればだが……
「そうか! あれなら確かに音の遮断に使えるわね」
「まず説明から願いたいのだか?」
俺のつぶやきを聞きつけ二人は別々の反応を示す、二人とももっともな返答だが。
「説明も何もないが、水の膜を作り、音を通さないようにすればいい。水は魔法で作るしかないが出来るか? あと曲を流す前にその膜を動かすとか可能か?」
水がこの場になく、水場となる川や湖などももちろんない。ここで万能魔法さん、なわけで頼むぜ。半目で拝むようにチラチラ顔をみるが返答は
「悪いが僕には水は使いえない、あれば操ることも出来るが、あいにくこの場に水は無い。だからその案は不採用になる」
魔法に関しては俺ら三人の中で彼が一番出来るだろう、その彼が自分には水は使えないが扱うことは出来るとそう言ってる。向こうまで戻ったら、水くらい使えるやつもいるだろうが、その時間が今は無い。となるとこの案は不採用か……
「私少しなら水作れるわよ」
そう言って待ったをかける声がかかる。もちろん今場には三人しかおらず通りがかりの人物などいない、ので必然的に声の主は決まって来る。
「ほんとか?」
彼女を疑ってる訳ではもちろんない、疑うなどありえない。だが彼女は隠密と探索しか魔法が使えないと言ってたなのに、水魔法が使えるならおかしくないか? と疑問になったからの質問なのだが。
「私を疑ってるの?」
と額面道理取ってしまう彼女。もちろん言葉足らずだったのは認めるが。顔が見れないのが残念でしょうがない、今俺の頭の中では頬を膨らませ、上目遣いになるよう俺の顔の下に顔を持ってきてるとこだ。
と妄想はこのくらいにして。
「疑うなんてとんでもない。君が以前隠密や探索しか使えないとかなんとか言ってたから水魔法が使えるのかなぁと思ったからの質問なんだ」
と濡れ衣だと、主張するため今度は事細かに自分の意思を伝える。流石にこれだけ言って、信じてくれないことはないだろう……と思いたい。
「確かに言ってたけど、得手不得手の事で使えるかどうかは別よ? 目くらましの魔法も、空気中の水分を使って光を反射させたりしてるし」
確かに詠唱中にそんなこと言ってたなぁ。取りあえず濡れ衣なのは信じてもらえたようで良かった。
「じゃあどのくらい作れる? 耳を覆うくらいの水でいいんだけどこの人数どうにかなりそう?」
死者、戦闘不能と化したものそれをのけても、かなりの人数になるからの質問だが、
「多分全員できると思うわ」
簡単に言ってのける。そう言って詠唱に入り、初めは水滴が集まってくるくらいだった、だが少しの間に水滴からピンポン玉、次にテニスボールとだんだん大きくなって行き、最終的にはサッカーボールくらいの塊を作り出す。
スゴイとそう思ってしまった。だが彼女を侮ってたわけではない、彼女は自分を過小評価してるのか、これでもまだ下の方なのかは、魔法とは無関係の現代社会に生きてきた俺には分からない。
だがそんな俺でも、この短時間にやってのけた腕はすごいとそう思う。もちろん色眼鏡など使ってないそんな彼女に失礼な判断などする訳がない。
確かに彼女は戦闘に向かない魔法ばかり使ってるが使い方だと俺は思うし、戦闘だけがすべてじゃないとそうも思う。と思考はこの程度にとどめておいて
「この短時間ですごいな!」
「作ってもらったからには正確に使わせてもらおう」
「……」
顔はもちろん見えないので前回同様妄想だが。赤面して手を頬に当て、目を閉じ、体をくねらせる。完全好きな異性から褒められた時のしぐさだが、別にいい好かれてようといなかろうと、可愛いものはカワイイ。妄想をしている間に彼が作ったものを確認。もちろん大丈夫そうだ、つける前にまずこちらからの支持を少し出しておこう。
「今から音が聞こえなくなると思うが、相手の攻撃の対処のためだ。その上でまず決めておくことがある、最後の一度になったが曲の再生、これの前には位置をずらし周りの声や音が聞こえるようにする。だからそうなったら、攻撃の停止を頼む」
指示を出し終わり、皆が頷くのを見届け彼に頼み装着しえもらう。これで見方の声も聞こえないが咆哮も防げるだろう。
「なら準備も終わったしあっちに向けて合図頼む」
まさかここで、魔法の重複は出来ないとか、ちゃっちいこと言ったりしないよな? 頼むぜ!
「あぁ任せたまえ」
そうやら大丈夫みたいだ、これは力量の差かそれとも皆出来るのかは先程述べたのと同じ理由で分からない……がそんな疑問は些細なこと、良く思考に耽って戦闘中に無防備を晒すが、今は耽る前に踏ん張れたみたいだ……だが要らぬことを考えてる間に、合図は出し終え魔法や矢が飛んでくる、火の魔法は毛を焼き攻撃を通りやすくし、氷の魔法は皮膚を貫き凍傷を起こし。土の魔法はやはり土煙を纏い敵味方共に目くらましを発動させる。
近接隊の攻撃は、咆哮の危険が減ったとはいえ頭を中心的になりがちになる。今回の咆哮は頭を警戒し過ぎたがために起こったのかもしれない。前回なら頭を一つくらい落としてても、良いくらいだろう
「そろそろ頭が落ちてくれるとこっちもやりやすいんだが」
「疲労は向こうも溜まってるだろう遠からず、落ちてるだろう」
「そうね、落ちてくれた方が今後の展開も変わって来るでしょうからそろそろ」
三人が事態の好転を望み話をしていると、
「「「!?」」」
三人とも驚愕、それもそのはず。今しがた頭が一つでも減れば楽になるだろうと話して居たとこへのこれだ。言えば何かが起きるとそう思わせてくれる出来事それは……
「なぜ尻尾が落ちるんだ!」
今落ちて欲しいのは頭だ、なのに落ちたのは尻尾。なくなれば確かにいいかもしれないだが、今は会たⅯが落ちて欲しかったのに。
「疲労が溜まってる証明になっていいじゃないか」
「尻尾ね……確かに攻撃してたから落ちても不思議じゃないけど」
尻尾が切れる疲労度が、40%を切ればとかがあるならこのまま、頭が落ちる前にやつを狩れるが……そんな基準があったとしても分からない。
取りあえず疲労が溜まってはいるが、どの程度か分からず脅威はまだ残ってるってのが今の現状か
「咆哮が来ればいいんだが」
「「?」」
俺の独り言に彼女は小首を傾げ、彼は眉にしわを寄せてる。雰囲気でしかないし実際そうだったとしても彼と彼女が逆の可能性があるのだが。そこには目をつぶり自分の思ったことを信じる
「出来るなら咆哮が来ない方が良い、だが膜でちゃんと防げるのか早めに分かっていたい、そう思ったりもするんだ」
実際疲労してきたとこに咆哮を防げませんでした……なんて笑い話も良いとこだ、なら危険を覚悟で余裕のある時に検証しておきたい。
「打ってこないのも何か理由があるのかなぁ?」
「インターバルや、回数制限って事かい?」
確かに二人の意見は的を射てる気がする。打てるのなら初めから連射すれば、こちらの戦力削れただろうに使ってこなかった。それに今さっきの咆哮は一つだけだったのじゃないか? じゃ無ければ被害が少なすぎる。
「一つの頭ごとにインターバルがあるんじゃなく、同時発動不可の、全体インターバルとか?」
思考を纏めるために口には出したが、これは少し希望的観測が多分に含みすぎだろう。同時発動に関しては、使用前にこちらの曲を聞いたって可能性もあるし。音なだけに複数同時だと向こうかするとか?
「同時発動不可は可能性があるんじゃないか?」
「インターバルってより、前回の咆哮の耐性みたいなのが抜けるまでに時間がかかるとか?」
独り言に意見を返してくれる、少し恥ずかしくも嬉しい。現状で咆哮が来てないのはケルベロスも打てないのは、何かしらの理由があると思ってもいいだろう、もし何もなく打ってこないなら、尻尾を切られてるのに危機感が無さすぎるし。
こちらが三人が思考に没頭してる間にも戦況は変化してる。どう変化してるかと言うと、またしても矢が大活躍違う場所にある目玉に直撃、氷魔法の誤射で足に当たりそのまま一時的に身動き不能になり、どうやら頭やらに攻撃を繰り返し、腹を抉り返り血を浴びながら、違うとこを抉ろうとし、刺さって抜けない骨にはじかれ剣が折れるや、せっかく抉った傷を凍傷や火傷で塞ぐという、見方から敵への応急処置もあり。結果
「キューん」
何やらカワイイ鳴き声に顔を上げ戦場に目をやると
「やっと落ちたか」
取りあえずは一つ目の頭がようやく落ちる。これで多少は楽になるだろう、先刻尻尾も落としたことだし攻撃の範囲は増え、迎撃の範囲が減る。結果的に尻尾が落とせたのは良かったのだろう、落として損のないことだし。
「これで後は二つ」
「目はあと三つか何とか行けそうだな」
何やらフラグじみたことを言う彼に内心、ため息をつきつつ。これ絶対フラグだよな? 何があるかは想像に難くない、どうせ咆哮があって戦力半減とかだろ? 勝手にそう辺りをつけるが……
更新遅くなってすいません。
前回の戦闘では方向が出てこなかったので、こちらで出してみました。
フルフルも同じく雷出せばよかったですが結局どちらも雷未使用……
次回ケルベロスも討伐予定です、お楽しみに




