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第三章8話 決着

 やはりさっきのはフラグだったのか? そう思わせるほどの変化、実際何が変わったかと聞かれれば分からないとそう答えるだろう。それもそうだ、見た目は何も変わって無い。

 翼が生えるや、怪我の完治、頭が増えるなど、見た目ですぐ変わる変化じゃない。ならなぜ気づけたか? 自分でも分からないが、近接隊はもちろん今ここに居る二人、つまり俺以外全員気づいてないだろう事に気づけたのはゲーム脳ゆえだろう。

 近接隊はもしかすれば怖気づくなどで反応したかもしれないだがそんな機微に、この距離からは気づけない。


「だがここで怖気づいてもしょうがないよな……」


 そうもう勝利は目前ここで怖気づいても、勝利は遠のくだけで近くによっては来てくれない。その上遠のくだけでなくこちらが手にすることが出来なるかもしれない。

 時間経過で辛いのはどちらも一緒……そんな中で敵はギアを一段上げてきた、こちらは隠し玉もなければ援軍なども居ないだろう。そんな状況でまだ隠し玉を持ってるかもしれない相手と戦うなど精神が削られるだけでこちらの理にならない。それなら、まずすべきことはこちらの切れる最大の札を、最後の札を切るしかない


「合図頼む」


 それに対し先刻は即詠唱が入ってきた、こちらの意を汲むかのように、だが今度はどうだ? この危機にきずいてるのは俺だけ。もちろん詠唱がすぐに帰って来る訳もなく、帰って来る言葉は


「なぜだい?」


「?」


 と二人そろって疑問、俺が逆の立場でも同じだろう。今こちらが優勢、ならもう少し使いどころを見極める方が良い、そう思って当然だ。それに今言ったとおりの状況なので、多少のおしゃべりも出来る、そう判断したのだろう。

 これは俺の思い過ごしかもしれない、そうだとしたら好機を逃すどころか、切れる札を意味もなく使ったことになってしまう。それでも俺は自分の直感を信じる


「話してる暇はない、簡単に言うとケルベロスが何か企んでるそう思う。もちろん根拠がないから、最悪札を切って終わりになるかもしれないだが、俺は自分を信じたい」


 そう彼女が俺を信じてるとそう言ってくれたなら、俺は自分を信じる。もし信じれなくとも、今の俺は彼女を信じれる、なら彼女が信じてくれた俺を信じれるのは間違っていない。


「だから……頼む信じてくれ」


 根拠となる物は何もない、そのうえ、不安の種になる物があるのに話してるらない。そんな自分を信じてくれ……なんて都合のいい意見だ。今までの俺なら自分でも信じれない物を、不安があるようなものを他人に信じてくれなど言えたはずがない。


「……」


「私はいいと思うよ」


 だが今は違う根拠がなくとも間違っていたとしても、胸を張って言う、俺を信じてくれと。もしそれで間違っていたら、一緒に頑張って取り直してくれとそう思う。

 どれだけ他力本願なんだ? そう自嘲気味に思いはするものの、自分が間違ってないと思えることを信じてくれる相手が居て、その上で間違ってたら一緒に頑張ってくれる奴がいる、俺にそんな友が、仲間が出来たか、今後できるかは分からない。だが俺はそう言った関係もいいと思う。

 お互いがお互いを信じ、助けを求めれる。そんな関係は一生の宝になるだろうし、俺は異世界転移しなければ欲しいとすら思わなかった


「根拠もなく普通なら断る場面だろうが。僕もどうかしたのかな? その根拠のない提案にも乗っていいと思える」


 そう首を振りながらのつぶやきは、俺の思いが通じた訳ではないだろう。だがそれでも彼は不確かで、マイナスにしかならない可能性が極めて高いこの提案を受け入れてくれる。

 彼は彼女は、俺にとって最高の二人だ。だからこそ思い出したい、二人に面と向かってしゃべってケンカして……仲良くなりたい。


 だからこそ抜け出す、一刻も早く


「じゃ合図た」


「クリシューヴァ」

「フラッシュ」


 頼む前にもう打ち上がってる、。これで遠距離近距離ともに攻撃停止だ。これが……最後の一曲、もしミスってたらすまん。命綱になり得るものをむざむざ手放す愚策になるだが……そう思いながら歌を流す。


「う、ウゴヴァギョ」


 今まで同様寝ることになってくれた、ギアを上げた時点で効かない可能性もあったが効いてよかった。これで最悪でも攻撃だけは出来る。


「攻撃は頭に集中、短期決戦をかける。理由は俺が感じた不安根拠のない妄想だと思われてもしょうがないだが」


「「!?」」


 二人は正直に話すとはお思っていなかったのだろう、うわべだけでも取り繕って話すと。だが俺は正直に話した、嘘をつくのはこの場で最もしてはいけないとそう思えたからだ、たとえ彼らがこの意見に乗ってくれなくとも……そう思いつつ続きを発しようとし


「構わやしねぇよ」「この命てめぇにくれて……とまで言えねぇが。少なくとも、ここを決戦に選んだのは、嬢ちゃんを守りたいってお前の意見だそれを果たそうと。頑張ってるなら助けてやるくらいはしてやる」「坊主もちっとはかっこつけてこっちに来るか?」「「ぎゃはっはっは」」


「「「?」」」


 今度は三人で驚く、全部言ってもなければ簡単に納得してもらえるとも思ってなかったことだ。なのに彼らは即答……。躊躇うそぶりもなく自分の命を懸けてやると、そう言ってくれる。

 数日前に会ったばかりの俺に彼らは彼女を助けてやる事の手助けくらいはやってやると、そう言ってるのだ。彼らの気持ちは分からない、自分が死んで悲しむものも居るだろうなぜ、俺に手を貸してくれる? なぜ会って間もない俺に手を差し伸べられる? こんな素性の知れない、奴のためになぜ?

 そう思考の波に流され、思考の渦に飲み込まれかけてるところに


「決まってらぁ、坊主は他人のために命を懸けられる奴だ。なら俺たちも命を懸けて助けてやるそう言うもんなんだよ」


 名も知らぬ男性がそう言ってくる……だが俺は他人のために命を懸けられるようなたいそうな人間ではない。それどころか自分が生きることに対して、貪欲でみっともなくとも縋りつこうとするそんな奴だ……なのに


「俺はそんな奴じゃない!」


 内から零れだす感情


「俺は、彼女が俺が……生き残るためならどんな手を使おうとそう思ってた……いやいまでもそう思ってる。なのに何故お前たちは俺に手を差し伸べてくれる? 俺のどこが他人のために命を懸けてるように見える?」


 止めどなく零れる汚く、醜い感情。それを聞き幻滅するだろう、先の言葉を撤回するだろう。そうして欲しい俺は、俺は


「今自分で言ったじゃねぇか、嬢ちゃんのためにどんな手でも使うって。それは自分の死が前提でもその策で嬢ちゃんを守れるなら、その策を取るって事だろ? なら他人のために命張ってるじゃねぇか……。

それに、俺たちはそう言ったバカは嫌いじゃない、もちろん俺らにも守りたい、失いたくない人くらい居る。だがそれと同じくらい守ってあげたいやつも居るんだ。バカで醜く、だが根はまじめ。だからこそ傷つきやすいそんなやつをほっとけない。

俺らの過去は皆多かれ少なかれ、今言ったことをやったことがある、だが大人に助けられ支えられてここまで来た。なら俺らがお前を支えることのどこに疑問を抱く?」


 長く長く続く彼らの気持ち。それは1人が語っただけだ、だが他の者は誰も異議を申し立てない……ということは彼らの総意と取っていいだろう。

 自分の醜く汚い感情を吐き出し。それでも 力を貸してくれるとそう言う彼ら……なら


「なら俺はお前たちが死んだとしてもそれを背負っていく、決して忘れない。だから力を貸してくれ」


「縁起でもねぇこと言うなや坊主」「皆で生きて帰ろうくらい言えや」


 と、おっさんたちからの罵声が飛んでくるが……それを放置し話を続ける。


「さっきも言ったと思うが、残り二つの頭を落とす、短期決戦にしようと思う。全員で……と行きたいがそれだと効率が悪くなるから、頭に4割程度当てて欲しい」


 今までは警戒してた事もあって2割程度だった。だから数字的には倍になるのだが。


「他に作戦は無いのか?」


 異論なく質問をしてる、


「頭に回って貰うやつは危険が高い、だからこそ他の場所に意識を散らしてもらいたい……だがそうしたらそっちも危険が跳ね上がる」


 短期決戦と言っても数発で終わる訳じゃ無い、頭に数を揃え、そこにヘイトを集めすぎて敗北など良い笑い話だ、なら危険だとしても他の位置にいつ者たちにヘイトが集まるよう頑張ってもらうしかない。と脳筋的発言だが


「分かった、皆注意は最大限に、その上で攻撃は全力分かったな?」


「「おー」」


 俺以上の脳筋発言をするまとめ役。だが方針は決まったなら


「今回は遠距離先制ではなくこちらが先に殴る。その方が頭にダメージを刻みやすい」


 今までは遠距離を先に当ててたが、短期決戦に変えたからには近距離で頭を飛ばしに行く方が建設的だ。


「再戦のタイミングは任せる」


 合図を必要としないなら、こちらが指図するより任せた方が良いだろう。そう思いの発言だったが


「よっしゃ行くぞー」


 誰がはなったか分からぬ掛け声に反応し、皆が突貫。これじゃあ意味が……そう思っていたが


「どうやらちゃんと連携は取れてるみたいだね」

「スゴイ」


 二人の言うと通り俺の指示道理、頭に集中し過ぎない様配慮はしてるが、頭に十分以上の攻撃を与えてる。こちらの再戦に気づいたのか矢と魔法が飛んでくる。矢はいつも道理当たらない。魔法も流石に外れ始めてる、だが今は接近し過ぎてるから狙いにくいのかもしれないな。

 とそう思ってると。


「目玉ゲットー」


 掛け声が上がる、声の方に目をやると。


「「「……」」」


 三人そろって沈黙……それもそのはず。あんな掛け声するからには、自分で取ったと思ったら、矢が刺さったのを報告しただけなのだから。

 だが報告であったとしても事実は変わらない。これで目は二つ、二つの頭にひとつづつと言った感じになってる、流石に目玉を二つなくすなんて事にはならなかった。


「このまま進んでくれると勝てる」


 内心で思ってたはずが口から零れてる、言葉に発してしまった時点でそれは不思議な力を持つ言霊になる。もちろん意図した発言だろうとそうでなかろうと、関係ない。


「うがー」「うぎゃ」「いってぇー」と悲鳴が上がる。


「やっぱりか……」


 失言し、面倒なことになってしまった。もちろん失言関係なく、なってた可能性もあるが……


「毒だな」


 見た目に現れてない物の、変化を感じた。もちろんスカウターなどなく、戦闘力が分かる訳ではない。かといって念だ気だと言ったものが見える訳でもない。

 それでも変化を感じたその正体は毒。前回は遅効性だった毒、それが速効性に変わった。前記通り変化が分からないため、感が強い。だが俺の感は勝った……勝ったには勝ったが


「速効性の毒なんて、どうやって避ければいいんだよ!」


 そう毒の避けようがない。いや実際には有るのかもしれないが俺には分からなければ、そこまで頭も回らない。

 だからこその短期決戦、毒で戦闘不能となったものを運ぶことも出来ない。俺の屍を踏み荒らしていけと言った状態になる。実際まだ死んでないだけに、厄介なのだが……


「俺を……」「気にす……」「やつのため……」


 と言った感じで発言を途中で切られながらも、仲間に意志を託すやつら。

 結果心が決まって無かったのは俺だけらしい、奴らは仲間を殺してでも絶対勝つとそう決めていた。それこそが死んでいった奴らに報いれるとそう思ってるかのように。

 やつらは俺の我儘、感のために死んでいく。それに遅まきながら気づく、自分の半端加減が憎い、異世界に来て自分の不甲斐なさに呪ってばかりだが。今はそんなに下は許されない、自分のせいで死ぬものたち、仲間を殺してしまった者たち、彼らのことから目を背け自分可愛さに逃げに走るなど許されない。


「うギャロ」


 今頭が一つ飛んだ、死んでいった者たちは少なくない。だが彼らのおかげで残り一つまで減った、これで後は楽になる……など考えてはいけない。気持ちを緩めるとまたどうなるか分からない、これ以上怪我人を死者を増やしたくない。

 そう思ってると。魔法が命中、矢が命中とじりじり体力を削るように攻撃が当たる。

 当たった個所はさまざま、そんな中首に矢が命中、氷のつぶてが命中と、狙ってやってるなら、最高のアシスト。偶然なら神がかってると言うしかない支援に


「最後の首討ち取ったりー」


 と掛け声が上がる、先の支援はまさに神がかってた、あれが無ければもう少し長引いていたのは確実、もちろん疲労の蓄積が少なくなかっただろうので、遠からず討ち取ることは出来ていた、だがその遠からずの間にどの程度の被害が出てたか分からない。

 そう考えると、早く討てて良かった。


「歓喜に浸りたいとこだが、治療も早くしないとな」


 皆に強いた苦労疲労、それを自分でねぎらうことは出来ない。だが戦闘が狩猟したと思ったのか。そこまで魔法使い(?)が来てる、これで彼らも治癒してもらえるだろう。 


 今後もこう言った場面に出くわすことがあるだろう、だが死んでいった者たちの事を悲しみ自分を貶める前に。死ぬところをしっかり見、その事から逃げてはならない。

 どれほどつらく無慈悲に殺されようと、目を背けてはならない、自分が背負わなければいけない罪から目を背ければ、自分の代わりに戦ってくれたもの、散って行った命に申し訳が無い。



ようやく目を背けることをやめ、ちゃんと向き合う彼少しは成長出来たみたいだが……

彼は今後さらなる惨状を目にすることになる

遅くなりすいません。

まだ日付変わって無いからまだ毎日更新守れてますよね? ね?

ケルベロス討伐を次話に持ちこそうとも考えたんですが、前回の後書きで予定と書いちゃったので。少し強引に?終わらせました。楽しんでいただけたならうれしいです。

次話もまたお付き合いください

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