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第三章2話 近づく真実

「なぜベットで寝てる?」


 今俺は宿屋で借りてる自室のベットの上で横になった状態で覚醒した。つまり俺は寝起きと変わらない状態で意識を取り戻した、が何故ベットで寝てるのか分からない。もちろん、自分で寝て忘れてるなんて間抜けはしてない。なぜなら俺は先刻八百屋に行き野菜をぶちまけた、その時急に意識が遠のく感覚を味わい、意識をなくしたはず、ここまで覚えていて自分で帰って寝たなんて事は記憶にない。もちろん夢遊病を患ってもなければ、こちらに来て突如患たとは思えない、根拠は痕跡がないからだ。倒れた時に着いたはずの土が無ければ靴も履いていない。

 だから自分で移動は出来ないのだ……なんだ? この不可思議な状況は……


「状況への疑問は取りあえず保留だ、色々気になるが手がかりが無さすぎる」


 まずは記憶の整理だ


 野菜をぶちまけたこと自体は覚えてるなら、なぜぶちまけた? 犯罪行為を起こしたいほどストレスは溜まって無い。理由はヒントを探すため。



 そのヒントとは何か? 町の住人が居なくなり廃墟と化した町に俺だけいる意味の分からないこの状況を、脱するための必要なはずの情報やアイテム。



 必要となるはずの物とは何か? それが分かれば苦労はしない。この状況を起こした犯人の推測を立ててみようアイテムか情報かくらいは分かるかもしれない。


 推測一モンスターの仕業で神隠しなどに合った、推測二新手の犯罪者などに襲われ何故か俺だけが残り他の者は待ち人含め行方不明。推測を建てたがやはりわからない、前者ならモンスター退治の武器か弱点部位などを記した情報? 武器で俺に使えたとしても使いこなせるかは別の話だ。

 後者だとしても同じようなもんだろう。俺だけ襲われなかった理由が分からなければ、倒せる算段も付かないが、効果的な情報なら人相手なだけ交渉が出来るかもしれないが。


「大体の状況は覚えてるし、推測も立てては見たが」


 俺に出来ることが無さすぎる気がする。いや気がするのではなく実際無いのだ、原因を突き止めたとこで俺に退治なり討伐なり、出来る力もなければ、武器頼みにしても技量が無い、唯一出来るかもしれない交渉も、俺だと少し不安だ


「だからと言ってただ待ってる訳にもいかないよなぁ」


 ならすべきことは、意識を手放す前にしてた行動の続き、意味がある無いに関係なく今出来ることをしていくしかない。足掻かずに待っていても事態は好転しない、みっともなく足掻いたその先にこそ最善の結果はついてくる……と信じたい。町の物色をするとして、宿と、八百屋はもうしたから無視だ……少し違和感がある気がするが今はいい。次の場所は


 「アイテムショップか……見逃しがあったら近い方からだな」


 意識が覚醒し分からないことだらけだが、覚醒さえすればすることなど決まってる、決まってるなら動くのみ。時間もないから、ロスはなるべく避けたいが物色できそうなとこは探しとかないと。


 宿屋を出てギルドに向う方向に走って行く、日はまだ昇りきっていない。

 周りを見ながら走ってると酔いそうになる、が注意は怠れない、ヒントを探すうえで注意力散漫は命取り、情報を見逃す可能性を減らさなくてはならない。


 意識を周りに散らしてるとそれを見つける


「武器屋があるじゃねぇか」


 アイテムショップに行くまでに武器やと遭遇。宿屋に向かう時に見落としてたが先刻思った通り情報を落としてしまうとこの状況の打開策が思いつかなくなるし、ヒントも見落とすかもしれない、なのに見落としてたとは。焦りは禁物という訳だ。もちろん見つけたからには物色開始


「と言っても、武器やなんて鎧の中や武器、盾の裏を見るくらいしかないぞ?」


 武器屋とアイテムショップはさほど時間がかからないだろう、どちらも探すのに手間がかからない、どころか一瞥するだけで分かるものが大半だ、八百屋みたく壊して確認などがあれば罪悪感が生まれるがただの物色なら、罪悪感など生まれようもない。


「取りあえずは武器だな、周り見れば張り付けてあるかすぐわかる」


 そう判断しまずは武器を手にする、彼が勧められた太刀他は、小太刀、剣に槍、ハンマー、弓。

 ハンマー、弓、槍は一瞥で分かりそうだが念のために確認はしておいた方が良いだろう……それを言いだしたら武器など基本書くにも張るにも向かない……


「今思ったんだが、字が読めなかったら探しても意味ないんじゃ?」


 今頃気づくとは遅いが、確かに字は読めないことは初日に確認済み。音声入力してあることを祈るばかりだが。こんな強制イベントなのに字が読めないってのは不親切だなぁ。もしこれで情報も文字だと探しても俺じゃ使えないから無意味確定だな。

 今さらだが、こんなときのために字を読めるよう努力しようと思う、遅すぎるし今後こんなことはないと信じたいが。


「まぁいい調べるだけ調べよう、読めなくてもヒントがあると分かるだけで導き出せる答えもあるだろう」


 ヒント自体ないのとヒントはあるが読めないのでは意味が違ってくる、結果は同じだが。

 今は取り合えず結果よりヒントがある事実が知りたい。こんな状況なだけに前向きじゃないとやってられない


「取りあえず武器の確認は終わったがやはりなしか。」


 思考しながらとはずいぶん余裕をかますが、時間が惜しいだけに思考で手を止めたくなかったのだ。

 次は盾を調べるのだがひっくり返すだけだから時間はかからないだろう……実際武器の三分の一くらいで終わった、武器は意外に調べるのに手こずらされたのが分かる。


「こっちもなしか後は防具の中だけだが」


 これはちょっと骨が折れそうだ、ばら売りと、セット売りの二種類ある。中を覗くにしたって面倒でしょうがない。ばらは籠に乱雑に入れられ、セットはマネキンにセットされてる形になってる……が。野菜つぶしたのだこの程度はやらなくてはならん。


 まずセット売り。兜を外し中に光をあて確認していくが……やはりない。篭手を外しては同じように光に当て確認、グリーブも鎧も外し一つ一つ調べはしたが無い。ばらの方も確認の仕方は同じ、ばらしてしまえばセットもばらも、変わらないのに確認方法が変わる訳がない。


 ばら全て調べ終えたがセット同様無かった。ここまで調べてないとかどうなってるのよ? 誰にともなく愚痴を言いたくなるが、効いてくれる相手も居なくそんな暇もない


「次はアイテムショップかこれもすぐ終わりそうだな」


 そう思いながら歩いて行く。この時もそうだが、それ以前に宿を出た時点で彼は気づくべき重要なヒントを見のがしてる。


 アイテムショップは一瞥で有るかどうかが分かるだろう、実際ついて見てみると、緑や紫の液体。固形の何かや砥石みたいな石などと手を取って調べる必要の無い物ばかり。だが


「一瞥で済むとは言え数が多くないか?」


 一瞥で済むものでもこれだけの数見ようとすれば、手間がかかる。

 想像するなら石はセール用の籠に詰め込まれ数は5つ、ポーションは図書館の本棚にぎっしり数は2つ、と言ったとこだ。


「俺の予想だと、宝石店何かのケースに入れられてそんなに数が無いイメージだったのに」


 愚痴がこぼれるが、こぼしたとこで数は減らない。一つ一つ、手に取り確認、先ほどの武器屋の防具ほどの手間は無いにしても。これはこれで骨が折れる。


 …………数分か十数分か経った頃


「ようやく石の方は終わりか」


 個数は知らないが肩がこるほどの疲労、時間で考えるなら疲労はそれほどないはずなのに。疲労の波が押し寄せてくる


「次はポーションか……」


 石でもこれだけ疲れたのだポーションはこれ以上……


 ………………結果予想道理石より時間がかかり数十分


「確認終わったが」


 これだけ披露しこれだけ時間をかけてみたのにもかかわらず……お察しのとおりだ。どれほど時間をかけようと、疲労が溜まろうと結果は今までと何も変わらずなにも無かった。


「結局収穫無しか」


 そう言って店を出ようとする。疲労のせいか、気力がなくなってきたのか足元がおぼつかない、棚や籠にはぶつからないが、ポーションに服をひっかけ床に落とす。数は一つだけだが、八百屋の時みたく意識が飛びかける。


「またか」


 たしかに前回も野菜を潰したときにこうなったが、なぜこうも何か壊すたびに意識を持ってかれる? 今回も同じだとするとこれにも睡眠薬が? どれだけこの町は俺を眠らせたいんだ! 俺を眠らせて何があるって言うんだ! そんな心の叫びもむなしく町の陰謀? に負け意識を手放す


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 またしても目覚めは宿のベット


「これはおかしいよな?」


 一度目は不思議に思いながらも答えが出ないだろうから時間の浪費と決め、見切りをつけた。が二度目になると考える必要が出てくる、そう二度も意識を手放し、その後目覚めは二度とも宿屋のベットの上で、一度目同様横になってる状態。ここまで類似点が多いのに考えないのは逆に危険だろう


「まず何から考える?」


 最初は答えの出るものから考えよう。一つ記憶の確認、これは前回もしたがこれは答えが確実に出る。俺はアイテムショップで石とポーションの確認をし、疲労のせいか足取りがおぼつかなく瓶を落としてしまった、その前に行ったのは武器屋、今回はこの二つしか調べてない。前回は八百屋で野菜を潰した後意識遠のき結果なくなる。その前に調べた宿屋の事も覚えてる、全部屋探したが何も見つからなかった……、全部屋探せたか? 何か引っかかる


「俺は全部屋探せたか?」


 いや、探すには探したが、なぜか探せなかった場所があった理由は分からない何故分からない? そしてそれはどこだ?


「思い……出せない?」


 そう全部探そうと思ったが探せなかった場所はいくつか……最低でも一つはあったはず、その場所がどこなのか、分からない。どうして探せなかったのかも思い出せないがこれは探せなかった時点で想像は付くのだが


「記憶がない?」


 感覚として引っかかり、それをもとに手繰ることが出来る範囲では覚えている。だがもやが、かかったようになって明確には思い出せない。どこを探せなかった? これは忘れてはいけない事の様な気がする

、なぜかそう思う


「どこだ? どこが探せなかった?」


 いくら考えても出てこない、なら時間をロスしてはいけないと思いこれは後回しにしようか、そう考えたとき。思いだせ、忘れちゃダメだと誰かが言ってるかの如く、窓から光が差し暖かく包む。これは誰かじゃ無く俺自身が忘れたくなかったから訪れた偶然かもしれないが……だがおかげで思いだすきっかけになってくれた


「彼女……何か大切な女性、彼女の事を忘れてはいけない」


 そう、俺には大切な人が居たはず、が彼女は嫁ではないが嫁と同等に……もしかしたら嫁以上に大切かもしれない。結婚はしたことないのに嫁の事を引き合いに出したのは家族は大事なものだましてや、自分が選びともに生きて行くと誓った相手ならなおさら、だから嫁を引き合いに出した。そこまで大切な人なのに必死に思いだそうと努力をしても思う出せない。女性ということ大切であったこと以外は出てこない。なら


「部屋の捜索」


 分からないなら手がかりを探しに行けばいい。空かない部屋に彼女の手がかりがあるのは明白、空かなかった部屋が空くよになってるとは思えないが部屋に行くだけでも、何かの手がかりになればいそう思い、片っ端から扉を開けて行く。

 人が居れば失礼極まりない行動だが、この宿は一度捜索し人が居ないことは確認済み。もし人が居たとしても今の俺には関係ない。

 扉を開け中を確認するそんな簡単な作業だ空かない部屋などすぐに見つかる


「ここか?」


 ここで有る確証はない最初に当たった空かなかった部屋、だそれだけだ。それだけなのに何か分からないが込み上げてくる、ここで間違いないそう思わせる何か、自分に従えばここで間違いがない。


「ここか?」


 先程した質問と同じことを繰り返す、今度は脈が速くなり肯定してるように思わせる。やはり記憶からなくなっても体は忘れないということか……、ここが忘れてない部屋で有ると当たりをつけてもいいだろう。


「ここに居て思い出せるか?」


 その疑問は今思っただけではなく、初めから思ってた、来たは良いが思いだすきっかけがないのでは? と、来たから思い出せるなどと簡単な話ではない。何かに触れれば思いだすかもしれない。例えば彼女の見に付けてたものや、名前や特徴、何が好きで何が嫌い、性格、過去、話し方、声、容姿断片的なものでもきっかけにはなるだろう、がその何もかもがこの中に。この開かない扉の向こうにある、結果扉の向こうに行けないから、それらに触れることも出来ない。


 やはり思い出せない、いくらここに居ても思い出せそうにない……がここに居るとなぜか力が湧いてくる。勇気をもらえる気がする。落ち着く。彼女はの事は忘れてしまっただがそんな俺に、忘れられたにもかかわらず力を与えてくれる。これは勝手な意見かもしれな、だが実際そうなのだから、勝手だと言われようが構わない。だからここで思考の続きをしようと決める


「記憶はあるなら次だ」


 答えの出ない物だが今の状況で仮説を立てることが出来るものが出てきた。それは今の状況これは記憶をなくしやり直してる……と考えることが出来る。まず理由としてはベットが乱れてなかったこと、俺が物色したはずなのに自室含め今見てきた部屋すべて物色された痕跡が全くなかった。俺が部屋のベットで寝てたことも考えるとこの線は高確率で当たっているだろう。

 外に出て町を回れば確証を得るが、八百屋の野菜、アイテムショップの瓶など 壊れたはずの物が直ってたら確定でいいだろう。


「次はここがどこで何のためにあるのかだが」


 こちらに関しては、今の状況を鑑みるに現実ではない可能性が高い。現実に記憶を消したり、時間を戻したりできる奴がいて、何のためにそんなことまでして何の得があるのかだ。もちろんそんなチートの持ち主なら遊び半分でやっててもおかしくないが、記憶操作に関しても時間跳躍に関しても、俺一人の反応を見るだけに使わず世界を敵にとかの方がよっぽど暇つぶしになるだろうから却下だ。そんなやつ居るとして、転移序盤で出されても困る。出すならまだ終盤に願いたいとこだ、終盤でも願い下げだが。


 可能性の高い非現実だが。異世界転移した事実がここに有る……いや居る、ならこれも異次元に迷い込んだと考える方がまだ納得がいくし序盤であっても問題ない。

 異次元に迷い込んだ理由など皆目見当もつかないが、仮定異次元でいい


「というわけでここは仮定異次元として」


 次にこの仮定異次元からの脱出方法だが見当もつかないが、考察すれば分かるか? まず記憶がなくなるんはなぜだ? 記憶に関わることが出ることに対しての必須条件って事か? なら今まで記憶がなくなったって事はだ。記憶がなくなり出れなくなる、もしクワなくなっても出れるが致命的な何かがあるだろう。ってとこか?


 致命的な何かは分からんが、記憶に関わることなら一つ思いだすことがあるが、それも確かな記憶じゃないのだが……それは


「初めに目が覚めた時、何か夢現みたく、変な感じだった」


 あの時の事が明確に思い出せれば脱出の糸口が見つかるかもしれないなのに……


「やっぱり思い出せない」


 あの時の時点から記憶に残らない希薄なものだった、それにあの時は夢だと思い、夢なら忘れて当然くらいにしか考えてなかった、だから深く思いだそうとも考えようとも思わなかったが


「今の記憶が確かなら、この部屋の住人の彼女は思い出せないのに、夢現の事は思い出せる?」


 これはどういうことだ? 時系列的には夢現の時の方が後だろう、だが彼女の方が過ごした時間は長いはずだ、なら時間が後の方が覚えてるということか? 夢現の後の彼女と会った可能性もあるには有るが


「そんな簡単なことじゃ無い気もするが取りあえずは保留にしておくか」


 糸口をつかむきっかけを手に入れることが出来た。


「これを糸口に出来るか?」


 この世界が記憶を消したがってる、なら記憶をたどれば何か手がかりがつかめるかもしれない。それなら町を探しても……すべては探せてないのだが、探してもヒントが無い訳は分かる


「このまま記憶の線で行っていいか?」


 今考えれることは考えた、記憶の線で行っても問題ないが確認したいことがある


「まずはこれが記憶を消してループしてる確証が欲しから町に繰り出すか」


 確証を得たら疑問など挟む余地がない、名残惜しいが力はもらえた、それに確証を得たらまた戻って来る。そう自分に言い聞かし重い腰を上げ歩き出す。

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