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第二章7話 ヒロインの救出

 走る走る走るただひたすら走る踏ん切りがつくのが遅すぎた、決意が固まるのが遅すぎた、自分の気持ちに気づくのが遅すぎた、だが走る。


 間に合う間に合わないじゃない間に合わせる、そのために必死になって走る、普段運動してなかった自分が憎らしい、こんな簡単なことに気づかなかったバカらしさが憎らしい。


 今はそんなことを考えず走るべきだ一心不乱に走るべきだ、だがなぜか頭をよぎる、この戦場を生きて帰れたら彼女のために体を鍛えよう、今までの俺はダメだったこっちに来てからまだ日は浅い。


 どこまでやればどこまで強くなれるか分からない。強くなれないかもしれないだが、鍛える彼女を守れなくとも死なせないために、彼女が逃げるくらいの時間を稼げるようになるために。


 走りながら今後の事を考えるというばからしいことをしてると


「クソッ」


 もうすぐ彼女の元に付く、彼女を死なせないため頑張ろうと思えただが、足りない時間が早さが。穴を抜けたケルベロスが彼女を襲おうとしてるもう間に合わないのか? 諦めるのか?


「なわけねぇだろ」


 ここまで来たんだ必死になって見苦しく足掻くべきだ


「やっと決意が固まったようだね?」


 そう後ろから声がかかる、後ろを振り返り声の主を見ると同時に


「ファイア」


 声の主は魔法を唱え化物を怯ませる


「ヴァインズ!?」


 なぜおまえが? 陣を抜け出し何やってるそう聞く前に


「前を向け彼女を助けるんだろ!」


 そう声を掛けられる。そうだ今は彼が何故ここに居るかより彼女を助けることを最優先に考えるべきだ


「ローリェーー」


「!?」


 叫びながら彼女の元に駆け寄りそのまま引っ張り上げ抱きかかえる。正直カッコつけたはいいが結構しんどい、成人はしてないだろうがもう成長の進んでる身体だ、子供のように軽くはないしこっちは運動不足で筋肉も付いてないその上走っているそりゃしんどくてしょうがない


「なんで雄也がここに?」


 その質問の答えは先ほど出たばかりだが


「君をローリェを死なせたくないと思ったからだ」


 カッコのつかない走りでカッコをつけるという締まらないことをする雄也


「茶化さないでどうしてこんなとこに来たの?」


「さっきも言ったが君を死なせたくないからだ、守ってやるためといえない自分がふがいないがこれは俺が考えて出した結論だ。君がどれほど疑おうが今言ったことは事実だ」


 そう考える時間はあった方だと思う、それでも出なかった答えそれがようやく出たのだ。いくら彼女が疑おうと他の誰が文句を言おうが、これが俺の選んだ道だ


「再会が嬉しくて話してるのはいいが、この状況だあんまりのんきに話さないでくれると助かるんだが」


 もう一人いることを忘れていた、彼がいなければ彼女を助けれなかったというのに


「ヴァインズさんまで!?」

 彼女もようやく気づいたのだろう驚きに声が上ずってる


「あぁ話せば長くなるが、彼が君を助けるために動いたのでそれを助けようと思ってね」


 かなり短い気がする、纏めてくれたのなら分かりやすいが


「なぜおまえが俺のために動く? お前は俺の事を嫌ってると思ってたんだが?」


 これは皮肉など出はなく実際そう思ってる、俺自身こいつの事があまり得意じゃない。もっと端的に言えば苦手や嫌いにな、こいつも俺と同じだと思ってたんだが


「それは簡単だ私は義に熱いケレティ族だからだ」


 そう言えば来る途中にローリェが言ってたな義に熱い部族だかが修行に来るとかなんとか


「でケレティ族のヴァインズさんのお眼鏡にかなったということでいいのか?」


 聴かなくても答えの出てる質問、ここに来てくれてるということは


「あぁそうなるね、ただ及第点ってとこだけどね」


 やはりイラつく奴だな


「ありがとうございます、助けていただいて。でも陣の方は?」


 確かにそれも気になるがもう一つ気になることがあるそう思い後ろを向くと


「地味に攻撃してたのな」


 ケルベロスに食われても仕方ないと思いながらの逃走劇だがヴァインズが目のあたりに攻撃してくれてるおかげでどうにかなってるみたいだ、しかも3つ同時に


「ああ、背を見せて走ってるだけじゃ噛み殺されかねないからね」


 確かにそうだ、こいつがいなければ俺たちはもう餌になってるだろう。それはそれとしてだ


「ローリェもさっき聞いてたが陣の方は大丈夫なのか?」


「そうです、私たちを助けるために抜け出して来たとなれば、陣が崩壊しかねません」


 優しい彼女の事だ自分が死んだとしても少しでも多くの命が助かるならと思って当たり前だ、たった一人の斥候のために命を張るような娘だしな


「あぁーやべぇ惚れちゃいそう……いやもう惚れてんのか?」


 命がけで来た時点で惚れてると思ってもいいのかもしれん、戦場で考えることじゃないことを考えてると


「……」


「……」


 二人から無言で見つめられ


「話の腰折って悪い、話を戻そう」


 話を戻そうと言ったそばで


「グバロウ」


 後ろから咆哮流石にいつまでも話をさせてくれるほど甘くはないみたいだ、当たり前か


「でどうすんだよコレ?」


 後ろに激怒した化物こっちは走ってるが速度的にすぐに追いつかれてしまうが、


 「矢撃てー仲間に当てるなよ!」「魔法も撃てー」掛け声と同時に矢と魔法が一斉にこちらに飛んでくる、先ほどまではこちらに気を使って撃てなかったようだが、的がでかくなり始めたのと、そろそろ撃たないとやばいと思ったのか援護射撃


「まぁこういうわけだ」


 どういうわけだよ!


「えーと? どういうことでしょう?」


 そうなるよな? ナイスだローリェ。てかそろそろ足やばいかもいやきっとまだ持つ


「前もって言って置いたのさ、もしかしたら抜けるかもしれないから抜けても差し支えないよう頼むってね」


 こいつの手のひらの上感があるがまぁいい


「でも俺の勝手のせいで作戦がおじゃんだな」


 そうだ俺が彼女を見捨てれなかったばっかりに作戦が…後悔も反省もしてないけど


「それも問題ないだろう」


 何故? と聞く前に


 「オラーやろーどもかかれー」そう言って刺突、鈍器、斬撃と色々な得物を持った無さっ苦しいおっさんたちが走って来る


「こうなることも考えていたんだろう、彼女が立候補した時点でもしかしたらと思ってたみたいだしね」


 皆には迷惑をかけっぱなしだな


「どいつもこいつもバカばっかだぜ」


 少しだけ目を心の汗で潤わせる


「作戦はおじゃんにしちまった分、ちっとは頭使って活躍しないとだめか」


 活躍できる場面があれば良いが、今回は前回と違い無いような気がする


「それは後にしてそろそろおしゃべりも辞めて安全な場所に移動しよう。元々魔法使いは前線で戦ったりしないしね」


 そう言うヴァインズ、安全なとこに行くのは賛成だ。そろそろ足も限界だしな


「ああそうしよう」


 そう言って走ってる間に確認


「一様歌は効いたのか確認していいか?」


 これは今後使えるかもしれない情報だ、確認しておいて問題ないだろう


「ええ使えたわよ。歌の方は私にはなんの歌か分からなかったけど」


 てなると歌は有効、一つ試したいことが出来たな。確認プラス無駄話をしてると武器が奏でる衝突音、向こうも近接戦が始まったみたいだ.


 「くらえー」「グハ」「やられてたまるか!」「こいつ出来るぞ!!「頭が三つもある!」「うわ犬じゃん」「頭三つある割に後ろは警戒してないのか?」など掛け声を上げながら戦ってるが


「何か途中で事前情報に入ってたやつが聞こえた気がするが?」


 事前情報知らんのか!と言いたくなる叫び声が聞こえた気がするが……気のせいだろうそうしておこう後ろの声に耳を傾けながら、そんな感想を抱き現状の安全地帯まで後退することに成功。


 そこで指揮官? であるエンジャと合流


「悪かったな策を無駄にしちまって」


 詫びを入れたが


「気にするな、女助けに行くのに邪魔したりそれに対して怒ったりしねぇよ。それに女を見殺しにしてかったとしても寝覚めが悪い、うちの男どもが死ぬ分にはまだいいがな」


 そう何食わぬ顔で言うエンジャに


「いえ、男の方だろうと女性だろうと亡くなるのは寝ざめの良い物ではありません」


 そう生真面目に反論するローリェ


「確かにそうなんだがな嬢ちゃん、やっぱよその女が死ぬより。覚悟の決まった…って言い方は嬢ちゃんに失礼だな」


「覚悟は出来てるつもりですが、やはり甘いところはあったと思います」


「えらく正直だな、見え張ったりしないのな?」


「要らない見えを張ったってしょうがないですもの」


 確かにそうだが彼女は時々竹を割ったみたいにきっぱりとしたとこがあるよなぁ


「話がそれちまったな。でだ俺たちは命を懸けて戦うそれを生業にしてるし、まだ若い未来の有る嬢ちゃんが死ぬのはやっぱりよくないと思う訳だ」


「……」


 反論できないローリェ彼女は物分かりが良いだから彼の言ってることも分かるから言い返せないのだろうだから、


「そうだなおっさんだが俺らは若い、いや青いと言うべきか。だからこそ可能性は少ないと分かっていても皆が助かる道を探したい、無理だととしてもせめて犠牲を抑えたい。それを彼女はその犠牲を自分で引き受けちまう勿体無い性格してんだ、だから」


「わかってる。嬢ちゃんが優しいのはよーくな、それにあんないい方したら言い返せないだろうって事も分かった上で言った。少し意地が悪かったかのすまん。がこれだけは分かって欲しい、若いもんが年寄りより先に逝くことこそ一番の不幸者だ、だからどれほど死なせたくないと思っても無謀や自暴自棄、自棄など起こして命を粗末にはしてくれるなよ」


 そう言ったエンジャの顔は年上の貫禄があり、ここに居た3人の胸に刻みつけられた

感想お待ちしてますので良ければください、いやクレ。

今回のケルベロス討伐は、前回のフルフル討伐より長いですねもう少しで終わると思いますがお付き合いお願いします。

気づいてた方も居ると思いますが、ヴァインズは義の部族の人でした初めは女性にしてサブヒロインインと考えてたんですが男性になっちゃいました(笑)長く書くのもあれなのでこの辺で、ではまた次回にお会いしましょう

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