第二章6話 決まった心
「話も終わったし取りあえず罠のところに行こういつケルベロスが来てもいいように」
作戦はもう決まってる、話も終わってるなら後はやつが来るのを待つだけ。
「……」
何か気になる雄也、何が気にかかるじゃ無く何か胸のあたりがもやもやして気持ち悪い、これは死ぬかもしれない恐怖ではなく結論が出せていないまま戦場に赴くからだ。そんな雰囲気に気づいた訳ではないだろうが
「怖気づいたのなら帰って寝てるといい」
「雄也勝ちましょうね」
ヴァインズとローリェの二人が声をかけに
「それが出来るならそうしたいもんだな!」
ヴァインズに向かってそう答えたのだが、
「君は心配してきてくれてるレディーの言葉にそんなきつい言い方で返すなんて、男じゃない、いや人じゃない」
「ごめんなさい、でも勝つことを考えないと負けること考えて戦うのはダメでしょ?」
二人が二人ともローリェに行ったと勘違い
「ローリェ君に言ったんじゃない、ヴァインズに言ったんだ」
そう弁明すると
「私は気づいていたよ」
「そうなの良かったー」
ヴァインズはおちょくってただけで、ローリェは本当だったみたいだ
「ヴァインズてめぇは分かってておちょくってんのか!」
「ケンカで浪費する体力が勿体無いので噛まれる前に退散するとしよう」
なんだかんだで心配してきてくれていたらしい彼そんな彼の気持ちに気づかないまま
「一昨日来やがれ」
罵声を浴びせる雄也
「雄也ヴァインズさんも心配して声掛けに来てくれたのよ?そんな言い方はあんまりじゃない」
「あいつがぁ? そんなことするやつかよ、ただバカにしに来ただけだろ」
ヴァインズは基本的にいいやつなのだ、だが彼と雄也とは相性が良くないのだろう。
「私は心配してきてくれたんじゃないかと思うんだけどなぁ」
ローリェと癪だがヴァインズのおかげで気が紛れた雄也
「心配かけたんなら悪かったな」
「ううん、何かあったなら相談に乗るから言ってね」
「俺は大丈夫だ」
こればっかしは俺も何が引っかかってるのか分からないからそう言いわれても話せない
「そう…それならいいんだけど」
納得のいってない彼女とそのまま話をしながら罠の張ってる場所に向かう
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罠の場所についたはいいが
「本当にここまで来るんかね?」
その疑問は思ってたが言わなかった疑問、罠を張ってる場所に好物を置くそれはいいが、ここに来るかどうかは運しだいだ
「それは大丈夫だろう、奴は鼻が利く好物のにおい惹かれやってくるさ」
そういったのはエンジャ。エンジャはそういうがもし実際鼻が利くからここまで来たのなら
「そんなに鼻がいいなら俺らの匂いもばれちまうんじゃねえのか?」
次の疑問はこれだ鼻が利くなら、俺らのにおいも嗅ぎ分けてもおかしくない
「だから嬢ちゃんに消臭の魔法かけてもらったんじゃないか」
そうだったのか、彼女が消臭の魔法をかけれるのは知っていたがいつかけたのか分からなかった。
「そこまで言うなら罠に関してはもう何も言わねぇが、時間はどうなんだ?」
今日来るってのは分かってても時間まではわからないだろう。いつまでもここに居たらさすがに気づかれるだろうし、士気も下がるわ注意力の低下になるわで良いことはない
「それも大丈夫だろうホレ」
そう気軽に指をさした方向を見てみると
「!」
そう何を隠そうケルベロスが登場しているのだ
「なんだよ! 急に現れてびっくりするじゃねえか」
さすがに声を張り上げることはなかったが言っていてひやひやもんだ
「それはお前さんが話に夢中で気づかんかっただけじゃろ?」
そういわれてしまえば確かにそうかもしれない、戦闘経験なんてないに等しいのにそんな俺に注意力を保てってのはちと酷だ
「じゃぁ罠にかかったら嬢ちゃんは斥候頼んだぜ」
先ほど収まったもやもやが、またしても訪れる。なんなんだこのもやもやはそんな雄也の葛藤をよそに
「ええ予定道理に」
そう返事をする彼女
「やっぱ」
「罠にかかったぞ!」「魔法の準備」「矢は撃てー」
雄也の静止にかぶさるよう飛び交う声それを聞き
「ご武運を」送り出されてる彼女
「まってろー」
「行ってくるね雄也」
静止の声にかぶさり別れの宣告、いや別れではない何事もなければ彼女は戻ってくる。が道中からあったもやもや、先ほど再度訪れたもやもや、正体は分からないがこのまま行かせて放っておけばいけない気がする。
そうさせるこのもやもやは、雄也が悩んでいる先頭の途中にそんな命知らずな行動をしてるよそで
「魔法準備完了撃てー」そう言って魔法が発射、先に放たれた矢はあれ以降止めどなく放たれてる、穴の下に落ちてるケルベロスにどの程度の被害がでてるか、もしくはでてないのかそれを確認するすべは今はない。
ローリェも穴のあたりについたころかなぁ
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雄也に行ってくると言い残し走り出した私、走り出して間もなく魔法が飛んできた。矢も初めの掛け声以降、止めどなく放たれているこれで少しは被害が出てるといいんだけど、そう思い走っていると穴の淵に着く
「これは……」
被害が大きいとは思っていなかっただがこれは思ってたよりも軽傷だ、それは攻撃が聴いてないではない単に当たってるのが少ない、穴の下にいるだけに外れてるのが多い魔法は面積が大きいから当たってはいるが矢は、あまり当たってない。
「想定はしていたけど、ここであまり削れないとなると今後きつそうね」
そう誰にともなく独り言をこぼす
「魔法具があれば命中率を上げれるのに」
無い物ねだりをしても仕方がない、自分の役目を全うするだけだ。曲を閉じ込めてるこれも魔法具だろうが
「ケルベロスも抜け出すのに苦労してるみたいだしもう少しくらい時間がある」
そう思ってた時気づく、いま起きてるのは一つだけそれに気づいたとき二つの頭が同時に起きる
「ダメ!」
気づいたのが少し早かった、少しの操作をし再生
「~~~~~~」
この世界にいる人にはわからないキャラソンが流れる。そう魔法具だろうといわれてたものは、雄也の持ち込んだスマホ、彼のスマホに入ってるのはキャラソン、アニソン、ボカロ、と元の世界にいてもわかる人しかわからないというラインナップなのだが
「……」
なんとも言えない選択をした彼その結果は
「効いたのかな?」
先ほど起きると思われた二つの頭、それに起きていた一つの頭が反応をしていないどうやら効果はあったようだ。だが、これだけ攻撃されてるのだすぐに目を覚ますのは自明の理
「ダメ、このままじゃすぐ抜け出される早く皆に合図を」
そう判断したが、判断自体は間違っていないそれどころかこの場面で正確すぎるくらいだ。ただ三つとも覚醒したケルベロスは穴を抜け出すのが早すぎたそれ故に
「ヴァロブロロ」
合図を出そうとする彼女のすぐ後ろにもう抜け出している
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もう穴についたころかなぁそう思いながら
「何かいやな気がする」
今の状況で誰かに話しかけてるには小さすぎる声故に、ただの独り言
「来る途中からもやもやしたもはあったあれは何だ?」
あれの正体は単純だ、彼女が危険な目にあうのが心配、守ってあげたい、だが力がない。そんな単純な、だからこそこじれやすい感情
「さっきからあのもやもやがひどくなってくるなんでだ?」
俺は昨夜一人で考えた自分に何ができる何をしたらいいと、だが結局答えは出なかった。そんな状態でもこの場に来たのはなぜだ? 俺は死ぬのが怖いだが戦場に居るなぜだ?
「俺はこんな状態で何しにここに来た?」
俺は何がしたい、これは初めて思った自分への疑問、今までは他者が何を求めている何を望んでいると、他者からの意見ばかり考えていた、唯一その疑問をぶつけた相手は
「期待はしない望むのは一緒に居ること」
彼女は何も期待しないと、それでいて俺を肯定してくれるといった、逃げづに戦えと言ってくれた、これは重荷になるそう思っていた、今でも重荷にならないと言ったらウソになるが、ここまで言ってくれた彼女。
今自分のしたいことを初めて問うて気づいた、俺は彼女を死なせたくないのだだからここまで付いてきた、彼女は、重荷になるだけじゃ無く支えにもなっていてくれたのだ、だから守りたい助けたい死なせたくない。ここまで思えれば簡単な話だ
「俺は死にたくないだが彼女を死なせ自分だけ生きて行くのはもっと嫌なんだ」
ならすることなど決まってる
「ローリェを死なせない、俺も戦う」
踏ん切りさえつけば後は何も考えなくても勝手に動く、さっきまでより心も体も楽だし軽い。
「うだうだ考えてたがこんなにあっさり答えがでるとは、しかも答えが出たおかげでこんなに楽になれるとはな」
することが決まり、やるべきことも決まってるならうだうだ言わずに動くだけ、時間は刻一刻過ぎて行く
「エンジャ、行ってくるよ」
「!?」
そう言い残し走って行く
「雄也? 、まて!」
エンジャの静止を聞かず、走り出す死なせたくないあの子の元へ、死なせてはならないあの子の元へ
踏ん切りがつき、自分の中で整理が付いた雄也走り出したが間に合うのか?




