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第50話 王者の指導と、震える恋心

ももかに変化が現れます


ももかは何回目かも覚えていないくらい

圧を感じるクリスタルとのオンライン面談のため

パソコンを開いた。


震える指でキーボードを叩き

クリスタルと接続される。


「……お疲れ様です。お願いします」


挨拶するももかだが

画面の向こうのクリスタルは

めちゃくちゃ不機嫌そう。


どうしよう、と焦るももかにクリスタルが口を開いた。


「なぁ、そんなに俺が怖いんか?

配信行ってもぎこちないし。

クリスタル垢で行けばリスナーがビビるから

マネージャー垢で行ってるのに

ももかがビビってたらおかしいだろ?」


「……すみません」

震える声で小さく謝る。


「この俺がマネージャーって

普通は自慢出来んねんぞ?

直接指導なんかぶっちゃけ滅多にしん!」


クリスタルは不機嫌に話す。


「あんな、海斗から聞いてるか知らんけど

海斗がわざわざほぼ関わりのない俺の枠来て

特大3発投げてまで

ももかを助けて欲しいって言って来たんやぞ?

海斗の気持ち考えたことあるんか?」


ももかは驚いた。

特大3発って……なんで?


「そこまでしてでも

ももかの希望を叶えたかったんやろ!

スターエイト所属っつーのはな

アプリ直属みたいなもんや。

アプリ内のトップに俺らはおるんや。

契約する時説明なかったんか?」


ももかは黙る。

適当に聞いていたから覚えていないのだ。


その様子にクリスタルはため息を吐く。


「別に、事務所辞めたきゃ止めん。

辞めたからって他の事務所行けるやろ。

でも、海斗の気持ちはどうなる?

俺に投げたコイン意味無くなるわな? 」


ももかは胸が痛む。


「大体な、

イベント慣れしていないリスナーが

ドラマコラボイベントなんて

競争率の高いやつについてけるわけないやろ?

ミサキや連が羨ましかったんか?」


ももかは震える声で答えた。

「ミサキだってイベント出たこと

無かったはずなのに音楽イベントで1位取って

芸能界入りしちゃうし...

しかも有名音楽家とユニットとか……。

連くんも過疎ってたはずなのに

エンタメVII出ちゃったし...

ドラマデビューした人もいたし……」


クリスタルは黙って聞いている。


「まさか...

ミサキがあんな人気者になってるなんて

知らなかったし...

ファンクラブ会員50人超えてるし

クリスタルさんまで会員だし……

海斗くんは連くんにめっちゃくちゃ投げてたし……

羨ましかった……」

ももかは涙ぐむ。


クリスタルが言う。


「その海斗が

ももかにオーディション権取らせたいって

俺に言ってきたんやけど?

特大投げてまで。

俺はな、うちのリスナーに

『ももかの応援行ってやれ』くらい言える。

だけどな、あいつらからしたら

『ももかって誰?』なわけよ。

誰かよくわからんやつに金使いたいか? 」


ももかは首を振る。


「だから俺は安易なことは言わん。

見る目が肥えてる奴らが見てOK出したら

余裕がある奴らが行くねん。

アイツらは俺に惚れ込んでくれてて

『クリスタル枠から』って

俺を立ててくれてんねん。

アイツらのおかげで俺は今の位置におれんのよ。

その代わり俺はあいつらに後悔させたくないから必死なんや」



クリスタルは最後は優しい声で言った。

「海斗に後悔させたいの?

とりあえずは海斗のために頑張らんか?」


ももかは涙を拭うと

「……はい! しっかり頑張ります!」

力強く答えた。




面談が終わった3時間後に

ももかは配信を開始した。


いつものメンバーも海斗も来る中

クリスタル枠の偵察部隊も来る。


みんなが「あれ?」って思うくらい

穏やかでにこやかに進めていくももかがいた。


クリスタルがわざとクリスタル垢で来ても

にこやかにお疲れ様ですと挨拶する。


「ももかちゃん、今日はなんか雰囲気違うね」と

コメントするリスナーに

ももかは笑って

「マネージャーとの面談で

考えとか気持ち聞いたら

なんか頑張ろって思えたの」と言った。


「へー、そうなん?」とコメントしたクリスタルに

笑ったももかは

「そのマネージャー今いるんだよねー」

といたずらっぽく言う。


海斗が『誰ー?』ってコメント。


「ね、クリスタルさん」とももかは笑った。


『いい顔するやん。面談の時とは大違いだわ』

とクリスタルがコメントして、リスナーたちが驚いた。


偵察部隊のリーダーが

『昨日まであんなに怯えた感じで

配信してたのに別人ですね。

流石です、クリスタル殿』とコメントをした。


ももかは「入室通知OFFで来てますね」と笑った。



界隈に噂が広まる。

白百合ももかのマネージャーが王者クリスタル。


そして

クリスタル枠「他枠応援部隊」の発動が決まった。

目標、ミサキ作小説ドラマ化オーディション権争奪戦

10位以内にももかを入れること。






海斗は安心した。

今までで初めて見る笑顔。


クリスタルに何言われたかは知らないけど

偵察部隊にまで穏やかに話しかけ笑うももかを見て

クリスタルに頼んで正解だったと。


配信が終わった後

海斗はクリスタルにお礼のDMをした。


クリスタルからは

『海斗の度胸に射抜かれたわ』と返ってきた。




海斗はももかに電話をした。

今日の配信めちゃくちゃ良かったよと褒めると

ももかは笑った。


「海斗くんのために、自慢出来るように頑張るね」


「クリスタルに何言われたの?」


「クリスタルさんの為に動いてるリスナーさんたちを

後悔させないために必死だって言われて

ももかの為に特大投げてまで頼んでくれた海斗くんを

後悔させたくないって思ったの」


特大投げたのバラされたぁと恥ずかしくなった海斗。


照れ隠しのように

「ももか、女帝ティアラ役とかハマりそう」と茶化した。


ももかは、やぁだと笑っていた。




お読み下さりありがとうございます

次回もお楽しみに♡

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