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第25話 最後の挨拶、新しい関係

1人の恋が終わりを迎えます


山本勇次から「配信上だけなら関わっていい」という許可

(という名の独占欲の緩和)を得たミサキ(凛夏)は、


「連くんに、この後のことを報告してくるね」と告げた。

「爆投げしたらしばくからな!」と

勇次に笑いながら脅されたが、

そんなことをするつもりは毛頭ない。


連の枠に入室すると、

画面には海斗のコメントしかなかった。


「あ……ミサキ。来てくれて、ありがとう」

嬉しいような、悲しいような、複雑な表情で連は呟く。


『お疲れ、1位おめでとう』と

海斗が気を利かせたコメントを打つ。

海斗にお礼を返した後、

ミサキは意を決してタイピングした。


『配信上だけの関わりならできるよ。

でも、DMとかは無理。……好きな人がいるの』


海斗は『仕事戻るわ』と察して退室した。


「……分かった」

沈黙の後、連はぽつりと呟いた。

「……山本さんだろ?

俺、いつの間にかミサキの事、好きになってたみたいだ。

ブロックされるまであんなに俺を好きでいてくれたのに……

タイミング悪いね」


連は泣きそうに笑った。


『しんどくなかったら、また遊びに来ていいよ』と

コメントをし、最後に『頑張れ』という名前のギフトを投げ、

ミサキは退室した。



その直後、連は「今日はここまで」と配信を終了した。


配信を切った途端、

連は部屋で一人、声を押し殺して泣いた。


ミサキが提案した「配信上だけの関わり」は、

彼女の最後の優しさだ。

最後に投げた『頑張れ』も、

今のミサキの最大の優しさだった。


あの入室を許したのは、山本勇次の優しさでもあった。

(……俺の元にいたら、

ミサキはこんな成功を掴めなかったはずだ)


王者クリスタルや、大西直也とも繋がれなかった。

(……勇次さんがいたから、ミサキはあんなに輝いているんだ)


連は涙を拭うこともせず、考え続けた。

(俺が輝き続ける手伝いをしたい。

あの笑顔を守るのが山本勇次なら、

その応援を許されるのだろうか。

……一人のファンとして、見ていたい)


明日からまた笑えるように、

彼は今夜だけ、思いっきり泣いた。






その日。

ミサキは駅前で、

山本勇次と大西直也を待ち合わせていた。


大好きな人と、大ファンの有名人。

新幹線の改札から降りてくる見慣れた二つの顔を見つけ、

ミサキは小さく手を挙げた。

改札を出てきた二人は、とてもにこやかだった。


「ちょっと寄りたい店があるから、ここで待ってて」

直也にそう言われ、二人は人混みの中に残された。


少し照れくさい沈黙の後、

山本勇次はミサキを軽く抱き寄せ、

耳元で「……好きだよ」と囁いた。

「……私も」

ミサキも顔を寄せ、小さな声で返した。



「……オリジナル曲、できたらしいよ」

ミサキの言葉に、勇次が眩しいほどの笑顔を向ける。


「次は俺の番だ。来月のモデルイベント、頑張らないと」

「……応援、したい」

ミサキの言葉に、勇次は笑った。


「じゃあ、仕事に繋がるイベントだけ、

ギフトで応援して」


その様子を、

店の中から大西直也が暖かい目で見守っていた。

「……幸せになれよ」


そう呟きながら、直也はコーヒーを飲み干した。





お読み下さりありがとうございます

次回もお楽しみに♡

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