第24話 選ぶ権利と、新たな始まり
遂に、遂に…
「……1位」
ミサキ(凛夏)は、
信じられない気持ちでイベントランキングの頂点に輝く
自分の名前を見ていた。
連(勝利)には感謝している。
彼がいなければ山本勇次にも出会えなかった。
ブロックされたからこそ大西直也やクリスタルと繋がり、
世界が広がった。
彼が縋ってきたから、このイベントにも出られたのだ。
でも、今好きなのは連じゃない。
山本勇次だ。
どん底にいた自分を引き揚げ、
引き止め、輪を広げてくれた人。
気づけば、自分は新人カテゴリーを卒業し、
中堅層の入り口に立っていた。
(……会いたい。声が聞きたい)
そう願った瞬間、スマホが震えた。勇次からのDMだ。
『声が聞きたい。話したい』
その下には、直通の電話番号。
震える指で発信ボタンを押す。
「……ミサキ?」
聞き慣れた、でもいつもより少し低い声。
「……勇次くん」
「……会いたい」
涙が溢れた。
震える声でその言葉を伝えると、
一瞬の間の後、勇次が小さく呟いた。
「……俺も、会いたい」
「……ミサキ。本名教えて」
「……三崎、凛夏です」
「凛夏……いい名前じゃん」
勇次が少し笑った。
「会えたら、言いたいことがある」
「うん」
「……それとさ。もう俺の枠で、
無理してギフト投げなくていいから」
翌日。
ミサキが配信をしていると、連が入室してきた。
コメント欄が一瞬でざわつく。
勇次との約束を思い出し、
ミサキは「……イベント、応援ありがとう」とだけ返した。
『おめでとう』
連の言葉に、ミサキは答えに困る。
『……もう、ここに来ない方がいい?』
その問いに答えられず黙り込んでしまった。
勇次との関係をどう定義すべきか、
まだ自分でも分からないのだ。
そこへ『山本勇次が入室しました』の会員エフェクト。
『ミサキに選ばせる』と言った
クリスタルの言葉の真意を尋ねるミサキに、
彼は『クリスタルにDMする』と言い残した。
数分後、クリスタルが入室する。
『……連と関わるか関わらないか、ミサキが決めたらええ』
王者の言葉に、コメント欄は静まり返った。
「……ちょっと、考えさせてください」
凛夏の言葉に、連は『……分かった』とだけ残し、
ギフトを一つ投げると退室した。
配信終了後。凛夏は勇次にDMを送った。
『連くんと関わるの、嫌なら辞める。勇次くんが決めて』
すぐに電話がかかってきた。
「……凛夏が決めたらいい」
「……優しいのか、ズルいのか分からないよ」
凛夏の言葉に、勇次が小さく笑う。
「……俺も、分からん」
「……感謝はしてるけど。
私がそばにいたいのは、勇次くんです」
「……俺を選んでくれるなら、多少は関わってもいい。
でも配信上だけにして」
少しの沈黙の後、勇次が言った。
「……直也と、お前の住んでる地域に旅行に行くから。
その時、会おう」
夢みたいだ。凛夏はスマホを抱きしめ、天を仰いだ。
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次回もお楽しみに♡




