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第20話 揺れる心、暴走する独占欲

男たちの嫉妬が現れ始めてます


連(勝利)は、海斗から貰ったコインを

ミサキの配信に注ぎ込んでいた。


どれだけギフトを連発しても、

ミサキは「ありがとう」と機械的に返すだけだったのが、

その日は珍しく、


「連くん、ありがとー!」と名前を呼んでお礼を言った。


(……名前、呼ばれた)

連は信じられないものを見る目で画面を見つめた。

ただ名前を呼ばれてお礼を言われただけなのに、

涙腺が崩壊しそうになる。


たまにミサキが気まぐれで自分の過疎枠に来て、

『おつかれー』とだけコメントして去っていく。

それだけで十分嬉しかった。


だが、ミサキが勇次の枠で

楽しそうなコメントを見るとモヤッとする。


(……あいつはいつもデカいギフト投げてるからな。

……なんで俺、こんなにモヤモヤしてんだ?)


自分の嫉妬心に驚きつつも、

連はミサキから目を離せなかった。



一方、山本勇次はミサキが連の名前を呼ぶたびに、

内心で舌打ちをしていた。


(ギフト貰ってんだから

名前付きでお礼言うのは当たり前だけど……

なんか気に入らねぇ)


当てつけのように

連より遥かに高いギフトを投げつける。


ミサキが枠内の他の男性リスナーと盛り上がっていても

何とも思わないのに、連だけには異常にイライラする。

(なんなんだよ……)


勇次は、ミサキから目を離せない自分自身に苛立っていた。








珍しく社長のスマホにDMが届いた。

通知を見ると「白百合ももか」。


(……あー、連の最古参か)

開いてみると

『連くんにブロックされた! ミサキの枠はどうなってんの!?』

という、社長には関係のない内容ばかり。


(所属ライバー以外の相手もしなきゃいけないの……?)

困惑する社長。


ももかの所属事務所はクリスタルと同じ

大手の「スターエイト」だ。

ほぼ実権はクリスタルが握っているらしいが、

社長がそこに相談する義理はない。


(連もうちのライバーだしなぁ……)

唸る社長を横目に、マネージャーたちは

「また面倒なやつだ」と察してそっとしておいた。




勇次の配信中。

いつも通りミサキが主役でコメントが回る。

「おいおい、俺を置いてくなよーw」

勇次の軽口にコメント欄が笑いに包まれる。


しかし、普段は絶えずギフトを投げ続けるミサキが、

急に大人しくなった。

(……なんか別の作業でもしてんのか?)


なんとなく別端末で入室通知をオフにして

連の配信に入ると

そこにはミサキのコメントが連投されていた。

(……同時視聴してんのか?)


ファンクラブ会員の退室表示が出ないため

ミサキは勇次の枠にもいるはずだ。


「……ミサキ!」

思わず勇次が叫んだ。


数秒遅れて『はぁい』とコメントが来る。


「同時視聴してんだろ!? 俺に集中しろよ!」


勇次の独占欲丸出しの言葉に

リスナーが『どうしたの?w』とざわつく。


ハッとして

『あ、ごめん』と取り繕うミサキ。


連の枠に『またね』とコメントして抜けたのを確認し

気まずい雰囲気の中でミサキが高額ギフトを投げた。


「……違う、ごめん。ギフトなんていいんだ」

謝る勇次。


(……俺、連に嫉妬してんのか?)

勇次は、自分の心の中にある独占欲を自覚し、

静かにスマホを握りしめた。




お読み下さりありがとうございます

次回もお楽しみに♡

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