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追放されたトップヒーロー、海外進出する〜俺がいなくなったら劇的に治安が悪化するけど日本の皆さん大丈夫?〜  作者: サトウミ


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実践ステージ中間発表

俺達がヴィクトリアを倒すと、アンソニーが「姐さんの仇は俺がとる」と言い出した。

そのため次は彼と戦い、以前倒した方法で彼を鉄の檻へと閉じ込めた。


これで今、俺達が捕まえたのは3人。


顧問役(コンシリエーレ)の、トニー・トッコ。

ジョセフの息子で幹部(カポ)の、アンソニー・ゼーリック。

それからアンダーボスの、ヴィクトリア・ジャカローネ。


── 残るはボスのジョセフ・ゼーリックただ1人である。


俺達はジョセフへ視線を向ける。

ジョセフもまた、俺達を般若のような顔つきで睨みつける。


すると、そんな俺達とジョセフの間に、司会者が空気を読まずに割って入った。


「さて! 遅くなりましたが、ここで実践ステージの中間発表を行います。シャドウズのお二人も、ジョセフ・ゼーリックさんも、一旦中断してもらってもいいですか?」


「僕達は構わないけど」

「右に同じで(そうろう)


大丈夫か、司会者?

ジョセフに殺されないか?

まぁ殺されたとしても、助けるのだが。


ジョセフの顔色を伺う。

幸い、司会者に対してキレてはなさそうだ。

彼は俺達に向けていた顔とは全く違う、落ち着き払った笑顔を見せた。


「いいぜ。その中間発表とやらを、俺も聞こうじゃねえか」


「ご協力、感謝します! それでは早速、現在のヒーローポイントランキングを発表します!」


司会者がそう言うと、大きなスクリーンがステージに出てきた。

会場はクライムファミリーによって滅茶苦茶になっているが、スクリーンは幸い無事なようだ。


「現在の順位はご覧の通りです」


スクリーンには、俺達を含めた13人のヒーローの名前が、ヒーローポイントとともに大きく表示されていた。


【ヒーローポイント中間ランキング】

 1位:シャドウズ・フーマ ( 53127 pt )

 2位:シャドウズ・サスケ ( 49869 pt )

 3位:マントマン ( 8317 pt )

 4位:キャプテンクリムゾン ( 7889 pt )

 5位:オメガフォース ( 7051 pt )

 6位:クイーンハーツ ( 6371 pt )

 7位:ドクターフリーダム ( 5001 pt )

 8位:パチパチガール ( 4322 pt )

 9位:ママンマン ( 3812 pt )

10位:ナイトリンクス ( 3246 pt )

11位:シルバーコヨーテ ( 2825 pt )

12位:リバティマン ( 2156 pt )

13位:フォトンレンジャー ( 1759 pt )



──よし、俺達がぶっちぎりでトップだ!


しかも5万ポイントって、今年のヒーロー研修トップだったアイスペインターと同じくらいじゃないか!

これだけのポイントがあれば、万が一スカウトがなく普通に就活したとしても、どこかしらの事務所には所属できるだろう。


俺がクライムファミリーを召喚した恩恵は、他のヒーローにもあるようだ。

全体的に例年と比較して、圧倒的にヒーローポイントが高い。

最下位ですら1000ポイントを超えているから、ここにいるヒーローはみんな、所属事務所が決まることだろう。



「シャドウズのお二人さん、やったね! キミ達の狙い通りの結果になったよ。幹部(カポ)やアンダーボスを倒せるなんて思いもしなかった」

司会者は俺達の肩を組んで、その結果に大はしゃぎした。


「続きまして、審査員の反応を聞いてみましょう。まずはキム社長から! 今までの活躍を見て、気になるヒーローはいましたか?」


司会者はキム社長のもとへ移動すると、彼にマイクを向けた。


「僕はシャドウズの2人かな。マフィアに喧嘩を売るだけの実力があって、本当に彼らには驚かされるよ。あとはマントマンかな。彼のセリフ、気に入っちゃった」


おっ!

俺達に否定的だったキム社長が、認めてくれた。

俺は誇らしい気持ちになった。


「なるほど! 確かにマントマンのセリフは、思わず口ずさみたくなりますよね。それでは、お次はパーフェクトジュエル!」

「私はやっぱり、パチパチガールとクイーンハーツが気になるわ。彼女達、戦い方もエレガントで美しかった。この後、是非スカウトしたいわ」


「彼女達の戦う姿も素敵でしたよね! 次に、ウィンフリー社長はいかがですか?」

「私は勿論、シャドウズの二人よ! 彼らは絶対スカウトするわ。それはそれとして、ヴィランだけどヴィクトリアちゃんも気になったわ。彼女がヒーローにジョブチェンジするというのなら、スカウトしてもいいかもしれないわね♪」


ヴィランをスカウトするのってアリなのか?

百歩譲ってアリだとしても、彼女はヒーロー試験すら合格してないだろ。


「まさかのヴィランの名が上がりました! では最後にフォーゲル社長!」

「俺もシャドウズだな。クライムファミリーにはウチのヒーローが何人も犠牲になった。その仇を代わりに取ってくれるのなら、スカウトしてやってもいい。あとは、そうだな……今回は全体的に、優秀なヒーローが多いから全員スカウトしてもいいかもしれねぇな。マフィア相手に死者が出ないなんて大したもんだ」


正確には、俺を含む何人かは、何度か死んでいるのだが。

まぁ、それでも彼らが強くて優秀なことには変わりない。

だてにヒーロー試験を合格したわけじゃない。


「ヒュ〜! ヒーローの皆さん、聞きましたか? キミ達はもう内定が出たも同然ですよ! フォーゲル社長も太っ腹ですね! それではここで、視聴者の声を見てみましょう」


今度はスクリーンに、SNSでバズっている投稿が表示された。



【視聴者の投稿一覧】

@JakeTheRunner_92 さん

『パチパチガールちゃん、マジ可愛いすぎる。クソ構成員(ソルジャー)ちょっと俺と変われ! 俺がパチパチパンチされたい!』


@mike_in_texas84  さん

『これ、今日で本当にクライムファミリー潰れるんじゃね?』


@brooklyn_dreamer7  さん

『カマキリ蜘蛛女、キモすぎて吐きそう。なんで産卵シーンあんのに生放送されてんの?』


@chicago_joe_X  さん

『アンダーボス倒すとかマジで忍者何者だよ』


@the_real_tyler99  さん

『ジョセフはパスタ食べないの?』


@westcoast_kayla  さん

『マントマンのセリフが、テンポ良すぎて頭から離れない。ヒラリヒラリとマントマーン!』


@hailey_journal_17  さん

『ところでトニー・トッコは、アンソニーとヴィクトリアのどっちに食われるんだ?』




「…視聴者の意見はご覧のとおりです。皆さんの注目はクライムファミリーに集まっていますね。ここで、クライムファミリーのボスであるジョセフ・ゼーリックさんにお話を伺いましょう!」


司会者、正気か?

下手したらそのまま殺されるぞ。

俺の心配をよそに、司会者はジョセフの側へと寄ってマイクを向けた。


「ジョセフさん、構成員(ソルジャー)幹部(カポ)も、全員ヒーローに捕まってしまいました。残りは貴方ただ1人ですが、今の心境をお聞きしてもよろしいでしょうか?」


そこまで煽って、本当に大丈夫なのか?

もしかしたら司会者は、ボス以外全員捕まったことでジョセフを舐め切っているのかもしれない。


これには流石のジョセフもブチギレるかと思いきや、彼は落ち着いた様子でマイクを受け取り、不敵な笑みを浮かべた。


「今の心境だ? そうだなぁ……控えめに言って絶対絶命だな。アンソニーや、あのヴィクトリアがやられるとは正直、思ってもみなかった」

「確かに、それは視聴者も同じ意見だったと思います」


「だよな? こっから俺1人で形勢逆転するには、どうすれはいいんだろうなぁ? なぁ、AIPhone。教えてくれや」


ジョセフは懐からAIPhoneを取り出して軽く投げると、AIPhoneは近未来的な服装をした蛍光色の髪を持つ女性へと姿を変えた。


AIPhoneの女性はおでこに六角形の結び目のようなマークを浮かばせると、淡々と話し始める。


「なるほど、それは大ピンチですね。ですが、まだ打つ手はあります。ジョセフさんが事前に用意していた()()を見せてみてはいかがでしょうか?」


「そいつはいいな。おい、AIPhone。アレを出してくれ」


するとAIPhoneの女性のおでこにあるマークが変化し、ビデオカメラのような形になった。

と同時に、彼女の目から広がるように光が出てきた。

2つの目から出る光が交わる先に、横長の四角い映像が映し出されている。

その映像には、倉庫のような場所で縛られている老若男女数人の姿があった。


「こ、この人達は、一体……!?」

「人質だ。見て分からねぇか? ヒーロー共が捕まえた仲間全員を今すぐ解放しろ。そしたらコイツらの命だけは助けてやる」


さっきから妙に落ち着いていたのは、人質(これ)があったからか?

その映像を見た司会者や審査員、観客やヒーローまでもが息を呑んだ。

だけど残念。

人質は無意味なんだよなぁ。


「ふふ……おっと、失礼」

「あ? テメェ、何がおかしい?」


思わず笑い声を漏らすと、ジョセフは怪訝な顔で俺を睨んだ。

仕方ない。ネタバラシをしてやろう。


「ジョセフ殿、爪が甘いでござるよ。忍法・変化の術!」


すると映像に映っていた人物は、全員、俺の姿に変わった。いや、戻ったと言うべきか。


「なっ!?」


予想だにしない光景に、ジョセフは開いた口が塞がらない。


「この会場に来る前に人質を準備していたことは、全てお見通しでござる。それ故、ジョセフ殿が会場に来られている間に、気付かれぬよう人質を拙者の分身と入れ替えたので(そうろう)


人質が無事だと判明した途端に、会場内の張り詰めた空気が瞬時に和らいだ。

そんな空気とは対照的に、ジョセフは眉間に皺を寄せ、歯を食い縛る。


「さぁジョセフ殿。どうするでござる? 大人しく降参するでござるか?」

「あぁ〜……鬱陶しい野郎だ」


ジョセフは重い腰を上げるように、立ち上がった。

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