表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花束を持って、君と  作者: 雲雀ヶ丘高校文芸部
37/436

2話-9

「やーまーと」

 上原さんは料理を持って奥のテーブルにむかった。そこは羽月さんや、同じクラスの倉多さんがいる班だった。

 上原さんは料理を持った皿を見せながら何か云ってる。班員たちは皆笑顔で何かを了承した。そして深いお皿を二枚取り出し、そこに自分たちの料理をすくう。ああ、料理の交換を提案したのか。

 そのまま上原さんは手ぶらで、後ろから背の高い男性が両手に深皿を持ってこちらに戻ってくる。男性の服装はとても個性的で、エプロンがミラーボールみたいにキラキラ反射していて、真ん中にピンクとイエローで描かれた猫の様なキャラクターが、花束を持って英語で何か叫んでいる。花束は立体になっていて、エプロンとして正しいのだろうか。バンダナは同じ様にミラーボール仕様で、ピンポン球を先につけた様な触覚が二本生えていた。

「ただいま~。あっちポトフ作ってたから交換してきた」

「水谷さん、その恰好どうしたんですか?」

「あ~いや、これはな」春日野さんが男性から深皿を受け取り、上原さんが男性のバンダナやエプロンを外す。

「さっき修弥が持ってきたくだらない衣装じゃない。着ないんじゃなかったの?」

「真央が食材を切る担当じゃなかったらそうしたんだが、あの目で見られながら包丁を握られてはな」男性は振り返り、羽月さんが包丁を握ったままこちらを見ているのを確認して、またこちらを見た。「修を俺に取られるんじゃないかと、猫みたいに目を光らせてるからな」

 男性の名前は水谷大和さん。上原さんの彼氏で、羽月さん、倉多さんと同じ中学だとか。だから上原さんがあんなにあっさりあちらの班に向かったのか。納得できた。

「それで、修が真央のご機嫌とりをする代わりに、俺があいつの持ち込んだ衣装を着る羽目になって……くそっ。またやられた」

「そっか、でもこのままだとご飯食べれないから、私も一緒に説明してあげる。みんな、先食べといて」

 上原さんと水谷さんは羽月さんの所に行って、彼女と指切りをしていた。隣で倉多さんがお腹を抱えて笑いながら何かを喋って、上原さんから怒られていた。

 いただきますをして、私たちは食べ始めた。いただいたポトフも充分に美味しかった。

 私は春日野さんを見た。春日野さんは四人を少し羨ましそうに見てた。

「ねぇチョコ。チョコはあっちに行かないの?」

「……あの四人には独特の雰囲気があるので。それに、他の三人はまだ話せるんですが、あとの一人は悪魔です。悪魔とはあまり関わり合いになりたくないです」ブルブルと震えている。よっぽど倉多さんと何かあったのだろう。

「そう……」

 まもなく上原さんが帰ってきて、皆の輪に加わった。あちらも私たちの料理が気に入ってくれたと話してくれた。

 自分たちで作った料理は美味しく、私たちはこの時間を大いに楽しんだ。料理が余ったので、少しいただいて冷蔵庫にしまった。また帰りに持って帰る為に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ