2話-10
昼休みも終わりに近づき、名残惜しかったけど、「また来週」の言葉で私たちは別れた。そのまま放課後になり、料理研究会に少し顔を出し、帰り際に冷蔵庫から実習で作った料理を取り出して、鞄にしまった。
せっかく十二支に選ばれたのに、お腹を空かせている兄弟たちの晩ご飯の支度で早く帰らなければならない。あまり役に立てない私を、先生や先輩方は優しく送り出してくれる。同学年の部員たちもニコニコと私を責めないでいてくれる。本当にありがたい。
商店街で買い物を終えて、帰り道の途中にある公園に寄った。ベンチに座って日が長くなったなと夕焼けを見ながら思い、たまには自分へのご褒美と買った缶ジュースを飲んだ。
なんとなく月末の対戦の事を考え始めて、自分が何の対策も考えていない事に気づいた。雪を溶かすには、お湯をかけるのだろうか? 雪の量は? コートはクリーニングに出したままだっけ? 様々な疑問が頭をよぎり、スマホを取り出して調べ始めた。お湯で溶かすと翌日ツルツルに固まって、転び易くなるのか、成程。調べる事で知識は溜まっていくが、実際に行動した時そんなにスムーズに動けるのだろうか。
下ばかり見ていたので首が痛くなってきた。画面も暗くなってきたので顔をあげると、双華が歩いていた。「お姉ちゃん!」
「双華。今日は陽翔くんは?」
「陽翔は野暮用。どしたの? 公園のベンチに腰掛けちゃって。」
「自分タイムよ」
「自分タイム?」
「こうしてね」私は飲み終えたジュースの空き缶を持ち上げた。「たまには一人でいる時間も必要でしょ?」
「お姉ちゃんには必要かもね。よっと」双華がスーパーの袋を持った。「これ持つよ。お姉ちゃんお疲れでしょ」
「あなただって荷物あるじゃない」
「ヘーき。ほら、帰ろ」」
私が立ち上がるのに双華が手を貸してくれて、夕焼け空をバックに私まちは家路へと歩いた。




