僕の過去、そしてイマ
-佐野万輝-
僕は、また逃げるように家に帰ってきた
毎日、僕は誰かの目から、言葉から行動から逃げて生きている
なにもかも、みんなが辛い思いをしないように…
この思いは僕だけが知っていたらいいんだ…
僕には家族がいない
10年前、家族で旅行に行ったときに交通事故に巻き込まれ、父さん、母さん、兄ちゃん、妹がこの世を去った
僕は一人残された…
交通事故の車の中には僕もいたのに、僕だけ生き残り、僕だけ楽しく生きている…
ぶつかったトラックの人は居眠り運転をしていて、その後亡くなった…
僕に遺されたのは、家族みんなで暮らしていた家とみんなで過ごした空間、兄妹3人で遊んだ部屋、両親の寝室、僕たち3人で寝ていた寝室…
『楽しいことしか浮かんでこない家に独りでいるのは…寂しい、辛い。苦しい、悲しい、怖い…』
『僕を独りにしないで、みんながいないと…僕はなにもできないし、生きている事さえもできないよ………』
家族を亡くしてもう10年、ずっと思い続けていて余計に苦しい思いをしたのが中学生の時
学校中の人たちから拒否された時は寂しさで押し潰され、死にたくなりそうで…
そんな時に那月くんからの身体の関係…
僕にとっては嬉しかったけど、好きな人ではない寂しさ、それでも続けたのは、心の寂しさを埋める為のものだ
那月くんには感謝している
僕の心を支えてくれたから
高校生になる前、僕は中学を卒業したら就職希望だったが、誰か分からないが、僕に高校を行くよう勧めてくれた人がいた
その人は未だ分からない…でもね、僕はその人に言いたいんだ
あしながおじさん、ありがとう!
高校はそんなに楽しくないけど、また翔月、幸くんに再会できたのは嬉しかった
もし高校に通わなかったら、こんな事は起きなかっただろうし、巡り合わせてくれてありがとう
僕はそんな事を思いながら、家族みんなが好きだったボカロ曲の『39』を独りで歌っていたら、呼び鈴が鳴った
僕はルンルンで玄関まで行き、ドア開けた
そこには翔月、那月くん、幸くんが立っていた
万輝 「どうしたの?みんな」
皆 「お前/万輝が心配で来たの!」
僕は驚いて、三人にこう言った
万輝 「ごめんね、心配かけて…」
僕は三人に謝った
息が上がるくらい必死に走って来てくれた三人に僕から感謝の言葉を…
万輝 「那月くん、翔月、幸くん、ありがとう」
三人は笑顔で返事をしてくれた
それだけで嬉しかった
家族がいなくなってから、僕は笑顔だけは絶やさなかった
家族が好きだった笑顔を
泣きたかったけど、無理にでも笑顔だった
中学生の時に笑顔を無くし、絶望を味わった
高校生では、笑うことや全部のことをも無くなった
正直、こっちの方が僕には良かった
家族が居ない日々を、泣けないままでいて、無理をしたのだから……
でも、那月くん、翔月、幸くんと再会して
僕は笑顔を取り戻せた
それが今一番、
楽しく、嬉しいと感じる現在だ
これで、僕は自由だよね?
お父さん、お母さん。
これで、僕にも愛が溢れるんだよね?
純お兄ちゃん、自由




