二十一話
ただ単に無線LANが壊れていただけでしたとさ。めでたし、めでたし…そんで、新しい無線LANを注文しました。いぇい。二十一話目です。
コンラート曰く、仕事は早速明日から始まるらしい。下の兵や、下士官、将校ももう憲兵隊の配属が決まっていて、指揮官のみが補欠状態だったらしく、こうやって適任者(適任者とは?)が見つかって、良かったという。
ついでに、コンラートは21歳で国境部隊の中隊長をやっているとのこと。つまり、大尉(陸自基準一等陸尉)。俺よりも若いのに大尉って、エリートじゃん。
オースは、元は王都守護大隊の分隊長、実質小隊長の時に、最前線に自らの意志で派遣し、功を立てたため、すぐに進級できたっぽい。
ますます俺って本当にこの役職にいていいのか疑問を抱いてきた。でももう、決まったことだし、仕方がない。明日からの仕事に頑張るしかない。
後から聞いた情報なのだが、やはりこの国にも将校学校は存在していて、下士官学校も存在する。あと、徴兵制度をのっとっている。
一年半の軍役。階級も元の軍とほぼ同じ。違うところは准士官階級。二等准士官と一等准士官が存在すること。
「しかし、明日からかぁ。憲兵隊なんてやったことないんだけどなぁ。一応軍規手帳ももらったし、必死に覚えるか」
さて、軍規手帳を読んでわかったこと。元の軍と全く一緒。そもそも、軍規はだいたいどの国も似ているのだが、これほど見事に一致するとは、ご都合主義?
俺は、食事の時以外は部屋にこもって軍規を覚えた。ちゃんと覚えてないし。あと、メイドさんが俺のサイズ測っていった。なにやら軍服を調達するために測ったと、さ。
この国の軍の軍服ってどんな感じかな?俺の軍服姿にもおかしく思わなかったぽいし、だいたい似てるのかな?
おおよその軍規を覚えた俺は、久しぶりに暗記に頭を使ったからか、疲れてしまった。うん、寝よう。出勤の時間に起こしてくれるって言ってたし。
ベッドに横たわり、布団の中に身を入れ、眠りに落ちてゆく。
そこは、戦場だった。俺は銃を敵に構え、ただひたすら引き金を引いた。弾が切れればすぐに再装填し、また撃つ。残弾が切れれば拳銃で対抗し、それもなくなれば手榴弾をなげ、それもなくなれば、銃剣を敵に刺した。そのあと、敵の武器を奪い、再び引き金を引く。
敵を倒していく間に、俺も銃弾を体に撃ち込まれる。それでも俺は攻撃、いや、抗った。味方など、抗うこともできず、ただ、俺の目の前で散っていった。頭を撃たれたり、腕や足が千切れたり、腸が飛び出したり。頭を撃たれるなんて、まだマシな方だ。腕や足が千切れたり、腸が飛び出したりすると、だいたいがすぐには死ねない。大量の血を流して、苦痛に声を上げ死んでいったりする。死にはしない傷を負った者だって、治療ができず、そのまま傷が感染して、そこからどんどん体が腐っていく。ひどい場合は、これが数週間は続く挙句に死ぬ。
ただ、そうやって死んでゆく者、敵、味方問わずに、一つだけ共通していたことがある。皆、死際に、母さんを探す。手足をなくした者も、腸が出た者も、傷を負った者も、俺の手によって命を奪われた者も。
全方向から自分の親を探す声に囲まれた時、俺は夢から目覚めた。
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