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IFエンド 【凛ビターエンド】イベント「病室の凛とひより」

 なんとか、美羽の処置が間に合い、凜ちゃんは助かった。


 保健室のベッドで横になっている凜ちゃんの顔を見て、ようやく息ができた気がした。


「凜ちゃん」


「はい」


「ごめんね」


 凜ちゃんは少し驚いた顔をした。


「どうして先輩が謝るんですか」


「だって、私が一緒に行かなかったから」


「関係ありません」


「でも」


「先輩は悪くありません」


 凜ちゃんは、はっきりと言った。


「嫌なことを嫌だと言っただけです。それで先輩が謝る必要はありません」


「そっか」


「はい」


 少しの間、二人とも黙った。


 凜ちゃんが天井を見ながら言う。


「なんだか、この状況、懐かしくないですか?」


「そう?」


「……そっか」


 凜ちゃんは小さく笑った。


「先輩は覚えてないですもんね」


「何を?」


「じゃあ、未来の話です」


「未来?」


「深く気にしないで聞いてください」


「分かった」


 凜ちゃんは少しだけ私の方へ顔を向けた。


「未来で、先輩が入院したことがあります」


「私が?」


「はい」


「大丈夫だった?」


「今、それを先輩が聞くんですか」


「気になるから」


「……先輩らしいです」


 凜ちゃんは笑った。


「そのとき、私は毎日先輩に会いに行きました」


「毎日?」


「はい」


「すごいね」


「すごいのは先輩です」


「私?」


「先輩は、一度も弱音を吐きませんでした」


 凜ちゃんの声が少しだけ柔らかくなる。


「いつも私の話を聞いてくれました。私が落ち込んだら励ましてくれて」


 一度、言葉を止める。


「時々、抱きしめてもくれました」


「そうなんだ」


「はい」


 凜ちゃんは私を見た。


「私は、そんな先輩が大好きです」


 私は何も言わなかった。


 代わりに、ベッドの上に置かれていた凜ちゃんの手へ、そっと自分の手を重ねた。


 凜ちゃんの指が、少しだけ動く。


 その手を、私はぎゅっと握ったのだった。

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