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守旧派は金で殺す、攘夷派は理で殺す。――幕末に転生した効率厨サラリーマン、内戦はコスパが悪いので和算と裏金で歴史を書き換える  作者: 関沢賢吉


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 天下三分の計。かの諸葛亮孔明が授けたとされる案。どっちかについて、どっちかを先導してとか、立ち回り方とか色々考えたけど、どうもしっくり来ない。幕府内抵抗勢力。これが一番しっくりくる。守旧派、革新派、攘夷派の三つ巴。


 うん、結局今までと変わらない。ただ、俺の中の覚悟が決まった。守旧派及び幕府本体は金で殺す。財政破綻をしてもらう。攘夷派は理で殺す。極力血は流さない。これで行こう。


 この調所にいて思うのは、これだけ賢い人たちの名前が、マンガ日本の歴史に出てこないのはなぜか、ってことなんだ。①単に俺の知識不足。高校日本史レベルなら出て来るけど、俺がやってないから知らないだけ②歴史の敗者側だった③和算のように明治期に廃れた④アピール不足。この中のいずれか、もしくは複合要因なんだろうけど。申し訳ないが、勝様や佐久間氏よりも、以前調所に在籍してた長州の吉田さん、越前の橋本さん含め、よっぽど箕作様や友さんなど、ここにいる人たちの方が知性を感じる。ま、好奇心旺盛さだけは、佐久間氏は異常なほどだったけど。それなのに名前が知れ渡ってないのは勿体無い。


 江戸の調所で今学んでる人の中に、吉田さん推薦の高杉晋作もいた。ダメなんだよな。大河ドラマの主人公になるレベルなら何となく分かるんだけど、必ずいる脇役ほどドラマによって描かれ方が違うから、人物像も掴めない。色んなイメージに引っ張られる。吉田松陰、高杉晋作は長州の指導者、尊王攘夷思想を長州に植え付けてどっかの戦艦に喧嘩売った。その一方で伊藤博文とかを留学させてたはず。点は分かるけど線が見えない。同じく薩摩藩も戦艦に喧嘩売ったはず。薩摩と言えば当然出てくる西郷と大久保。そしてその間を取り持つ武器商人の坂本龍馬。よし、そっちは先回りして機会を潰そう。


 生麦事件から端を発した連想ゲーム、締めは各国公使館にて確認、打ち合わせ。フランス、ロシアは通訳してもらってだけど。4ヶ国語、5カ国語を操るなんて、俺にはもう無理。ギブアップ。アメリカ行きの熱狂の真ん中にいたのに「行かない」選択をしたこの人たちもまた、やっぱり変態。


 まず俺がやったこと、それはデモンストレーション。各国公使を連れて、下田で友さん設置のライフリング加工の大砲を発砲。飛距離と射程の正確性を見てもらう。ペリーに対してやったことと一緒。その流れで改めてお願い。各藩と勝手に取引しないでねって。皆さん流石は軍所属。素直に分かってくれて嬉しいよ。一応釘刺しも忘れずに。下田の出島以外は立ち入り禁止区域だから、当然あの大砲を見に行ったりしようもんなら、問答無用でしょっぴくよ。不法侵入として処理するからね。そこまで首を縦に振りまくらなくても大丈夫。ムチウチにならないように気を付けて。


 その上で、君らが条約を結んだ幕府を親だとすると、各地の藩は子供みたいなもの。親の言うことを子供が必ず聞くわけじゃないよね?子供が勝手に喧嘩しても、親は出て行かない。でも、何もしてない他の子に勝手に手を出したらそれは怒る。あと、再度言っておくけど、子供に殺傷能力あるおもちゃを勝手に与えたのが分かったら、それも敵対行為と看做すよ。特にオランダ気を付けてよ。商船が長崎で型落ち軍用品を売り捌いても同じことだからね。OK?これが幕府としてのスタンス。よろしく。


 そこから大砲を売ってくれ、いくらでも買うなんて話になったけど、最新鋭の軍事機密を売ってくれる国あるの?それなら考えるよって言ったら黙ってくれた。どこの国だってそうだよね。軍のトップがここに居たって、絶対にイエスとは言えない。


 はい、足固め完了。次、守旧派。こっちは手紙一つで終わるから簡単。手紙を書いた。「『外国人に乱暴狼藉を禁止。報復されても幕府は守らない。もちろん、外国人が国際法上の犯罪行為を犯したならばそれは不問』ということを各藩に通達しろ」。これが守旧派に出した条件。それと同時に商人たちに対しては、守旧派に対しての商売を解禁。ここから先はお願い。守旧派に対して高値付けれるよね。例えば定価の2割増で売ったらさ、その半分、1割分を譲って欲しいな。別に義務じゃないからね。お互いの利益を最大化するために、協力してくれたら嬉しいなってくらいのお願い。


 商人はこれで察してくれる。いわゆる組合費みたいなもん。じわじわと体力削ってやる。別に組合費が欲しいわけじゃない。こっちから見たら、あっちはそういう対象なんですよっていう、明確な区分けをさせるのが目的でしかない。ま、商人のネットワークに広まるのは早いだろうね。オバサマたちの噂話ばりに。


 横浜を通じた商売も活性化して来てるから、今度は自主関税を導入しよう。俺の儲け方の源泉は平成令和のグローバリズムの感覚と営業として培った感覚。それだけだ。幕府が取れると思ってないもの、それで貯める。出してないのは聞かれてないから。だから、きちんと帳簿も付けてる。物の出し入れそれぞれに20%ずつで良いか。計算ラクな方が良いし。通訳手数料だと考えれば安いもんだろ。商社兼倉庫を作ろう。作ろうと言うか、誰かやってくれる人いないかな。商人さんたちに相談しよう。と言うか、これを商人集めて権利のオークションだ。商売で一番強いのは、稼いだヤツじゃない。仕組みを作ったヤツだ。俺はその仕組みを売ってやる。


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