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守旧派は金で殺す、攘夷派は理で殺す。――幕末に転生した効率厨サラリーマン、内戦はコスパが悪いので和算と裏金で歴史を書き換える  作者: 関沢賢吉


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 アメリカ軍艦が輸入品を積んでサンフランシスコからやって来た。こっちはこっちで蒸気船完成しちゃった。途中まで作ってた大型帆船そっちのけで。しょうがないから帆船の方はオークションで多少の金にしたさ。「理論上、樺太、琉球まで行けるはず。和製黒船で忙しくなったから、こっちを続けるヒマも手間もない。職人さんたちがノウハウあるから、欲しい人いるなら」って。売れたよ。そこそこの金にはなった。プラスにはなった。でも、直ぐに消えた。黒船に食われた。絶対言えない。中途半端な状態で売りに出した理由は「飽きた」からだなんて。しかも俺を含めて全員が、親方から「あの途中で止まってるデッケー船どうする?」って言われるまで忘れてすらいただなんて。


 とりあえず琉球まで行き、琉球から樺太の寄港地の様子見、樺太から横浜へと帰って来た。アメリカ軍艦と一緒に。無事帰って来た。俺は船酔いがイヤだからお留守番。勝様がアメリカまで行くと言い始めた。これ知ってる。現実逃避のヤケだ。でも、この人が行くなら幕府から金が出る。ダメ元で処女航海の燃料費請求したらあっさり出た。ラッキー。


 勝様が艦長となり咸臨丸と名付けられた。見覚えのある名前。誰が行くかで揉め始めた。幕府側から勝手にリストアップされた人がメイン。あと10人強が行けるらしい。使えるか使えねーか分からん、言葉も分からん人間行かすくらいなら、ここの人の枠増やした方が良いのにって勝様に愚痴ったら、枠がちょっとだけ増えた。20人。それならということで、行きたいって言った人誤魔化して全員乗せちゃった。海に出ちゃえば降ろせないし。片道2ヶ月くらいの予定。最低4ヶ月。頑張れー。湾の中でしか訓練してない人多数だけど、大丈夫かな?航海に関しては友さんがいるから大丈夫だろうけど。


 友さんの家の居候なのに、家主はアメリカに出掛けた。良いの?友さんも奥さんの津多さんもOK出したから居候続けてるけど。津多さんの俺に対する印象が異常に高い。理由を聞いたことがあって、普段必要以上に物静かな友さんが、俺の話をする時だけはあからさまに機嫌が良かったらしい。横浜に来てからは人が変わったようだ、とまで言っていた。


 うん、分かる。必要以上に話さない友さん、容易に想像出来る。何なら必要なことすら話さず、書斎に籠って研究してそうだもん。「美しい」と「藤二」が繋がる意味が分からないけど、とりあえず楽しそうにしてるから良いかって思ってたって。まあ分からんよね。ホントに良くしてくれる。若干、前世の嫁さんを思い出させる雰囲気があるからなのか、落ち着く。


 あとは、着々と「知のマネタイズ」を進めてる。やっぱりどの国も、数学書と数独の食いつきが良い。オランダと話し合い数独の独占販売を取りやめて、咸臨丸にも積んでった。そしてこちらから見れば、数学書は昔からある和算書が原本だから仕入れ原価が安い。それを翻訳すれば一気に高値。異常なほどの錬金術。そのために、フランス語とロシア語マスターしてって言ってるところある。一冊だけ解法書いて、あとは本国で解法は印刷してってほぼ白紙。でも売れる。数独もオランダと同じく、原本まんまと文字対応表つけて売りまくり。ガッポガッポです。その金がなければ、土地の賃借料に手をつけなきゃいけないくらい、試作に金掛かった。ほんとこのタイミングで英仏露の3カ国が来て、儲けさせてくれて助かった。


 商店も色んなところが横浜に支店を置いてくれた。横浜に店開くなら、分かってるよね?って一応聞いたら過剰反応をしてくれてる。おかしいな、俺は聞いただけで具体的指示は出してないのに。公使館も同じ。1カ国独占だといろいろと都合の良いこと吹き込まれて、信用した結果損することもあり得るけど、言葉が違う国々が5カ国も集まってくれると、「あっちでこう聞いたけどホント?」ってすぐ確認出来る。良い感じに牽制し合ってくれてる。談合しない限りは大丈夫だろう。そして、談合出来るほどの相互の語学力は高くない。むしろこちらの語学力が異常。あと、藩って分かりにくいから、わざと誤認させておいた。


 「これまであったかなかったかは知らないけど、公使館をここに置いた以上、貿易の窓口も横浜になるからね。ここを通さない貿易、特に武器関係、それは契約違反とみなすよ。島国だからね、どっからどう見えるか知らないよ」って、公使館オープン記念の挨拶の時にキチンと言っといた。


 どこかの国を特別優遇はしない。オランダには多少の融通は効かせるけど。動き方一つで自国「以外」が優先される可能性はあるよって。実際の監視はできないけど、せめて相互監視くらいは機能させたい。まあ、一度言葉が通じる貿易を覚えたら、儲かる可能性があるからと言って、言葉の通じない所に行くとは考えにくいとは思うけど。人間一度ラクを覚えると易きに流れる。それはいつの時代も洋の東西も関係ないだろう。


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