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万能「村づくり」チートでお手軽スローライフ ~村ですが何か?~  作者: 九頭七尾
第五章

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第496話 手応えあり、でござる

 浮遊島に発見した要塞。

 僕たちはその内部へと足を踏み入れたのだけれど、そこには侵入者を排除するため様々な仕掛けが待ち構えていた。


 とはいえ、こちらはセレンやゴリちゃんを筆頭とする、村の精鋭チームだ。

 それらの仕掛けなど、余裕で突破していく――


「天井が落ちてくるわ!?」

「ああんっ、落とし穴よぉおおおおおおん!?」

「み、水攻めだ!」


 ――と思いきや、割と苦戦させられていた。


「あの塔のときは、先導役のリンダさんや『迷宮探索』のカムルさんがいたからね……」


 今日のメンバーは全員が戦闘特化タイプだからなぁ。


「嗅覚には自信があるんだが、トラップはあまりニオイが分からず……」

「生憎と私の黒魔法も探索にはあまり役立たぬのだ……」


 ガオガルガさんとビビさんが申し訳なさそうに言う。

 もちろん要塞内には魔物もいた。


「「「グルアアアアアッ!!」」」

「ガーゴイルよ!」


 一見すると彫刻にしか見えない翼を有する怪物が、いきなり動き出して襲いかかってくるのだ。

 石のように硬い身体は防御力が非常に高そうだけれど、


「「「ギャッ!?」」」


 あっさり瞬殺された。

 うん、魔物相手にはめっぽう強いメンバーだからね。


 さらに要塞内には鍵のかかった扉がたくさんあって、特別な仕掛けを解除しなければ、扉が開かないようになっていた。

 頭を使う謎解き要素のある仕掛けで、これにも苦戦させられることに。


 例えば光の反射パズルなどだ。

 天井から差し込む光を、設置されている鏡を駆使することで反射を繰り返し、特定の場所に光を当てるといったものである。


「分かったでござる! この鏡をすべて壊せば扉が開くのでござるな!」

「やめて絶対壊さないで!?」

「むしろ面倒だし、扉ごと壊してしまおうぜ!」

「チェリュウさん!?」

「おらあああああああああっ!」


 ドオオオオオオオオオンッ!!


「ちっ、思ったより硬ぇな。だが何度かやってれば――」


 パカッ。


「――へ? ぬおおおおおおおっ!?」

「チェリュウさんが落とし穴にいいいいいいいっ!?」


 どうやら強引に突破しようとしたらトラップが発動するらしい。


「思ったより高難度の遺跡ね!」

「そうねぇん。魔物は弱いけれど。あ、またガーゴイルよぉん。ふんっ!」


 僕たちはなかなか前に進むことができなかった。

 落とし穴に落ちて戻されたり、天井が迫ってきて一時撤退したりと、何度も同じ場所を行ったり来たりしているのだ。


「えーと、僕のマップ機能でだいたい内部構造が把握できたし、瞬間移動を駆使してゴールまで行ってしまってもいいけど」


 とはいえ、もうこうなったら攻略は遅かれ早かれなので、僕はそんな提案をする。


「何言ってるのよ! そんなつまらない方法で攻略したって、面白くないでしょ!」


 ……怒られた。


「でも今日のところはいったん村に帰りましょう。瞬間移動を使えば、すぐにこの場所に戻ってこれるわよね?」

「う、うん、できるけど……そこは瞬間移動に頼るんだ」


 だいぶ日が暮れてしまったので、僕たちは一度、村に戻るのだった。






 何度もトラップに引っかかりつつも、地道に攻略を続けること、数日。

 ようやく要塞の最奥へと辿り着いていた。


 広大な空間に場違いのような檻が置かれていて、その中に人影があった。


「っ……人がいるわ!」

「若い女性のようねぇん」

「こんな場所にでござるか……?」


 みんな驚いてるけど、完全に予想通りだよね。


 金色の髪の美女だ。

 すぐ傍に突き刺さった剣は見事な意匠が施され、その身を包む鎧は神聖な騎士のようだ。


「見た感じ、とても真面目そうだけど……」


 ミランダさんは一番のトラブルメーカーだと断定していたけど、そんなふうには思えなかった。


 と、そのときだ。

 高い天井から巨大な何かが降ってきた。


「「グルアアアアアアアアアアアアアアッ!!」」


 ガーゴイルだ。


 ただし、これまでに遭遇してきた個体とはサイズが段違いで、全長五メートルはあるだろうか。

 頭部が二つあり、背中の翼は三対六枚、さらに臀部からは尾が三本も伸びている。


「ただのガーゴイルじゃなさそうねぇん!」

「ツインヘッドのガーゴイル、面白そうじゃねぇか!」

「気を付けろ。恐らくこれまでのガーゴイルとは桁違いの強さだ」


 ゴリちゃんが筋肉を膨れ上がらせながら構え、チェリュウさんが獰猛に嗤い、ビビさんが注意を促す。

 一方の双頭のガーゴイルは、左右そろって口を大きく開けた。


「「「ブレス!?」」」


 ゴオオオオオオオオオオオッ!!


 吐き出されたのは炎と冷気、二種類のブレスだった。

 みんなが慌てて回避する中、双頭のガーゴイルは六枚の翼をはためかせて猛スピードで躍りかかってくる。


 真っ先にターゲットになったのは、アカネさんだ。


「ふんっ! 拙者を狙ったのが運の尽きでござるな! 返り討ちでござるよ!」


 アカネさんは意気揚々とそう宣言すると、迫りくるガーゴイルを前に自らも距離を詰めていく。

 だ、大丈夫かな?


「せえええええええええいっ!」


 裂帛の気合と共に刀を振るい、ガーゴイルと交錯する。


「手応えあり、でござる」


 アカネさんが呟いた直後、ガーゴイルの巨体に一本の線が走ったかと思うと、ゆっくりと双頭が左右にズレていく。


 ずうううううんっ!


 やがて真っ二つになると、盛大な音を響かせながら倒れ込んだ。


「アカネさんが……活躍した!?」

「いえ、違うわ」

「え、違うの?」


 首を振るセレンの視線を追った先。

 そこにいたのは、先ほどまで檻の中にいたはずの金髪女性だった。


「危ないところでしたね」


 どうやらガーゴイルを一刀両断したのは、彼女の方だったらしい。


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きねづか
5月8日発売!!!
― 新着の感想 ―
>そうねぇん。魔物は弱いけれど。 普通はその魔物で十分苦戦するんだよ・・・。
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