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万能「村づくり」チートでお手軽スローライフ ~村ですが何か?~  作者: 九頭七尾
第五章

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第493話 7勝0敗なんて誤差の範囲なのだ

 村をブレスで攻撃しようとした青いドラゴンは、村人たちの反撃に遭ってボロボロだ。

 そこへドーラが訴えかける。


「悪いことは言わぬから、今すぐ降伏するのじゃ! 戦ってみて分かったじゃろう! こやつらは普通の人間ではない! このままでは美味しく料理されて食べられてしまうぞ!」

「~~~~ッ」


 食べられると聞いて、青いドラゴンが明らかに狼狽え出す。

 そして見る見るうちにその巨体が縮んでいって、


「わ、わ、わ、吾輩っ、食べても美味しくなんてないのだあああああああっ!」


 気づけばドーラと同じくらいの大きさの幼女の姿になっていた。

 青い髪には立派な角が生えていて、お尻には尻尾がある。


「あら、かわいい子ねぇん♡」

「髪色が私と被ってる……」

「氷系統のドラゴンのようですからね、姉上」

「……食べづらく、なった」


 ノエルくん、ドラゴンが人化しちゃった今、違う意味にも聞こえちゃうからやめようね。


「君も人化できるんだ」

「こ、これくらいは当然なのだ! なんたって、吾輩は古竜なのだ! そ、そんなことより……た、食べるというのは本当なのだ……?」

「大丈夫。食べたりなんてしないから」


 よっぽど怖かったのか、青いドラゴン幼女は深々と安堵の息を吐いてから、


「おい、お前! 脅かさないでほしいのだ! よく考えてみたら、お前だって食べられていないのだ!」

「……今はまだ、な」

「えっ……」


 僕は苦笑する。


「大丈夫だって。それより、君はドーラと知り合いなの?」

「そんな生易しい関係ではないのだ! 吾輩とそいつは、終生のライバルと言っても過言ではないのだ!」


 ドーラがすぐに否定した。


「何を言っておるのじゃ。お主が毎度毎度、一方的に突っかかってくるだけじゃろう。しかもそのたびに返り討ちにしてやっているのじゃ。多分わらわの7勝0敗とかじゃぞ。そんなものをライバルとは呼ばぬじゃろう」


 青いドラゴン幼女は顔を真っ赤にした。


「た、確かに勝差はついてしまったが、どれも互角の戦い、勝敗は僅差なのだ! なので7勝0敗なんて誤差の範囲なのだ!」


 ……ちょっと無理のある主張だと思う。


「それなら今ここで八度目の戦いをして、今度こそ吾輩が勝ってみせるのだ! この日のために、吾輩は密かに特訓を積んできたのだ! 前回までの吾輩とは違うのだ!」


 眦を吊り上げ、髪の毛を逆立たせながら今にも躍りかかろうとする青いドラゴン幼女。

 この姿のままで戦うつもりかな?


 そんな青いドラゴン幼女の要求を、ドーラは、


「嫌じゃ」


 やはりあっさり一蹴した。


「何でなのだ!?」

「わらわに何のメリットもないしの。何よりさっきも言ったが、今はこのりんご飴を食べるのに忙しいのじゃ」

「吾輩よりもそれの方が大事なのだ!?」

「当然じゃ」

「がーん……」


 青いドラゴン幼女はショックを受けたみたいだ。


「わ、吾輩は……寝ても覚めても……お前との再戦のことを、考えておったのだ……なのに……なのに……」


 悲しそうに下を向き、口をへの字に結んで涙を堪える様は、本当の幼女にしか見えない。


「え、何じゃ? まさかお主、泣くのか? 泣くのか? 古竜のくせに、泣いちゃうのか~?笑」


 一方のドーラはまるでいじめっ子だ。


「う、う、うわあああああああああああああああああんっ!」


 あ、泣いた。


「だって古竜の吾輩には動物も魔物も全然近づいてきてくれないし、こっちから近づいても一目散に逃げていくから、友達が一人もいなくて毎日とっても暇だし寂しいし、それくらいしかやることがないのだああああっ! なのにお前は吾輩のことなんて目もくれず、人間たちと仲良くして食べ物まで貰っているのだああああっ!」


 しかも地面の上に転がり、手足をブンブン振り回しながらの大泣きだ。

 二歳児の駄々っ子のようである。


 これにはさすがのドーラも申し訳なく思ったのか、


「ま、まぁ、とりあえず落ち着くのじゃ、な? わ、わらわも悪かったし……ほら、これでもあげるから。とっても美味しいぞ?」


 恐る恐るりんご飴を差し出す。

 青いドラゴン幼女は転がるのをやめ、それをジッと見つめた後、


 ぱくっ。


 被りついた。


 バリバリシャリシャリ。


「~~~~~~~~っ!?」


 その目が大きく見開かれる。


「う、うまあああああああああああああああああいのだあああああああああっ!!」


 絶叫し、りんご飴を一気に食べ尽くしてしまう。


「な、何なのだ、この美味しい食べ物は!? 口の中で甘みと酸味が爆発し、その相乗効果で全身を幸福感が駆け抜けていったのだ!」

「そうじゃろうそうじゃろう、美味いじゃろう」


 満足そうにドーラがうんうん頷く。


「りんご飴というのじゃ」

「りんご飴!? よくは分からないけれど、それが素晴らしい発明だということだけは分かるのだ! に、人間たちは、こんなものを食べているのだ!?」

「これだけではないのじゃ。他にも美味しい食べ物がたくさんある」

「な、なんだって!?」


 青いドラゴン幼女は愕然としたように、


「人間なんて、群れることしか能のない脆弱な生き物だとばかり思っていたのだ……」


 割とはっきり言っちゃうね。

 僕は苦笑しつつ、


「よかったら君も色々と食べていかない? ドラゴンの好物のワイバーン料理もあるしね」


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きねづか
5月8日発売!!!
― 新着の感想 ―
赤くなったり青くなってり。
どこぞの腹切り娘と同じようにデブりそうよね…
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