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刀

『廻天』


第十四話 持つべき刀


後検査。


予定変更。


カイ。


再び。


検査室。


「……。」


椅子。


座る。


センサー。


腕。


胸。


頭。


指。


また。


全部。


付けられる。


カイ。


「これさっきやったよね。」


榊。


「やりました。」


「じゃあ帰っていい?」


「駄目です。」


「ですよね。」


レン。


壁。


寄りかかる。


「諦めろ。」


澪。


端末。


見る。


「前回と同じ条件で開始します。」


カイ。


「もう眠い。」


シュウ。


『俺もだ。』


(お前寝れるの?)


『知らん。』


(適当だな。)


⸻


検査。


開始。


通常状態。


異常なし。


《感流》。


異常なし。


《観流》。


数値。


上昇。


それでも。


前と同じ。


榊。


「次。」


「内部人格。」


カイ。


「シュウ。」


『嫌だ。』


「また嫌だって。」


レン。


「今度は何でだよ。」


『眠い。』


カイ。


「眠いって。」


レン。


「人格にも睡眠あるのか!?」


澪。


「興味深いですね。」


シュウ。


『寝るぞ。』


カイ。


(待って。)


⸻


榊。


「今回は交代しなくて結構です。」


カイ。


「え。」


レン。


「いいのか。」


「目的が違います。」


榊。


画面。


見る。


「探すのは。」


一拍。


「第三反応。」


カイ。


「第三。」


「あなたでも。」


「シュウでもない。」


「もっと深い。」


榊。


「何か。」


⸻


検査室。


照明。


落ちる。


カイ。


「暗。」


「集中してください。」


「何すれば。」


「何もしないで。」


「それ得意。」


レン。


「自信持って言うな。」


⸻


機械。


低い音。


鳴る。


カイ。


目。


閉じる。


何も。


ない。


暗い。


静か。


シュウ。


いる。


いつもの。


少し。


遠い。


『カイ。』


(うん。)


『妙だ。』


(何が。)


『下。』


(下?)


『意識の。』


シュウ。


言葉。


探す。


『もっと下だ。』


カイ。


(どうやって行くの。)


『知らん。』


(また。)


⸻


その時。


音。


キィン。


金属。


擦れる。


ような。


音。


カイ。


目。


開く。


「……。」


検査室。


何も。


変わらない。


レン。


「どうした。」


カイ。


「今。」


「何か。」


榊。


「何が。」


「刀。」


全員。


止まる。


レン。


「刀?」


「音した。」


澪。


画面。


見る。


「異常。」


「第三反応上昇。」


榊。


「どこから。」


澪。


顔。


上げる。


「……ここではありません。」


レン。


「じゃあどこだ。」


澪。


端末。


指。


動かす。


本部。


地下図。


表示。


反応。


一つ。


点滅。


そして。


「保管庫。」


榊。


目。


細める。


「……。」


レン。


「何かあるのか。」


榊。


答えない。


カイ。


「嫌な顔してる。」


榊。


「少し。」


「面倒なものが。」


⸻


十五分後。


地下。


さらに。


地下。


カイ。


歩く。


「まだ下?」


レン。


「黙って歩け。」


「明日足むくみそう。」


澪。


「施術すれば。」


レン。


「自分で自分にできるのか?」


カイ。


「やりにくい。」


シュウ。


『俺がやろうか。』


(俺の身体で俺を?)


『そうなるな。』


(怖い。)


⸻


扉。


一枚。


二枚。


三枚。


認証。


鍵。


さらに。


扉。


カイ。


「何保管してんの。」


榊。


「危険物。」


「帰る。」


レン。


「ここまで来てそれ言うな。」


⸻


最後。


巨大な。


鉄扉。


開く。


冷たい。


空気。


中。


棚。


並ぶ。


刀。


槍。


弓。


鎖。


形。


分からないもの。


大量。


保管。


されている。


カイ。


「……。」


シュウ。


『懐かしい。』


カイ。


(知ってる?)


『いや。』


(じゃあ何が懐かしいの。)


『雰囲気。』


(便利な言葉だな。)


⸻


榊。


奥。


進む。


「ここには。」


「異能武装。」


「旧世遺物。」


「回収された危険物。」


「適合者不明の装備。」


「そういったものがあります。」


カイ。


「刀いっぱいあるね。」


レン。


「触るなよ。」


カイ。


一本。


見る。


「これかっこいい。」


「触るな。」


「見るだけ。」


「お前絶対触るだろ。」


⸻


その時。


キィン。


また。


音。


カイ。


止まる。


「……。」


シュウ。


『聞こえた。』


(どこ。)


キィン。


奥。


暗い。


一番。


端。


そこ。


一本。


刀。


立てかけられている。


他と。


違う。


豪華でもない。


異様でもない。


鞘。


黒。


柄。


黒。


ただ。


中央。


細い。


白い線。


一本。


走っている。


カイ。


「……。」


歩く。


レン。


「カイ。」


返事。


ない。


澪。


「第三反応。」


端末。


見る。


「急上昇。」


榊。


「止めろ。」


レン。


カイの肩。


掴む。


その瞬間。


ガンッ!!


レンの手。


弾かれる。


「っ!」


カイ。


振り返る。


「何したの。」


レン。


「お前じゃねぇのかよ!」


カイ。


「何もしてない。」


⸻


刀。


震える。


カタ。


カタ。


カタ。


榊。


顔。


変わる。


「……あり得ない。」


澪。


「何がです。」


榊。


刀。


見る。


「その刀。」


一拍。


「誰も触れない。」


カイ。


「何で。」


「拒絶するからです。」


「適合者。」


「ゼロ。」


「旧世から回収されて。」


「記録上。」


「一度も。」


⸻


シュウ。


静か。


カイ。


(シュウ。)


返事。


ない。


(知ってる?)


長い。


沈黙。


『……知らん。』


カイ。


(でも。)


『ああ。』


シュウ。


声。


低い。


『俺も。』


一拍。


『触りたい。』


⸻


カイ。


手。


伸ばす。


レン。


「待て。」


榊。


「触らないでください。」


澪。


「第三反応さらに上昇。」


カイ。


「でも。」


刀。


見る。


「呼んでる。」


榊。


「そんな記録は――」


キィン。


刀。


鳴る。


全員。


黙る。


カイ。


柄。


握る。


瞬間。


ドクン。


世界。


静止。


カイ。


目。


見開く。


シュウ。


『……!』


白。


一瞬。


視界。


埋める。


大量。


糸。


違う。


流れ。


違う。


全部。


なのに。


全部。


一本へ。


集まる。


刀。


その中央。


白い線。


そして。


声。


聞こえる。


誰の。


ものでもない。


――廻せ。


カイ。


息。


止まる。


――七つが。


――一つになるまで。


カイ。


「……。」


刀。


鞘ごと。


持ち上がる。


軽い。


異常に。


軽い。


まるで。


最初から。


自分の手に。


合うように。


⸻


レン。


「……。」


澪。


「適合反応。」


榊。


画面。


見る。


「……百パーセント。」


レン。


「は?」


榊。


「誤差ではありません。」


「完全適合です。」


カイ。


刀。


見る。


「これ。」


「俺の?」


榊。


即答。


「違います。」


カイ。


「え。」


「所有権は本部です。」


「……。」


レン。


吹き出す。


カイ。


「返した方がいい?」


刀。


キィン。


震える。


榊。


「……。」


カイ。


「嫌だって。」


「刀の意思を通訳しないでください。」


⸻


澪。


刀。


見る。


「名称は。」


榊。


少し。


迷う。


古い。


記録。


開く。


「不明。」


レン。


「名前もないのか。」


「正式名称。」


「製作者。」


「所有者。」


「用途。」


「すべて不明。」


ただ。


一つ。


鞘。


内部。


刻まれていた。


旧世文字。


それだけ。


カイ。


「何て。」


シュウ。


読む。


そして。


黙る。


カイ。


(シュウ。)


『……。』


(何て書いてある。)


シュウ。


ゆっくり。


答える。


『廻天。』


カイ。


「……。」


レン。


「何だ。」


カイ。


刀。


見る。


中央。


白い。


一本の線。


「廻天。」


その名。


口にした瞬間。


刀。


キィィン。


鳴る。


本部。


地下。


全体。


震える。


遠く。


外門。


岳。


缶コーヒー。


飲む手。


止まる。


「……。」


目。


地下。


向ける。


「抜いたか。」


⸻


保管庫。


榊。


「まだ抜いていません。」


レン。


「何?」


カイ。


刀。


見る。


まだ。


鞘。


入ったまま。


それでも。


本部。


震えている。


レン。


「じゃあ。」


「抜いたらどうなる。」


沈黙。


カイ。


柄。


少し。


動かす。


全員。


「待て!!」


カイ。


止まる。


「……。」


レン。


「今抜くな!」


澪。


「絶対に。」


榊。


「後検査が先です。」


カイ。


「後検査?」


「はい。」


カイ。


刀。


持ったまま。


数秒。


考える。


「まだあるの?」


レン。


「今そこかよ!!」


⸻


榊。


カイを見る。


そして。


刀。


《廻天》。


見る。


表情。


完全に。


変わっていた。


「カイさん。」


「はい。」


「予定変更です。」


カイ。


「また?」


「後検査。」


「通常項目ではなく。」


榊。


刀。


指す。


「それを持った状態で行います。」


カイ。


「長い?」


榊。


「かなり。」


カイ。


「……。」


刀。


元。


戻そうとする。


キィン。


拒絶。


「……。」


レン。


「何してんだ。」


カイ。


「置いて帰ろうかと。」


「お前もう諦めろ!!」


――第十四話・了

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