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第37章

「へへっ、どうだ滝本」


 竹田叶の衣装はお嬢様といった感じの制服みたいなデザインに短いスカート。これは受けるはずだ。


「滝本、あたし本気だから」

「……もう出れるか」

「うん」

「サポート、よろしく頼むぞ」

「了解だよ」

「練習通りやるだけです」

「じゃあ竹田、おまえから行け」

「あたし、絶対勝つから」


 幕が開き、調子良く竹田叶が出て行った。俺たちも続いた。体育館が沸く。


「じゃあ行きまーす。エントリーナンバー一番、竹田叶、曲は、プラネタリウム」


 竹田叶がこの曲を歌いたがった時、こいつには合わないと思った。


 間違ってたのは俺だった。上手くやろうとしないで、一生懸命に歌っている感じが魅力的だ。高音がきつそうな感じの声が逆に良い。


 正直、ボーカルはこいつに任せてもいいのかも知れない。


 しかし、竹田叶が出したもう一つの条件の所為で俺は全力で勝ちに行かなければならなくなっている。


 曲は余韻を残して静かに終わり、遅れて拍手が響き渡った。かなり長い間。竹田叶は深々と頭を下げ、舞台袖に引っ込んだ。続いて俺たちも。

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