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第31章

 神社。俺はギターを弾きながら、どの曲で勝負に出るか悩んでいた。


 和木坂は隣で真っ青な顔をしている。一月あるのに、もう舞台に立つことを怖がっている。


「俺では厳しいかもな」

「で、でも、そしたら……」

「まあ、俺は元々バンドの顔になるような人間じゃない」

「そ、そんな……あ、あ、あの、竹田さん、きっと本気だよ?彼氏になるって言ってたのも」

「ああ。そうだったな」

「……へえ、別にいいんだ」

「何か言ったか?」

「あ、べ別に、何も」和木坂は一瞬、見たことない顔をした。やけに冷たく、悲しげな表情だった。


「和木坂、怖かったら無理にエントリーしなくていいんだ」

「するよ。私、歌うから」

「本気か?」

「そんなことで嘘つかないよ。あ、今日は早く帰らなきゃ。ごめん、先帰るね」


 どうも和木坂は怒っていたような感じだった。俺は原因を考えてみる。

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