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第25章

「しかし、おまえは神社にしか出て来れないってのも難儀だよな」

「……あの、こないだは、ひどいこと言ってごめんなさい。ぼく、ほんとはね、まうたんが勅使河原くんにとられる気がして怖かったの。ほんとは、まうたんも人前で歌いたいと思ってる。でも、努力するたびに傷つくのはまうたんだから、かわいそうだから……」

「おまえは、いつ生まれたんだ?」

「……まうたんはね、小さい頃からずっといじめられてて、毎日ここで泣いてたの。それで、気がついたらぼくがまうたんの中にいたんだ。それからはいつも一緒に歌ったり、小人さんたちと遊んだりしてたの」


 小人さんってのは何だ。


「和木坂にとっておまえは理想の自分、なのか?」

「最初はそうだったのかもね。でも今はもう、まうたんの足引っ張るだけみたいだよ。ぼくがいる意味なんか」

「真宇ちゃん、なんでそんなこと言うの?私、ずっと真宇ちゃんに助けてもらってきたんだよ。だから、これからも一緒にいようよ。私、ちゃんと毎日ここに来るから」

「だ、だってぼくは」

「違うよ。私の大事な大事な友達だよ。だから、私の中にいてほしいの。お願いだから」

「まうたん……まうたんごめんね。ぼく、許して……ふええん」

「大丈夫だよ。大丈夫、私こそごめんね。ごめんね……」


 そう言った和木坂は自分で自分を抱きしめてるし、さっきからプロの俳優が一人二役をやってるみたいに声色や態度をころころ変えながら話していた。さすがにこれが演技だとは思えない。


 しかしついて行けん。

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