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第19章

 後は制服だ。電車で二駅、何故こんな酒屋が制服まで売ってるのか知らんが、ばばあに採寸してもらって和木坂の体に合ったのを買い、着させた。


 さっきまでの生乾きはサイズも大きすぎて明らかにおかしかった。ローファーも買って、汚いスニーカーは生乾きと一緒に紙袋に詰めた。


「これからはちゃんと風呂入れよ」

「あ、あの……なんで?私なんかに」

「風呂入れよ」

「あ、はい。けど……うち貧乏で」

「じゃあ風呂貸してやるから来い」

「え……え?え?いや、あの、でも」

「おまえ携帯は?」

「あ、持ってないです」


 こいつはどんな生活をしてるのか想像もつかん。まあ俺も持ってるだけで活用しないが。


 暗くなったので家の近くまで送った。紙袋を渡した。人間が住んでるとは思えない木造のアパートだった。


 俺は何故こんな無駄な金を使ったのか、自分に怒りながらコンビニに寄って帰った。和木坂にも何か食わせてやれば良かったのに忘れてた。


 翌日。登校中、見るからに真面目で弱そうな男子生徒に絡んでいる呆けを見つけて殴った。絡んでいたのはラグビー部の奴だったようで、一発殴っても戦意を失っただけで倒れはしなかった。さすがに鍛えてる奴は違う。しかし腹を左でぶん殴って寝かしてから学校に行った。


 教室に入ると、和木坂の周りに女子が三人集まっていた。クラス中が驚いている。よく見ると、昨日より化粧は簡易な印象で目元は普通だったが、顔色の悪さはなかった。髪もほぼ昨日くらい綺麗だった。


「和木坂さん、彼氏できてイメチェンしたの?超かわいー」

「てかありえなくね?昨日と別の女じゃね?てくらい超かわいー」

「ほんと超かわいー」


 和木坂は冷や汗をだらだらかきながら引きつった笑みを浮かべ、黙っていた。ちょっと気の毒だと思った。


 見た目だけでも変わって、自信を持つようになってくれればいい。不良だって大抵は格好から始めるものだ。


 放課後、和木坂を神社に誘おうと思ったら、和木坂はもう教室にいなかった。先に行ったのか?気になった俺はコンビニで弁当を買ってから神社へ向かった。

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