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第17章

 放課後、俺は和木坂を連れて街へ出た。ちょっと人が多い場所に来て、こいつの卑屈さが増してきた気がする。


「おまえ、金あるか」

「あ、あ、貧乏ですいません」

「じゃあいい。髪切りに行くぞ」

「あ、え?え?」

「おまえは黙って座ってるだけだ」


 行きつけの美容室。おかまみたいな喋り方の、流行に敏いゴリラに声をかけた。


「おい、ゴリ」

「あら、竜ちゃん、お久あ」

「こいつを綺麗にしてやってくれ。何も言わずに、だ」

「えー?この子が竜ちゃんの彼女?かなり意外な感じい」

「黙ってやれと言ってる」

「やだ、もう竜ちゃん怖あい。まあでも、よく見たら素材はいいわよこの子。鉱山に埋もれたダイヤの原石って感じね」

「それ本気で言ってんのか?」

「うふふん、じゃあ竜ちゃんはそこの少年ジャンプでもマガジンでも読みながら待ってなさい。ちょっとかかるから、お外遊びしてきてもいいわよん。女幽霊スタイルからアイドルに変身させてあげるわ」

「あ、あ、あの、あの」

「あら、どうしたの?人見知りな態度が可愛いわねえ。うふ」

「あ、あんまりその、短いのは」

「わかったわ。じゃあ、この長い髪を生かしたスタイルにしましょうね」


 ジャンプを読みながら待っていたが、まったく終わる気配がない。トリートメントとかいうのに何分かける気だ。


 まあ、あの週一くらいでしか風呂入ってなさそうな状態から人間に戻すのは手間なのかも知れない。そう言えばあいつの制服、洗濯したまま生乾きで着てきたのか、何か濡れてるような感じがした。代えなんか持ってないか。

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