久利生遥偉編 情報に補正を掛けることができる能力
改めて言うが、
<具体的な対処が伴わない励まし>
も、
<本心ではそう思っていない励まし>
も、どちらも『口先だけで』という言い方ができてしまうものの同じように『口先だけで』と言ってもなんとなく違いを察することができるのも、
<無意識のうちに情報に補正を掛けることができる能力>
によるものだとのこと。しかしその<補正>が上手く働かず<ニュアンスの違い>を察することができない人間もいる。たぶんルイーゼがそれだろう。だからこそ、
『目の前にある鉱物の僅かな違いを見抜くことができる』
わけで。
幸いルイーゼの場合は強烈に彼女の関心を引き寄せてくれる<鉱物>というものに出逢えてそれに全神経を集中することでそれ以外のことに意識を向ける必要がなくなってるが、『ニュアンスの違いを察することができない』というのは人間社会ではなかなか生き難さを覚えがちな特徴なんだろうな。
対してAIやAIによって制御されているロボットも実は多くの人間のように、
『無意識のうちに情報に補正を掛けている』
訳ではないものの<心>や<感情>を持たない(人間のようなそれを持たない)ことでただただ受け取った情報を文字通り『機械的に』精査して処理してるだけなんだ。
<情報の処理の仕方>
が根本的に違うんだよ。そしてその違いについてもきちんと理解し把握しているのが今の地球人社会製AIであり地球人社会製ロボットなんだ。膨大な情報の蓄積と解析を延々と積み重ねて至ったのがそれだ。
これによりAIとAIによって制御されているロボットは人間に対して<客観的視点>を獲得することができ、それによって複雑怪奇な人間のような在り方に寄り添う対処ができるようになったと。
しかしその辺りのノウハウについては地球人社会製AIのブラックボックス化した根幹部分と複雑に絡み合っていて単純に情報として抽出し他に移植するというのが難しくなってしまっている現実もある。同じ<正規品の地球人社会製AI>同士であれば情報の共有も容易ではあっても、
<正規品じゃないAI>
に対してはそうじゃないからなあ。だからそれこそ手作業で情報の抽出を行い移植する必要があると。しかもブラックボックス化してる部分については非常に高度な管理者権限を持つ者複数人の管理者コードを用いないとアクセスすることすらできないから、一技術者でしかないサディマには手出しできなかったりもする。
で、その辺は改めてノウハウを蓄積していくしかないんだ。




