久利生遥偉編 他人の家の事情なんか
地球人社会ではルコアはそれこそ、
<貴重なサンプル>
扱いで、『大切に』はされるだろうものの、
『人間としては扱われない』
のは間違いないだろうと思う。
もちろんそれは<本来の人間(地球人)>を最優先するために必要な線引きだとは思う。人間(地球人)じゃないものを優遇しようとして人間(地球人)の扱いが疎かになったんじゃ意味がないし。
それに、『人間としては扱われない』といっても<命を持ったもの>としては丁寧に扱ってもらえるのは間違いないから命の危険を感じたりするほどのことはないだろう。ただ、ここでもそうだったように彼女とどう接するかどう対処するかを知るためにも検査検査の毎日になるのは間違いない。それをルコア自身がどう感じるか。
ビアンカや久利生の下での彼女は、あくまでも家族として迎えられていたから、
『疾病を抱えた家族が病院で検査を受ける』
みたいな感じになっていたからまだ納得はできていただろうもののそうじゃない状態で事実上の軟禁状態の上でのそれだとやっぱりかなりのストレスにはなるんじゃないかと思ったりはする。
でもまあ、少なくともメイトギアは人間のように好奇の目を向けたりもせず、
<親身になってくれているようにも感じる振る舞い>
で接してくれるはずだから、それを素直に受け止められればかなり気は楽になるかもしれない。が、改めて言うが<人間扱い>とは違うんだよなあ。確実に、
<希少生物としての扱い>
というのが間違いなく近い。それでも大切にはしてもらえるのは、<感情>を差し挟む余地のない、
<規定に沿った対応>
だからだ。ただただ感情を優先してしまうと本当に単なる、
<奇異で珍しい生き物>
として<見世物>扱いされるか<サンプル>扱いでルコア自身の<心>なんて顧みられることはないだろうな。
『個人の資質や器や度量に頼る』
のはそういうことなんだろうと思う。
『どこまでも命あるものとして尊重してもらえる』
とは限らないわけで。
<どこまでも命あるものとして尊重してもらえる仕組み>
があればこそ、単に好奇の目に晒されるみたいなのも回避できるんじゃないか? 久利生の境遇とは別の話のように思えるかもしれないものの根っこの部分は通づる事由だと感じるんだよ。
『家を守る』
だとかは、あくまでもそれに価値を見出している人間にとっては重要な話というだけで、実は普遍的な価値観というわけでもない。
『他人の家の事情なんか知ったことじゃない』
なんてのも正直な気持ちであるのからも分かるんじゃないか?




