久利生遥偉編 久利生自身の見解
メイトギアは本来、
<あらゆる事情を抱えた人間のサポートを行うロボット>
として生み出されたそうだ。<メイトギア>は元々は<商品名>であって、
<ロボットの種類を表す名称>
じゃなかったとのこと。そしてメイトギアと称したロボットを最初に製造・販売した企業が何のためにそれを作ったかと言えば、
『あらゆる事情を抱えた人間のサポートを行うために』
だったらしい。『育児や家事をサポートする』のももちろん、当時はまだ再生医療が十分に発展していなかったのもあって重度の<障害>を負うと完治はほとんど望めなかったがゆえに高齢者に対するそれも含めて<介護>も大きな目的の一つだったと記録にはある。
それと同時に先ほども触れたように<育児のサポート>もそもそものコンセプトに含まれていたほど非常に重要な目的だった。どちらも、
『人間としての尊厳を保障する』
という意味で。
『障害によって人間として扱われなくなる』
や、
『子供だからと人間性を軽んじられる』
や、
『親が育児や生活に追われて精神的な余裕を失う』
的な問題を解消するのはすべて『人間としての尊厳を保障する』ことに繋がるから。これは、メイトギアを生み出すことになった企業の創業者の<理念>でもあったとのこと。
その企業は<メイトギア>という商品名を<商標登録>せず、同様の理念を掲げて作られるロボットを<メイトギア>と呼称することを許してたらしい。それもあり、人型のロボットを指す<アンドロイド>という言葉にとって代わって、
<人間によく似せて作られた多機能なヘルパーロボットを表す言葉>
として一般名詞になっていったそうだ。で、<重作業>や<危険な作業>を担うためにロボットらしい頑強な見た目と構造を持つ<レイバーギア>や、<人型戦車>を指す<ランドギア>なんて名称も派生していったんだと。
なんてのはまた余談ではあるものの、メイトギアをはじめとしたロボットが生まれたことで人間(地球人)は様々な<重荷>から解き放たれることに成功したのは確かなんだ。<育児>もその一つ。負担を軽くすることに成功したおかげで親にもそれだけの精神的な余裕が生まれたのもまた事実。
久利生だって、未来と黎明と蒼穹とルコアとケインとイザベラとキャサリンという子供達に対して鷹揚でいられるのもロボットのサポートのおかげという部分は間違いなくある。確かに久利生は大きな器もの持ち主ではあるものの彼自身の度量にだけ頼っていたんじゃ今のビクキアテグ村はなかったかもしれないな。
これは他でもない久利生自身の見解でもある。




