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久利生遥偉編 実はそれほど重要でも

そんな感じで、ビアンカは運命すら感じるくらいに久利生(くりう)に惹かれていて久利生(くりう)の方も悪からず思っていたにも拘わらずお互いを求め合うことすら許されなかったのが、


<地球人社会の厄介なところ>


だっただろうな。もちろんそれを必要だと感じる人間にとっては必要だったんだろうさ。それを頭ごなしに否定するのも違うようには思う。しかし、オリジナルの記憶と人格とメンタリティをそのまま備えているはずの今の久利生(くりう)が<久利生(くりう)家の後ろ盾>を失っても何一つ問題なく生きられているように、そういう<しがらみ>のほとんどは実はそれほど重要でもないんだろう。


なるほど<久利生(くりう)家の影響が及ぶ範囲内>であれば足を引っ張られることもあるにしても、ここには『物理的に』影響は届かないわけで。


それに自分達の身内の足を引っ張るような振る舞いだとか本当にどうかしていると俺は思う。本来なら自分達の家族や身内を守るために<家>というものを作り上げていったんじゃないか? なのにその<家>が足枷になるようなのはそれこそ、


『本末転倒』


だと感じるんだよなあ。守るべきものの優先順位がいつの間にか転倒しているんじゃないだろうか。何のために<家>を作ったんだろうか。


まあ、久利生(くりう)家そのものによるあれこれ以外にも<久利生(くりう)家と関わりのある者達>が勝手に斟酌して実際には意図してないことまで独断で圧力を掛けたりすることもあるのか。しかしそれもやっぱり<勝手な呪い>レベルの話だと思うよ。


ここ朋群(ほうむ)にはそういうのは生じてほしくないと個人的には思ってる。思ってるものの自然発生的に生じてしまうものについては制御できないんだろうな。


ただ、


『家族や身内を守るために家を作る』


ということであれば、


<家によって家族や身内を守らなければいけない状況>


を生まないようにすればある程度は抑えられるのかもしれない。完全には無理でも本末転倒に至るくらいに強い家の在り方が必要にはならないんじゃないだろうか。だからそれを目指していきたいんだ。でないとビクキアテグ村自体がそこに住む者達にとっての<しがらみ>になってしまうかもしれない。


まあそれでも少なくとも今の時点ではそういうのはないはずだ。そんなのがあったらキャサリンなんてそれこそビクキアテグ村にいられないだろうし。さらには黎明(れいあ)が呑気に未来(みらい)と<恋のさや当て>なんてしてられないかもしれない。


そういうのは勘弁してほしいよな。のびのび生きられないのは本当につらい。



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