黎明編 厳しい躾こそが必要だと
『メディアで触れた印象的な人間の振る舞いを真似る』
というのも子供にはよく見られることだと思う。珍しくもないことだと思う。でもだからこそ自分の親や身近な大人から受ける影響も少ないはずがないと俺は感じるんだよ。ただの<メディアで触れただけの赤の他人>の真似をするくらいなんだから。
なのに地球人の親は<厳しい躾>こそが必要だと考える。なにしろそれは自分の感情をそのまま子供にぶつけて鬱憤を晴らすのに都合のいい<理屈>だから。でもそれは実際には、
<気に入らない相手に対しては暴言を吐き威圧し時には暴力を振るってもいい理由>
にしかならないはずなんだ。まあ、
<体裁を取り繕い自分を立派に見せ掛けるための手法>
を学ばせるには都合のいいものかもしれないが。
『罵倒されたり威圧されたり暴力を振るわれないようにするためにはどうすればいいか?』
を考えられるようになるだろうし。その一方で、自分よりも弱くて非力な相手に対しては高圧的に振る舞うにはどうすればいいかも学び取れてしまう。そういう振る舞いをほとんど見たことがない黎明達はそんな振る舞いをしようという発想がない。感情が昂れば乱暴な振る舞いを見せることもあるもののそれは、
『弱い相手だから』
『歯向かってこない相手だから』
できるわけじゃないんだ。ましてや黎明にとって未来は真っ向ぶつかり合えばほぼ互角の相手。たまに悪態を吐くことはあっても未来が弱いからってわけじゃない。
むしろ黎明は自分より間違いなく弱い相手には高圧的に振る舞ったりしない。ゆえに<ルコアの子供>に対しても高圧的に振る舞ったりしないでいてくれるだろうなという確信もある。
そう言えば正式にパートナーになった陽と和と麗よりも先に<子育て>をすることになるのかもしれないのか。陽と和と麗はもうそれこそ<成人>として自立してくれてるから子供についてももう当人達に任せているしそのつもりで励んだりしてるものの今のところ和も麗も妊娠はしていない。すぐにできてもおかしくないと思いつつもこればっかりは<授かりもの>だしなあ。そんなぼんぼん子供ができてもらっても大変なのは事実。成り行きに任せるさ。それに、獣人達を観察してても実はそこまで妊娠率が高いわけでもないんだよな。特に<強い獣人>ほど。
パパニアンである陽と和と麗は必ずしも強い方ではないものの、<人間>として生きてる陽と和は、武器も使いこなすしマンティアンとだって戦える。だからパパニアンとしては異質なほどに強いとも言えるんだよなあ。
光と同じで。




