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黎明編 相手を縛りたいという欲求

<恋愛>は、ついつい<相手を縛りたいという欲求>が表に出てきてしまいがちなものなのは俺にも分かるよ。それは<独占欲>とも親和性の高い感覚だという実感もある。今の黎明(れいあ)がまさしくそれだよな。


『ルコアを私だけのものにしたい』


と思うからこそ未来(みらい)と共にパートナーになることを拒否してるんだろうし。でも、恋愛関係も<人間関係の一種>である以上は相手が人間である事実からは目を背けちゃ駄目だと思うんだ。それを忘れては自分の感情のために相手を傷付けてしまったりすることもあるだろう。そしてそれは相手から自分への気持ちを萎えさせてしまう非常に強力な<負の衝動>だと思う。


好きだから付き合い結婚したはずなのにその気持ちが冷めていきやがては嫌い憎むようにすらなっていくことがあるのは誰でも知っていることだと思う。そしてそれは<生殖>を行う生物であればほとんどが持ってるものだというのも判明してる。


『自身の遺伝子の受け継ぐものに様々な可能性を持たせる』


ために。同じパートナーと延々と同じ遺伝子の組み合わせを持つ個体をただ増やしていくだけでは<多様性>を確保できないがゆえに、別のパートナーと別の遺伝子を組み合わせを持つ個体を生み出すための本能とも言われているそうだ。


しかし<人間(地球人)>の場合はそれに加えて<感情>が大きく影響する。かつては好きだった相手であっても<嫌な部分>が目に付くようになれば気持ちが冷めていくだけじゃなく場合によっては<反転>もする。好きだった部分こそを嫌いになってしまったり<愛>が<憎しみ>に変わったりと。


これは人間が感情の動物である以上は避けられないものだ。けれど、それを和らげる方法ならある。


『相手を慈しみ慮り敬う』


ことだ。<一人の人間>として。単なる<綺麗事>と軽んじられがちな考えではあるものの人間が<感情を持つ動物>である限りは自身を蔑ろにされるのを受け入れ続けることはできない。様々な強迫観念などにより縛り付けておくことも一時的には可能であるものの、それすらいつまでも続かない。


<不合理な因習>を続けてきたコミュニティがやがて変質を余儀なくされたり崩壊したりするのもそれだ。その因習の不合理さが明るみに出ればどんなに力で抑え付けようとしてもいずれ破綻する。人間は<力のアウトソーシング>というのものが使えるからこそ。


自分達のコミュニティ内の自浄作用だけではどうにもならないのであれば、外圧という形で覆すこともできるわけだ。



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