黎明編 宴の後に
なんて俺の考察とは関係なく<肉パーティ>は盛り上がり、全員が腹いっぱいになるまで堪能して<宴>は終わった。しかし、盛り上がるだけ盛り上がって『後は知らない』にならないのが立派だと思う。
宴の片付けもただ誰かに押し付けるんじゃなくて、皆でわいわい賑やかに談笑しながら行うんだ。片付けも含めてレクリエーションになってるんだよ。
「パーティの後片付けってなんかちょっと寂しいよね。でも、こうやってルコアと一緒だったら嫌じゃないよ」
黎明が食器を集めながらそんなことを口にする。それに対してルコアも、
「そうだね。黎明の言いたいことも少し分かる気がする。寂しいんだけどこうやってみんなでやってると『また次もみんなでできるよね』って思えるからかな。みんなとならまたこうしたいなって思えるし」
穏やかに微笑みながらそう返した。
ルコアの言うことは、俺にもなんとなく分かる気がする。これが、誰かに片付けを押し付けて自分達だけは余韻に浸ってられるなんて形だと、片付けを押し付けられた側はあまりいい気はしないかもしれない。ましてや自分では何もせず談笑してるだけという気配を感じながら面倒な片付けをするだけとか。最初の内は割り切れていてもそれが続くと、
『自分は召使いか何かなのか?』
なんて疑問が湧いてきても何も不思議じゃないだろうな。
でも、ビクキアテグ村は違う。みんなが片付けも含めて楽しめるんだ。食事の片付けを久利生が率先して、しかも楽し気に話しながらそれをしていたことで未来も黎明も蒼穹も自然とそうするようになった。ルコアは、
『助けられた恩があるから』
みたいなことでそうしていただけかもしれないものの、今ではすっかり楽しめてるんだよ。これはまあうちもそうか。エレクシアにやってもらってた頃は任せきりにしていたものの、子供達が生まれてからは俺も一緒に片付けをするようになった。他の子達はともかく光には俺がただふんぞり返ってるだけの姿を見せたくなかったし、光自身が家事をできるようになった時に負担に感じてほしくなかったからだ。もちろん灯にも。
それも、面倒臭そうにするんじゃなくて、<ある種の遊びの一環>としてって感じでか。そうしているとそれこそ光も灯も自然と手伝うようになってくれた。いや、あの子達にとっては<手伝い>じゃないな。たぶん『遊んでる』だけだったんだろう。俺と遊んでるつもりだったんだと思う。
だから黎明達も、
『宴の後でまた遊んでる』
って感じかな。




