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黎明編 外的要因

「ただいま〜♡」


村の出入口である門のところまで来ると畑で作業をしているルコアの姿が見えて、黎明(れいあ)がご機嫌で手を振った。未来(みらい)とルコアの関係にやきもきして何かトラブルでも起こすんじゃないかと心配するのが馬鹿馬鹿しくなるくらいの晴れやかな笑顔だった。


そうだ。野生の生き物のそれはとてもシンプルで地球人のように後を引かない。時には命までも賭けるくらいに激しかったりもしつつ、結果が出てしまえばそれで終わりなんだよな。いつまでも引きずったりしない。


だから地球人よりもはるかに野生に近い黎明(れいあ)は、地球人社会における<恋愛もののフィクション>のようにドラマチックな展開を見せることはないと感じるんだよ。


そういう展開を期待してる人間にとっては『肩透かしを食らった』みたいな話になるかもしれないにせよ、


『地球人社会において恋愛がドラマチックな展開を見せる』


のはあくまで、


<地球人社会という土壌>


があればこそのものだと思う。地球人のようにメンタルをやられていく黎明(れいあ)の姿を想像することができない。そんなことがあるとするなら何らかの<外的要因>が強く作用した場合だけだろうなという予感があるんだ。だからこそそういう<外的要因>を作らないようにしなきゃと思うんだ。そして、


『鬱憤を発散する場がない』


というのもれっきとした<外的要因>になり得る。考えてみれば地球人社会では確かに<娯楽>は無数にあったもののそのどれもが結局は、


<誰かが考案したお仕着せ>


でしかなく、法律をはじめとした諸々のしがらみの中で成立しているものでしかなかったな。それが悪いということじゃなく、<お仕着せの発散方法>を利用する上でも諸々のストレスが生じ、結果として十分に発散できずに終わるというのも事実な気がする。


対して黎明(れいあ)達の狩りはより野生に近く、彼女達の本質に近いところで存分に自分を発揮できるからそれだけ効果的なのかもしれない。


それ自体はあくまで仮説の域を出ないものの黎明(れいあ)がいい笑顔を見せてくれているのは事実なんだし、別に拗れさせる必要もないだろう。


とはいえ、地球人社会で同じ方法を実践しようとしてもきっと上手くいかないだろうな。何しろ地球人自身が野生をはるか過去のものにしてしまっているからきっと噛み合わない気がして仕方ないんだ。何よりリスクが高すぎる。もちろん黎明(れいあ)達もリスクを負っているものの元々のスペックが地球人とは次元の異なるものだからなあ。


それくらいでないとさすがに任せられない。



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