黎明編 狩りの時間
いつものごとくまたまた話が逸れたが、イザベラが全裸でいることを俺達が問題視しない理由がそこにあるんだと説明したいだけなんだ。それが彼女の<自然な姿>だから。
さりとて、そういう姿をあまり好ましく感じないという人間も今後現れるかもしれないし、別に<ヌーディストのコミュニティ>を作りたいわけでもないから、無理のない範囲で服を着てもらえるとありがたいなと思っているのもまた事実。
コーネリアス号のクルー達のコピーについても、例の不定形生物が存在する限りは今後も顕現し続けるだろうし、そうして顕現した世界が<ヌーディストのコミュニティ>で、
『服を着ることを一切否定する』
なんて世界じゃ適応するのも大変だろうし、せめて、
『服を着るのも着ないのも自由』
みたいな社会は目指したい。水帆もそうだが、イザベラやキャサリンに服を着るのを強要する社会も望んでないんだ。以前はなるべく服は着るように持っていきたかったりもしたが、今ではそこまで拘りもない。俺も『慣れた』のかもしれない。
こんな風に慣れてしまえるということはやっぱり、
『性=エロス』
というわけじゃないんだろうなとは思う。人間(地球人)がそういう風に歪めてしまっただけで。
だから未来も黎明も裸のイザベラが一緒に狩りに出ることについても何も気にしていない。気にする必要がないんだ。キャサリンはそれこそその状態が普通でそのまま狩りをしているし、何も問題ないと俺の方が分からされてしまったとも言えるか。
ビアンカも最初の頃は気にしていたものの今では受け入れてしまったとのこと。まあビアンカの場合は<諦め>の方が近いのかもしれないが。母親として娘の全裸を他人に見せることには抵抗がなかったわけじゃないそうだし、そこは地球人としては当然の感覚だと俺も思う。
<自然>と比べれば歪んではいても人間(地球人)としてはずっとそういうものとしてやってきたから、そちらも頭ごなしに否定するのは違うだろうさ。
で、現状が最も折り合いがつけられてる感じなんだろうなと。
それに今は<狩りの時間>だ。そんなことを気にしてる場合でもない。元軍人としてのメンタリティも持つビアンカは必要とあらばその辺りの切り替えはさすがだ。そのビアンカの指揮の下、黎明達は徒歩で草原を進む。ホビットMk-Ⅱらが伝えてくれる情報を精査しながら。
主にキャサリンとレオンやオオカミ竜の群れの動向についてだが。
あくまで目的は食用肉の確保であってキャサリンはもちろんレオンやオオカミ竜とも争うのは望んでない。




