黎明編 幼さを感じさせる原因
黎明達の様子も、傍で細々と働いているロボット達のカメラを通して見守らせてもらってる。もちろん皆、そのことは承知してるが誰も嫌がってるわけじゃなかった。獣人としてのメンタリティを持つ黎明達はもとより基本的には地球人のそれを持つルコアでさえ。
もちろん寝室や風呂やトイレといったところにまでは立ち入らない。普通の家族として一緒にいておかしくない場所までだ。ロボット達をそこまで立ち入らせないから当然見ることもできないわけで。
しかし黎明達はそれこそどこででも平気で全裸になる。<羞恥>というものについて地球人とはまるで捉え方が違うからだ。獣人としてのメンタリティを持つ者達は自身の体を<猥褻なもの>としては捉えない。むしろ誇りにさえ思ってる。服を着るようにしてるのはあくまで細かい擦過傷などから肌を守るためなんだよな。その建前がなければ服など着たくないとのこと。
だからイザベラはそういう建前をまだ理解できないのもあって服を着たがらないし、キャサリンに至っては<服を着るという発想>そのものがない。おそらく<地球人的な羞恥心>そのものが目覚めることはないだろう。でもまあそれは今の時点では別に問題じゃない。誰かが裸でいることに対して邪な感情を持つことがないからな。
ただ、ルコアだけは、『異性の体に対して』照れを見せることは元々あった。久利生が着替えているところに出くわしたりすると、
「ごめんなさい!」
と慌てたりもした。とはいえその時点ではそこまで<異性>を意識していたわけじゃないだろうな。なんというか、
<地球人の女子はそういう反応をするものだという無意識の思い込み>
からくるものだった気がする。しかし、最近のルコアが未来に対して見せているのはそれとは違う気がするんだ。
さりとて俺がそう感じるのはあくまでも、
『地球人としての感覚を基にしているから』
というのも事実なんだろうな。それをほとんど持たない黎明にはピンとこないものの、
『ルコアが自分に対してのそれとはまったく違う様子を見せている』
のはさすがに分かるからヤキモキしてしまうということだろうか。
いずれにせよ黎明のアピールはただルコアを困らせただけだった。それが不満だったのか、黎明はその後しばらく服を着ようとしなかったようだ。映像は切ったから音声だけだったが、
「黎明、服着ろよ」
未来に言われても、
「私の勝手じゃん!」
と反発するだけなのは伝わってきた。そうやって拗ねるのも<幼さ>を感じさせる原因だよなあ。




