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悲しい再会
(梨沙…なんで?)
「久しぶりじゃねえか。」
戸惑う貴久へ篤が歩み寄った。
「そうだな。」
動揺を隠すように貴久は目を伏せた。篤はテーブルのゲソ焼きに目を留めた。
「しょうもないもん食ってるな。ま、おめえみたいな貧乏人にはお似合いだけどな。そうだ北條!今日は俺がごちそうしてやるわ。いや、今日この店貸し切りだ。俺がお前らにおごってやるよ!」
傲慢な態度の篤に一人の常連客が歩み寄ろうとした、その時だった。
「いい加減にして下さい!」
香奈が叫んだ。
「ウチはみんなが楽しく呑むお店です!好き勝手にやりたいなら他でやってください!」
香奈は震えながらも篤を睨みつけている。篤が何も言わず香奈に詰め寄る。
「やめろ。」
低い声で言った貴久が篤の肩を掴んだ。
「なんだぁ北條。やろうってのか!?」
振り向いた篤が貴久の肩を突いた。
「篤、お前が俺のことをどう思おうが構わない。でもな、この店とお客さんを侮辱することは許さない。出て行け。」
篤の後ろでは梨沙がどうしていいか分からないように震えている。そして、常連たちは篤に刺すような視線を向けていた。
「フン!こんなショボい店こっちからお断りだ。梨沙、行くぞ!」
篤は梨沙の手を引っ張るように店を出て行った。去り際にすがるような目をして梨沙が貴久を見ていた。




