操作
「監視カメラの位置ですか? 設置場所は変わりませんが、そこから向きを変える事は可能。中央塔でアイや博士が操作します。向きが変化したようですね」
アダムはそれを監視カメラの向きを操作出来る事を知っているようだ。それも中央塔で操作。エヴァがそれをしているのを、彼を見た事があるのだろう。
『なるほど……君が視線を感じたのも、その動きがあるのも原因の一つかもしれないな。』
監視カメラの向きを変える事で、視線を反らす動きにも見える。それが動いたのはアイがアダムに反応したからだろう。
『……犯人というわけではないが、アイを警戒する必要が出てきたな』
「何故ですか?」
『監視カメラの向きを操作可能なら、犯人の移動時、向きを変えればいい。そうすれば、バレずに犯人は移動可能だからな』
監視カメラを操作可能なら、死角を幾らでも生み出せる。しかも、夕方以降の博士達の動きは分かっていない。研究室にいた事になっている。
『監視カメラの向きを踏まえて、私達自身の目で見る必要があるという事だ』
深夜帯。中央塔にはアイしかいない。そのアイに指示を博士がいたのか。もしくは、深夜帯に中央塔にいた誰かがいた。行動を起こしたのはパートナーのロボットであり、博士が移動の補助をした……だが、ロボットは人間を殺せない。それがネックになる。
『中央塔までの道筋、監視カメラの動きを見て行こう。常にこちらを見ているのか。先程動いたのは偶然なのか。勿論、ジッと見る必要はないからな』
ロボットであれば、人間よりも視界は広く出来るだろう。アインズもアダムの目を通しながらも、それ以上に周囲を見る事が出来る。
アダム次第だが、アイに見ている事を気付かれる事はないはずだ。
「分かりました。そちらも注意しておきます」
『念には念をだな。警戒する事に越したはない』
アダムが『そちら』というのは、エヴァを殺害した犯人。もしくは、パートナーの襲撃を警戒しているのだろう。視線も監視カメラではない可能性とある。
それだけでなく、この時間帯に誰かが殺される事も考えられる。
前回、この時間帯付近でアーメンが殺害された。外に出ているアダムが狙われてもおかしくはない。
モリーもそうだ。彼女の場合、04が側にいる以上、逃げる時間を作る時間はあるだろう。携帯を所持していれば、連絡も取れる。アダムにはそれが出来ない。
とはいえ、時間が経ち過ぎた場合、モリーが監視カメラでアダムを追ってくれるだろうが。




