容疑者
「感情……がですか?」
「そうだ。本来、ロボット……造られた物に感情……魂は宿らない。声や行動自体がそう仕向けられた物に過ぎないようだ」
彼には……アダムには感情がある。表情や声では判断しづらい。だが、彼がマスターと再会を願う事等を考えると、感情はあるように見えてくる。
「だからこそ、私がいる場所に辿り着けたわけだ。単なる物であれば、来れるはずもない」
「ワタシはそれが分かりません」
アダム自身、感情を理解していない。
「アダムは何度もその世界の人間に調べられているからな。感情を生み出す方法は分かっていないようだが……」
彼が壊された原因もそれが関係しているのか。判明していないとアインズは口にしている。それなのに廃棄する理由は何なのか。
「それを知りたいわけじゃないだろ? アダムが持つ未練は……仮の名でアダムと呼ばせて貰うよ」
アダム自身、それに興味が無さそうだ。だが、それを知る人物次第ではないだろうか。
「か、彼は……アダムさんはマスターの死の真相を知りたいんだと思います!! 前回の僕のように」
カイトがアダムよりも先に答えた。
彼がここに呼ばれたという事は謎、未解決の事件が存在する。それは間違いなく、アダムのマスターに関連しているはずだと。
それを解決するため、アインズがアレをすれば、アダムがマスターと再会する事も可能だ。
「そうなのか? カイトではなく、アダム自身が答えてくれ」
アインズはカイトの反応にニヤッと笑った。そして、複数の本が彼女の元へ引き寄せられる。
それは事件に関連する人間達の記憶。彼女はアダムの記録の本から調べたようだ。
「ワタシは……」
アダムは言葉に詰まった。
「ロック……その記録は封印されているのかな? だが、その一部はあるぞ。関連する人間達の記憶にもだ。まぁ……全てを読んだわけじゃない。それだと面白くないからね」
アインズは記録の本から、アダムのマスターであるエヴァ博士が死んだ原因を知っているようだが……それを彼に答えされるのは……アダム自身がすでに知っている事になる。
「ワタシが殺した……」
「えっ!?」
カイトはアダムの言葉に耳を疑った。アダム自身がマスターを殺害した。殺害したのにマスターと会いたいと口にしたのか。
そもそも、殺害犯がこの世界にやって来れるのかどうかもある。
「……ようです。マスターの死体を最初に発見したのはワタシなのですが」
アダムはマスター殺害を認識していないが、第一発見者は本人も認めている。
「ワタシ達は人間を殺す事を禁じられています」
ワタシ達とアダムが言ったのは、そこに複数のロボットが存在していた。
そのロボット達も人間を殺害するのは禁じられていたらしい。




