幕間 ー2ー
「カイト……聴こえますか? 聴こえるなら、返事をしてください。前回と同じ……声に出さなくても、頭に思い浮かべるだけでいいです」
アインズは擬似的世界に呼び掛ける。アダムに力を割く必要なく、カイトと連絡する力を強める事も出来るはず。
「……はい!! 聞こえます。良かった……全く声が聞こえてこなかったので……僕の声も届いて無かったんですね」
「そうだ。……という事は、君はアダムと接触したわけだな。彼が会ったメンバーの中にいた事になるぞ」
アインズはカイトに会話が出来る距離の事を伝えている。彼がそう言うのは、話せる距離にいた事を示しているわけだ。
「はい。僕はレオのパートナーの05になっています。アインズ様と話せなくても、他と違っている風になっていたとは思っていたのですが……」
「違っている風……アレか?」
集会所に集まった時、05の言葉にレオが怪しむ素振りを見せた。それは05がレオを心配しての行動だと考えたが、それをロボットがするかどうか。
カイト……人間がしたのであれば納得出来る。ただし、ロボットの反応としては疑われる行動だ。
それにアインズは気付くべきだったか。
事件解決のため、レオを心配する行為は必要なのか。カイトと05が混ざり合っての行動という可能性もある。
「……辻褄が合うか確認しよう」
「どうしたんですか? アインズ様が作った擬似的世界にいるのは間違いないですよね? もしかして……アイツの」
カイトがアイツというのは、賭けをした死神。その死神は擬似的世界に干渉出来る。それもアインズはそれにすぐ気付くわけではない。
ただし、何かしらのヒントないし、痕跡残す事がある。もしくは、本人が直接会いに来て、事件を提供する事もありえる。
「いや……ツヴァイは関係ない。奴の性格上、最初は黙ってじゃなく、事件を提示してくると思う。今回は独特だからな」
アインズを敵視……ライバル視し、カイトと賭けをしている死神の名前がツヴァイ。
二人の付き合いが長く、どのような性格をしているかを互いが理解している。
だからこそ、今回は暗躍している可能性はないとアインズは考えているようだ。
ツヴァイが関係していたのなら、奴自身がアダムを連れて来ていてもおかしくはないと。
「確かに……何となく分かります。僕達が別行動の話をするのは当然だと思います。けど、それと辻褄が合うというのは……」
「勿論、その話を聞く。本当の意味での情報交換だ。博士達の情報交換だと不十分だからな。君が見た四人の態度、行動。エヴァの研究室に私達が向かった時のドナテルロの行動もだ」
アーメン達の中央塔での出来事を、アインズは詳しくは分かっていない。それを直接見た、カイトの意見が欲しいところではある。




