幕間 ー1ー
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「ふぅ……戻ってきたわけだが」
アダムがスリープ状態に入り、アインズは狭間の世界、自室に戻ってきた。だが、いつもと状況が違っていた。
「本が開いたままか。これもカイトが擬似的世界にいる事が原因か」
本来、アダムが睡眠、意識を失う等すれば、擬似的世界は閉じ、アインズは狭間の世界に戻る事に。
そして、彼が目覚めると同時に再度開かれる。
閉鎖時は元となる依頼者とその関係者の記録が合わさった本は閉じらているのだが、今回に限っては開いたままになっている。
そうなったのはこの世界にとっての異物であり、アインズの使い魔となった、カイトが参戦している事が原因なのか。
「だとすれば、カイトは無事に擬似的世界の中にいるわけだが」
カイトが擬似的世界にいたとして、アインズと……アダムと接触していないのか。
いや、していなければおかしい。中央塔の監視カメラによって、不審者は見つからなかった。
カイトが博士達とアイの目、監視カメラを掻い潜るのは難しい。不可能に近いはずだが……
「開いた本は……アダムがカプセルに入った姿だな」
擬似的世界の開いたページには、アダムがカプセルで充電している姿が描かれている。それだけでなく、会話の部分が文字にもなっている。
「……前のページを見てみるか。カイトが誰になっているのか分かれば良いんだが」
アダムだけてなく、カイトの視点からも文章や絵になっていたのなら、彼の状況を掴む事が出来る。
本もページ数から序盤だと分かる。始まりがエヴァの死からだとしたら当然なのだが、かなりの分厚さがある。
「それに……読み直す事で、見落とした言葉があるかもしれないな」
アインズは先のページには開けない。アダムの行動により変化があるはずであり、白紙になっているはず。
あったとしても、アインズの楽しみを、推理を奪う事になるだろう。
「私自身、流石にそこまで都合が良過ぎるようにはしないな」
アインズは数ページ程読み返してみるが、カイトに関する情報はなし。アダム視点での行動が書き記されているだけ。毎ページ絵があるわけでもない。
それだけでなく、彼女の言葉もなし。彼の行動、彼が見た博士の動きのみ。心情等も書かれていない。博士達の会話はあり。
「カイトに意識を集中して……声が届くのか」
擬似的世界内では無理だとして、アインズは狭間の世界に戻っている。アダムからも離れている状態であれば、カイトに声が届くかどうか。
謎解きの協力はさておき、カイトの安否が分からないのは厳しい。一度でも繋がらないものか。




