スリープ
『なるほど……部屋への侵入は、中央塔の監視カメラがあるからな。アーメン達も不用意には入らないだろう』
博士達も部屋には興味がなさそうだったのもある。
『ドアの予備が中央塔にあるのなら、行く理由にもなるか。部屋の修理は後にしよう。それと……エネルギーを充電する際、目覚める時間を設定する事は君にも出来るのか?』
「可能です。メンテナンス装置……カプセルに時間を設定すれば問題ありません。ただし、それもマスターの声が優先されます」
目覚ましの時間を設定しても、エヴァの声が掛かれば、それを無視して目覚めさせられる。
それは研究室の監視カメラでも確認されている。それも本人ではなく、エヴァの偽声でもだ。
『それなら、この時間から充電しよう。そして、エヴァの部屋に向かった時間に起きて、同様の動きをしてみるぞ。当然、今回は君の意識があるわけだが』
事件当日と同じ行動。それをする事で、記録を呼び起こす事は可能かどうか。メンテナンスをしていない以上、意識がなくとも、内部には残っているはずなのではないか。
「分かりました。今からエネルギー充電し、スリープ状態に移行します。その間、アインズ様は」
『君が目覚めるまで、あちらの世界に戻る事になる。警戒するのは無理だ。研究室をちゃんと閉まっているのかの確認。それと……』
アダムがスリープ状態の時、擬似的世界を見る事は出来ない。
そこで自身の考察、推理の時間として使う。
彼女にとって、それも重要、必要な時間ではあるが、擬似的世界の時間が止まるわけではない。
そこで事件が起きた場合、アインズは見る事が出来ない。アダムも無防備になる。だからこそ、誰かが侵入しないように閉じる必要がある。
『深夜に動く事をモリー達に伝えるべきか。同じ時間帯に動けば、怪しまれる。だが、それに合わせる動きを見せる可能性もある』
アダムが深夜に行動する事を知れば、犯人がそれに合わせた犯行を行う可能性もある。
『中央塔の監視カメラにそれが映るかどうか。ある程度の位置は分かっているはず』
ある程度映ったとしても言い訳を用意しておく。アダムの動きを見るために行動したと説明も出来てしまう。
『全員ではなく、一部だけに連絡するのもありだが……今は誰が犯人なのかも分からない状態だ』
博士達は全員殺されたようだが、エヴァを殺した犯人は別の可能性もある。次に殺されたアーメンでも信用するわけにもいかない。
『……目覚めた時にどちらかにするか伝える。その時間でもアーメン達は起きているはずだ』
深夜帯。博士達は研究室に籠り、自身の研究を続けるはず。エヴァが殺され、その調査で時間を潰れたのを取り戻すために。




