M、A、L
05はキャメロンと昨日の夕方以降ではなく、その前の監視カメラの映像を見ており、ドナテルロ達と別行動と言ってもいいだろう。
その間にアイのメンテナンス、エラー確認いたとしてもおかしくはない。レオも一緒にいる事で確認も出来ただろう。
「分かりました。それで……僕の中に何かありましたか?」
アイが05の体にコードを繋げたのはほんの数分。それだけで彼のデータの全てを確認したのなら、アイの性能はアダム達ロボットの遥か上になる。
「記録の破損を確認しました。昨日以前の記録が消失しています。復元は……不可能。レオにメンテナンスを頼んでください。原因は分かりますか? 自覚もありましたか?」
「……昨日よりも前か。一週間前の記録を求めていたのはそれが理由か? マスターに直接言うのも躊躇いがあったわけだな」
レオは05にエラーがあると自身で気付けば、報告するように指示されていた。しかし、それによって自身のデータが消去されるのを恐れたのか。
アイにその記録の復元するのは不可能。監視カメラの映像による確認で、補填するつもりだったのか。
「それともう一つ。マスターの表示にもエラーが。M、A、Lと何度も変化しています。貴方のマスターは誰ですか? 答えられますか?」
「……レオです。エラーの自覚はなし。原因は……分かりません。過去の記録がない事を確認しました」
「流石にそれは間違えないだろ。MとA? アーメンとモリーのイニシャルだが、そんな事しないだろ。する隙もない。一緒に行動してるのが証拠だ」
レオと05が共に行動している姿を全員が目撃している。昨日以前の記録がない状態で、レオをマスターと呼べるのなら、一部のエラーに過ぎないのだろうか。05本人も自覚していないぐらいだ。
その原因は何か。アーメンやモリーが05に接触していたとして、その記録は彼から消えている。
レオから離れた時を狙うにしても、中央塔の監視カメラから逃れるのは難しい。
アーメンやモリーの研究室に無闇に入るわけもない。
カメラの死角となる場所があったとして、そこまで移動する時が映っていてもおかしくはない。
「全てのデータが消えているわけではありません。島の記録を見返す事で、思い出す……記録が復元する可能性も」
05はエラーがあるのを認めた上で、記録の復元を理由に監視カメラの過去の映像をアイに求めた。
「残念ですが、そのような言葉……今の状態で確認させるわけにはいきません。05の言葉はロボットではなく、人間が出来る行為。見るだけで復元は不可能。可能であれば、私が修復しています」
アイは05の内部エラーにより、過去一週間分の監視カメラの映像を見せるのを拒否した。




