予想外
「……監視カメラの映像を見ます」
05はレオの指示を優先せず、監視カメラの映像を見る事を選ぶ。
「ドナテルロの協力を優先します」
「なるほどな。そういう事にしておこう。レオには黙っておいてやる。といっても、記録を覗かれたら、分かる事だがな。02も05のようにしても構わないぞ」
ドナテルロは楽しそうに言う。02にもそう指示するが、やはり動かない。本来、マスターの指示を優先する。彼だけが特別なのか。
「そうか。どの監視カメラの映像を見るかは、アイに頼め。レオの動向を把握したいなら、それで構わないぞ」
ドナテルロはアダムの監視ではなく、『レオの動向』という言葉を使った。それは05のマスターはレオでありながらも、指示もなしに意見を言う事が多々あるのを見ているからだ。
マスターに対して反抗的……とまではいかないが。何かあるとドナテルロも考えているのかもしれない。
だからこそ、レオの名前を使ったのか。
05がそれを把握しなくとも、エヴァの研究室を調べ終われば、レオ自身が彼に報告するはずだ。何の意味があるのか。
「……でしたら、過去の映像を……一週間前程から。エヴァが映った物を見たいのですが」
05が選んだのはレオ……アダムの動向ではなく、エヴァの過去の映像。
彼女が毒による死亡がモリーから伝えられたわけだが、05は入手経路を見つけるつもりなのか。
「……本気ですか?」
「それはどういう意味ですか?」
それを言ったのはドナテルロではなく、アイ。
アイも05の発言が予想外だったのか、真意が分からない。彼が思わず尋ねるのも当然だろう。
「……01なら分かるが、05が犯人探しをするなんてな。レオならともかくとして、エヴァはマスターでもないからだろ」
ドナテルロがアイのフォローに回った。エヴァ殺害の犯人が、レオと関係があるのか。
でなければ、犯人探しをする理由にはならない。
ロボットが命令もなしに、犯人を見つける事で、マスターを守る事になると考えつくのか。
それは人間の思考に近いのではないだろうか。
05もアダムのように感情を持つようになったとして、その原因は何か。それを05自身も認知したいのか。
「……そういう事ですか。マスターの危険が及ばないよう、事前対策のつもりだったのですが」
05もマスターのためだと言い張るが、すぐにその言葉が出てきたわけじゃない。
「分かりました。その前に再度05の内部にエラーの有無を確認されてもらいます。今度はコードを装着してください。レオには後から報告します」
アイは再度05の体……内部にエラーがないかの確認を要求。それも今度はコードを装着させ、直接調べるつもりのようだ。




