偽声
「確かに……そこにあるのはエヴァの携帯……ちょっと待ってよ!! 研究室に携帯が置いたままって事は」
キャメロンもモリーが何を言いたいのか理解したようだ。
『エヴァが君に連絡するのは不可能。だとすれば、別の誰かが彼女の声を利用して、君を部屋へと誘導したわけだ』
アーメン達はロボットも造れるのだから、エヴァの声を録音するなり、真似する機械を作る事は容易だろう。
「私達の誰かがエヴァの研究室に連絡を入れた。01が間違えるぐらいに同質の声にしてたんでしょうね」
「それが俺達全員が怪しくなる理由か。研究室にいる事で、連絡出来るからな。ソイツは何が起きるかも分かっていたわけだ」
エヴァに毒を渡す。飲むタイミング。それを考えると難しい面もあるが、誰かがエヴァの声を偽り、アダムに連絡したのは確か。
その時間、自身の研究室にいたアーメン達の誰もが可能になる。
『犯人にとって予想外だったのは、エヴァが携帯を研究室に置き忘れた事だ。それともう一つ。研究室へ強制的に入るのではなく、君が招き入れた事もだろうな』
アダムが招き入れなければ、アーメン達は無理矢理侵入する事に。
それは実際に起きた事であり、様々なデータが消失した。監視カメラのデータが消えていたのなら、エヴァに扮した声があったのも分からなかっただろう。
研究室に携帯が残っていたとしても、何の違和感も持たなかったはず。
「もしかして……全員の研究室を確認する必要が出てきたわけ? 私は嫌よ。それは私だけじゃないわよね?」
「そうだな。俺もそこは拒否する。これが分かれば、エヴァのように殺される事はないだろ」
キャメロンとアーメンは研究室内を調べられる事を拒否。
『調べたところで、すでにデータは消しているだろうな』
エヴァのPCにハッキングして、送ったデータを消したのなら、自身の研究室でも証拠を隠滅しているはずだ。わざわざ残す必要がない。
「確かに……対策は出来るわね。けど、この中に犯人がいたら別だけど」
「エヴァ博士が殺された時点で、僕達も警戒はしてます。僕が犯人だとしても、次に誰かを殺すのは難しいと思いますよ」
レオ達は共に調べているわけだが、互いに警戒を怠っていない。
『そんな中で犯行が継続されるわけだが……これでアダムの容疑が晴れたわけじゃない。ただし、この可能性は消えたかもしれないな。エヴァが自殺した可能性がだ』
エヴァが自殺したのなら、偽りの声があるのはおかしい。アーメンやキャメロンが対応策を考えるのも、エヴァ自殺説を消したからだろう。




