全員
「……エヴァは毒で死んだのだから、その可能性は十分ある。だけど、色々と矛盾が出てくるわ。まず、エヴァが飲んだのは即効性の毒なのが一つ」
エヴァの体で発見された毒は、アイザック液と栄養剤が混ざる事で発生する。
別々に飲んだ事で、即効性とまではいかずとも、時間の猶予が僅かにあった可能性もある。
「アイザック液と栄養剤が最初から混ざっていたわけじゃなく、体内で一つになれば、01に連絡を取れた可能性はあるぞ」
アイザック液はアーメンが所属するアイザック社で開発された物。彼が言うのであれば、間違いではないのだろう。
「その場合でも、おかしい部分があるわ。エヴァが知らずに毒を飲んだとして、その容器が見つかってない」
エヴァが間違って毒を飲んだとして、それが入った容器は何処に消えたのか。
助けを求めているのに、隠す必要は全くない。むしろ、その容器から毒の種類が分かるはず。
「当然、01が隠す理由もない。私達が乗り込んだ時、それを隠す素振りをした者はいなかった。ただし、……一人を除いては」
『私も指摘してたところだな。モリー達の中で可能性があるのは一人だけだが、私達はそれがない事を知っている』
「その一人っていうのは俺か? モリー達よりも先に入ったわけだからな。だが、残念。俺はそんな事をしてないぞ。隠す暇はなく、手にそんな物も持ってなかっただろ」
アーメンはエヴァの死体に驚き、そんな状態ではなかった。02にそのような指示も送っておらず、部屋から遠ざけたのも、04と他の博士を入室させるためだ。
「アーメン博士の言った通りです。怪しい行動を取った様子はありませんでした。ワタシの記録にも残っています」
アダムはアーメンを擁護した。
「あくまで可能性の話よ。それに……疑われるのはアーメンだけじゃなく、全員が疑われるようになってしまうわ」
「……はっ!? 私も疑われるわけ? 意味が分からないんだけど!! 監視カメラにエヴァの声があるけど、そのデータはないのよね。私達が消すのは無理でしょ」
キャメロンはモリーに反論する。エヴァ以外が研究室に入れるはずがなく、それを消す理由もない。
『……そういう事か!! モリーが言おうとしている事が分かった。確かに全員が怪しくなる。エヴァの部屋を思い出してみてくれ。そして、私の質問に答えてくれないか』
「マスターの研究室ではなく、部屋の方ですか?」
『そうだ。エヴァの遺体発見時もそうだが、通常時もだ』
「……問題ありません。マスターの部屋には毒の容器は見つかってません」




