求め
「……今日のメンテナンスは長くなるから。……目覚めた時には……」
エヴァの声は途切れ途切れになっている。全ての声を拾えているわけではないようだ。一部の声をわざと小さくしているなんて事は……
「研究室にいたのは夕方まで。それは中央塔の監視カメラでも分かっています。それまでは01のメンテナンスをしているようにも見えますね」
昨日、中央塔の担当をしていたのはレオ。エヴァが研究室から部屋に入るのを確認している。それをアーメン達と再確認しているのなら、間違いない。
その時、エヴァに対しての違和感はなし。あれば、モリーにも報告しているはずだ。彼女だけに隠す必要は何処にもない。
「それ以降の研究室は……誰も侵入はしてませんね」
研究室に変化はなし。研究室は厳重に閉まっていて、侵入するのは難しい。
地下室が開く事はなし。何かが隠れている事もなし。
「……起きてください。そして……すぐに……助け……」
「待ってください!! これは……エヴァ博士が助けを求めてるのかもしれません」
監視カメラの映像の時間を進めていく。そして、アダムが目を覚ます少し前。
途切れ途切れながらも、エヴァの声が研究室に響く。
「マジ!!」
「本当ですか!?」
レオの声にキャメロンとモリーが反応して、彼に近寄る。
「そっちは任せる。ちゃんと聞いてはいるからな」
アーメンは聞き耳を立てるだけで、別の情報を調べる事を優先するようだ。
『これは……エヴァの声で間違いないのか? 先程の声と同じではあるが』
「はい。マスターの声です」
監視カメラにも、その声でアダムが目覚め、カプセルから出てくる映像が残っている。
アダムは自動で起きたのではなく、エヴァの声に反応した。別の声では目覚める事はなかっただろう。
「……PCにその声のデータは残ってませんね。01が触れた様子もないです」
アダムはエヴァの声に応じて、すぐに研究室の外へ出ていく姿が映し出されている。
「01はエヴァを助けに向かったわけ? そこで何かが起きた……にしても、中央塔の監視カメラには01以外に誰も映ってなかったわ。そうよね?」
「……はい。キャメロン博士の言う通りです」
「そうだな。俺達が01を犯人だと思ったのも、怪しい奴が侵入した姿がなかったからだ」
エヴァの部屋に何者かが侵入した形跡はなし。部屋に侵入するにもコードを解除するしかない。
ドアが弄られ、破壊されていたのなら、アーメン達が訪ねてきた時に分かっているはずだ。
「襲われたのではなく、体調を崩した事で、助けを求めたとか? その時に毒を飲んだとも考えられるんじゃないの?」




