破壊
「ここから先にある監視カメラは、中央塔のではなく、マスターの研究室にある物。アイとは繋がっていないはずです」
『なるほど……エヴァの研究室にある監視カメラの映像からも、あの時の君の動きが分かるな』
深夜帯。アダムがエヴァの部屋に向かった時の映像だ。キャメロン達がその映像を見たようだが、モリーやアインズはそれを見せてもらってない。
その時のアダムがどんな様子だったのか。
中央塔の監視カメラは研究室までは届かない。部屋の前まで。それもある程度の距離がある。
アダムの少しの変化を気付く事が出来たのか。彼自身が見る事で、記録に変化が起きる可能性も。
『それと……アダム以外に誰もエヴァの部屋に入っていなかったのか。別角度で見れば、違ってくるかもしれない。モリー達の研究室付近にもあるのか?』
モリーの研究室へ向かった時、アインズはそこまで研究室周辺を見ていなかった。
「あります。巧妙に隠している場合もあるので。ですが、破壊されていた記録が残っています」
『それは今ではなく、後々にか』
博士達の殺害するためか、研究室を調べるためなのか。監視カメラの破壊をした人物、ロボットがいるという事だ。
アダムが持つのは破壊されていた記録であり、破壊した記録じゃない。
『それで……エヴァの研究室の監視カメラはどうなんだ?』
アダムはエヴァの研究室に向かいながら、周辺にある監視カメラを見る。そうすれば、目を共有しているアインズも確認可能。
「破壊されていません。破壊された場合、研究室で確認可能です」
『それが出来なかったのは、すでに殺されていたからだな』
博士が殺害された場合、その研究室に入るのは難しい。今回、アダムだからこそ、研究室への入室を許可しただけで、他のパートナーではどうなるか。
博士殺害前に破壊されている事も考えられる。
『今は無理でも事件後であれば……』
事件後。島外の人間達が事件の調査をしたはずだ。その時、それぞれの研究室内部全てを調べているだろう。
研究室の監視カメラに何が映っていたか。
それこそが、アダムだったのか。だが、彼の記録にはそれが残っていない。
「着いたな。さっさと開けろよ。こっちも時間の無駄使いはしたくないんだ」
エヴァの部屋から、程なくして研究室に到着。
モリーの研究室と同じ大きさ。ドアも厳重に封鎖されている。本人もしくは、パートナーしか開ける事は出来ないだろう。
「スミマセン。少々お待ちください」
アダムはエヴァの研究室前に立つ。
研究室入口にあるカメラがアダムを捉える。マスターであれば、簡単にドアが開くが、パートナーだと時間が必要となる。
それはモリーの研究室もそうであり、本人もそう言っていた。




